2025年時点、ビットコインは過去のサイクルと同じように史上最高値を更新した後も、大きな調整と急反発を繰り返す「ジェットコースター相場」が続いています。

とはいえ、かつてのように「10倍・20倍」といった伸びがそのまま再現されるのかと言われると、多くの投資家は直感的に違和感を覚えているはずです。

  • ビットコインは、まだ本当にこれから「何倍」も上がるのか?
  • それとも、すでにメガサイクルの終盤に入り、上値余地は限定的なのか?

この記事では、クリプトワークスの視点から、

  • 過去の3つのバブルサイクル(2013・2017・2021)の値動き
  • 「メガサイクル」と呼ばれるビットコインの長期トレンド構造
  • サイクルの終盤に起きやすい3つの異変

を整理しながら、「2025年以降ビットコインはどこまで上がり得るのか?」を、数字を断言せずにシナリオベースで分解していきます。


1. 過去3サイクルの“上昇余地”をざっくり振り返る

まずは「どこまで上がるのか?」を考える前提として、過去サイクルでどのくらいの値幅が出ていたのかをシンプルに振り返ります。

1-1. 2013年サイクル:初期バブルの伸びは桁違い

  • 数十ドル〜100ドル台から一気に1,000ドル超まで到達
  • ビットコインという存在自体が知られておらず、ほぼ「ホワイトスペース」だった時代
  • 市場参加者はテックコミュニティや一部の投機家が中心で、資金の小ささと情報ギャップが極端な値動きを生んだ局面

1-2. 2017年サイクル:一般投資家とアルトバブル

  • 1,000ドル前後から約2万ドルまで上昇したクラシックバブル
  • 仮想通貨取引所への新規口座開設ラッシュ、ICOバブル、「億り人」という言葉の誕生
  • まだ機関マネーは限定的で、個人投資家中心のお祭り相場だった時代

1-3. 2021年サイクル:DeFi・NFT・レバレッジが絡んだ複合バブル

  • コロナ後の金融緩和を背景に、1万ドル台から6万ドル台へ
  • ビットコインだけでなく、イーサリアム、DeFi銘柄、NFT、ミームコインなどが同時多発的に高騰
  • レバレッジ・デリバティブの普及により、上昇も下落も増幅されたサイクル

この3サイクルを並べると、初期ほど伸び率は大きく、市場が成熟するごとに「絶対値の価格は上がっているが、倍率としての伸びは鈍化」していることが分かります。


2. 「メガサイクル」とは何か?ビットコインの長期構造を整理する

ビットコインの価格分析でよく語られるのが、

  • 約4年周期のハルビング(半減期)サイクル
  • それに紐づいた3〜4年ごとのメガサイクル

という考え方です。

2-1. ハルビングがもたらす“構造的な供給ショック”

  • マイニング報酬が約4年ごとに半分になる
  • 新規に市場へ出てくるビットコインが定期的に減少する
  • 長期的には「希少性ストーリー」を強化しやすい構造

このハルビングが、

  • 「供給減」×「話題性」×「期待」のトリガーとして効き
  • その前後数年を1つのメガサイクルとして形作る

と捉えられています。

2-2. メガサイクルの“序盤・中盤・終盤”イメージ

  • 序盤:悲観や無関心が支配的だが、少しずつ長期投資家が買い集めるフェーズ
  • 中盤:価格が高値更新を始め、メディア露出や個人投資家の参入が増えるフェーズ
  • 終盤:過去最高値を大きく更新しつつ、上下の値幅も極端になり、強気と不安が同居するフェーズ

2025年のビットコインは、この文脈では「メガサイクル終盤」寄りに位置しているとみる見方が増えています。


3. メガサイクル終盤に起きる「3つの異変」

では、メガサイクルの終盤では具体的にどんな変化が起きるのか。ここでは、クリプトワークスが重要だと考える3つの異変を取り上げます。

3-1. 異変①:上昇の“質”が変わる(倍率よりもボラティリティ)

初期サイクルでは、

  • 価格水準が低く、時価総額も小さい
  • そのため、少額の資金流入でも価格が何倍にも跳ね上がる

という構造がありました。

しかし、現在のビットコインはすでに巨大な資産クラスとして扱われています。サイクル終盤では、

  • 「1年で10倍」といった伸びは出にくくなる一方で
  • 価格の絶対値が高いため、数千ドル〜数万ドル単位の上下動が日常的に発生
  • 倍率よりもボラティリティ(揺さぶり)の大きさが目立つようになる

つまり、「上がるかどうか」よりも、

  • どのタイミングで乗り、どのくらいの値幅を狙うのか
  • 想定するドローダウンをどこまで許容するのか

といったリスク・リワード設計の比重が、サイクル終盤ほど重くなります。

3-2. 異変②:プレイヤー構造の変化(個人バブルから機関混在型へ)

2013年・2017年のサイクルでは、

  • メインプレイヤーは個人投資家
  • 取引所やプロジェクトもスタートアップ中心

という「草創期の市場」でした。

これに対して、現在のサイクルでは、

  • ビットコインETFやデリバティブを通じて機関投資家や企業マネーが参入
  • 一方で、個人投資家の短期売買やミーム銘柄への熱狂も依然として存在
  • 規制当局や中央銀行が、明確に“無視できない存在”としてビットコインを扱い始めた

という、非常に複雑なプレイヤー構造になっています。

その結果、

  • 機関のリスクオフで一気に資金が抜ける
  • マクロイベント次第で株式市場と同じ方向に急落する
  • 一方で、長期志向のプレイヤーが押し目で積み増す

といった「バブル」と「成熟」が同居した値動きになりがちです。

3-3. 異変③:マクロ要因との連動が強まり、“単独ストーリー”では動かない

初期のビットコインは、

  • 規模が小さく、マクロ要因との相関も不明瞭
  • 「仮想通貨界隈のニュース」だけでも大きく動きやすい

という状態でした。

しかし、サイクル終盤に近づくほど、

  • 利下げ・利上げ、インフレ指標、失業率などのマクロ指標
  • 株式指数やAI関連銘柄の動き
  • 地政学リスクや規制ニュース

といった外部要因との連動性が高まる傾向があります。

結果として、

  • ビットコイン固有のポジティブニュースが出ていても、マクロがリスクオフなら上値が抑えられる
  • 逆にマクロがリスクオンなら、ビットコインだけでなく広範なリスク資産が一斉に買われる

といった「ストーリーの多重化」が起きます。これが、メガサイクル終盤での「読みづらさ」を加速させる要因のひとつです。


4. 2025年以降、ビットコインはどこまで上がり得るのか?

ここまでの整理を踏まえ、「何ドルまで上がる」と単純に断言することは、もはや現実的ではありません。そこで本記事では、あえて価格帯ではなくシナリオとして整理します。

4-1. シナリオA:レンジ拡大型の“ゆるやかな上昇トレンド”

もっともベースラインになりやすいのが、

  • 高値更新のスピードは鈍化する
  • ただし、長期的には右肩上がりのトレンドを維持
  • 数年単位で見れば、安値と高値のレンジがじわじわと切り上がっていく

というシナリオです。

この場合、

  • 「どこまで上がるか」よりも「どのゾーンなら自分は買えるか・売れるか」というレンジ思考
  • 積立やDCA(ドルコスト平均法)など、時間分散を重視したスタンス

が現実的な選択肢になります。

4-2. シナリオB:大きな調整を挟みつつ、次のサイクルへ

もう一つの可能性は、

  • メガサイクル終盤でつけた高値から深い調整が入る
  • 数年単位で、「冬」とまではいかないが重いレンジ相場が続く
  • その後、次のハルビングや技術進化をきっかけに再び上昇サイクルへ

というパターンです。

このシナリオでは、

  • 短期で一気に上値を追うよりも、「長期での安値拾い」に徹するスタンス
  • レバレッジを抑え、キャッシュポジションや他資産とのバランスを重視

といった戦略が重要になります。

4-3. シナリオC:マクロ追い風と新ナラティブが重なる“レイトバブル”延長戦

確率としては高くないものの、

  • 世界的な金融緩和の再加速
  • AI・Web3・RWA(現実資産トークン化)など新しいナラティブの爆発
  • ETFや企業マネーの本格的な再流入

が同時に起きた場合、

  • 一度つけた高値をさらに上抜ける“延長戦バブル”
  • ただし、その後の反動も過去以上に大きくなり得る

というハイボラティリティなシナリオも理論上は想定されます。

このケースでは、「どこまで上がるか」よりも、

  • どこで欲を抑えて利確・撤退するのか
  • レバレッジをどこまで制限するのか

といったセルサイドのルールを事前に決めておくことが重要になります。


5. クリプトワークス的まとめ:「何ドル?」ではなく「どのシナリオに賭けるか?」へ発想転換する

2025年のビットコインは、

  • 過去サイクルと同様に大きな値幅を見せつつも
  • 市場の成熟とマクロ連動の強まりにより、単純な“何倍ゲーム”ではなくなった

というのが、現時点でのクリプトワークスの認識です。

そのうえで、

  • 「どこまで上がるのか?」という一点予想よりも
  • 「自分はどのシナリオをメインに想定し、それに合ったリスク管理と時間軸を取るのか」

という発想に切り替えることが、メガサイクル終盤のビットコインと向き合う上で、最も現実的なスタンスだと考えています。