ここ数年、世界中で「お金」に関する違和感を覚えている人は多いはずです。
- 給料はそこまで増えていないのに、物価や家賃だけが上がっていく
- 株式や不動産、ビットコインなどの資産価格だけが先に高騰している
- アメリカや日本を含め、各国の政府債務は史上最大レベルに積み上がっている
まるで、「自分の知らないところで、お金のルールが書き換えられている」ような感覚——。
本記事ではCryptoWorksの視点から、
- インフレ・通貨・資産バブルがどう繋がっているのか
- なぜ世界中で「お金の感覚」が狂いやすい環境になっているのか
- その中で個人はどう資産を考えればいいのか
を整理しながら、「お金のルールが書き換わる時代」の全体像を解説していきます。
1. お金のルールが書き換わっていると感じる3つの理由
まず、「ルールが書き換わっている」と感じさせる主な要因を3つに分解します。
1-1. 理論上は「インフレが落ち着きつつある」のに、生活実感としては高いまま
多くの先進国では、
- 統計上のインフレ率はピークアウトしている
- しかし、食品・エネルギー・家賃などは高止まり
という状態が続いています。
つまり、
- 「数字上のインフレ率」は落ち着いてきたように見える
- 「体感のインフレ」はあまり下がっていない
このギャップが、
「ルールは落ち着いたと説明されているのに、自分の生活は苦しい」
という違和感につながっています。
1-2. 賃金よりも「資産価格」の方が先に上がる構造
ここ十数年の特徴として、
- 株価・不動産・ビットコインなどの資産価格が大きく上昇
- 一方で、実質賃金の上昇は限定的 or マイナス
という「資産を持つ人」と「持たない人」の格差が拡大しやすい環境が続いています。
これは、
- 中央銀行による大規模な金融緩和(低金利・量的緩和)
- 余ったマネーがまず金融市場や不動産市場へ流れ込む
- その結果、資産インフレが先行する
というメカニズムによるものです。
この構図は、「働いて稼ぐ」よりも「資産を持っている方が早く豊かになる」ように見えるため、
従来の「まじめに働いていれば報われる」という感覚を揺さぶります。
1-3. 各国の政府債務が“過去最大級”でも、なぜかシステムは回り続けている
もう一つの違和感は、
- 各国の国家債務がGDP比で過去最大レベル
- それでもすぐに破綻も崩壊もせず、むしろ追加の財政出動まで行われている
という点です。
かつての「家計の感覚」でいえば、
- 借金が増え続ければ、いつか破綻する
はずですが、国家に対してはこの感覚が当てはまらない部分があります。
このギャップが、
- 「こんなに借金して大丈夫なのか?」
- 「そもそもお金って何なんだ?」
という根源的な疑問を生み、「お金のルール」への不信感へと繋がっていきます。
2. インフレ・通貨・資産バブルはどう繋がっているのか
ここからは、インフレ・通貨供給・資産バブルがどう繋がっているのか、流れを整理してみます。
2-1. 通貨供給が増えると「どこか」でインフレが起きる
中央銀行が金融緩和を行うと、
- 政策金利の引き下げ
- 国債や社債の大量購入(量的緩和)
を通じて、経済全体にマネーが供給されます。
このお金は、
- 消費・投資・政府支出
- 金融市場(株・債券・不動産・仮想通貨など)
に流れ込んでいきます。
ただし、重要なのは、
- 必ずしも「消費者物価」だけが上がるわけではない
- 資産価格のインフレ(=資産バブル)という形で現れることも多い
という点です。
2-2. 「生活インフレ」と「資産インフレ」はタイミングがズレる
典型的なパターンとしては、
- 金融緩和で、まず株・不動産・ビットコインなどのリスク資産が上がる
- その後、企業利益や賃金、物価にもじわじわ波及してくる
という時間差が生じます。
結果として、
- 資産を持っている人:価格上昇の恩恵を先に受ける
- 資産を持っていない人:物価上昇や生活コストだけが先に重くのしかかる
という「格差の拡大」が構造的に起こりやすくなります。
2-3. 「インフレを抑えるための利上げ」が、逆に資産市場を冷やす
インフレが問題になってくると、中央銀行は今度は逆に利上げを行います。
- 金利が上がると、将来キャッシュフローの現在価値が下がる
- 株式・不動産・ハイリスク資産が調整しやすくなる
- レバレッジをかけていた投資家がポジションを解消する
その結果、
- 資産価格は調整・下落
- しかし、生活コストはすぐには下がらない
という、これまた「生活だけが苦しくなり続ける」ように感じる局面が訪れることもあります。
3. 「お金のルール」が変わったように感じる背景
上記の流れを踏まえた上で、なぜここまで「お金のルールが変わってしまった感」が強くなっているのかをもう少し深掘りします。
3-1. お金を「稼ぐ」よりも「増やす」ことの重要度が上がってしまった
かつては、
- 終身雇用
- 右肩上がりの経済成長
- 銀行預金でもある程度の利息
という環境のもとで、
- 「働いてお金を稼ぐ」=「豊かさを積み上げる」
という図式が成り立っていました。
しかし、
- 低金利・ゼロ金利が長期化
- 実質賃金が伸び悩む
- 資産価格だけが先に上がる
といった状況の中で、
「稼ぐ」だけでは追いつかず、「増やす(運用する)」ことの重要度が一気に上がってしまったのです。
3-2. 「通貨」そのものへの信頼が揺らぎつつある
インフレ・通貨安・国家債務の増加などが重なり、
- 「本当にこの通貨を持ち続けて大丈夫なのか?」
- 「いつか大きな通貨価値の調整が来るのではないか?」
という不安を持つ人も増えてきました。
その結果、
- 外貨・金・不動産・株式
- ビットコインやステーブルコインなどのデジタル資産
へと、「通貨リスクのヘッジとしての分散」が進みつつあります。
3-3. 「お金の形」が多層化している
現代では、
- 現金・預金
- クレジット・電子マネー・QR決済
- ポイント・マイル
- ゲーム内通貨・NFT的な価値
- ビットコイン・ステーブルコイン・トークン
といった形で、
「お金っぽいもの」が多層的に存在しています。
この「何が本当のお金で、何がただの数字なのか」が分かりにくくなっている構造も、
「お金のルールが見えなくなる要因」の一つです。
4. 個人はこの環境でどう動けばいいのか|3つの視点
では、こんな環境の中で、
個人はどのようにお金・資産を考えていけばいいのか。
CryptoWorksの視点から、3つの軸を提案します。
4-1. ① 「通貨」と「資産」を意識的に分けて考える
まず、
- 日々の生活のために使う「通貨」
- 価値を保存・増やすための「資産」
を分けて考えることが重要です。
例えば、
- 生活費:給与振込口座・普通預金など(短期的な安全性重視)
- 資産運用:株式・インデックス・金・不動産・ビットコインなど(中長期のリターン・分散重視)
という形で、
「全部を現金で置いておく」状態から、一歩ずつ脱出していくイメージです。
4-2. ② 「一つの国・一つの通貨」に極端に依存しない
地政学・通貨・債務リスクを考えると、
- 日本円だけ
- 日本株だけ
といった形で、一つの国や通貨に資産を集中させることは、リスクにもなり得ます。
現実的なステップとしては、
- 外貨建て資産(ドル・ユーロなど)の比率を少しずつ増やす
- 海外ETFやグローバル分散型のインデックスを取り入れる
- その一部としてビットコインのような「通貨システムの外側」にある資産を少額組み込む
といった「通貨・地域の分散」を意識していくことが重要です。
4-3. ③ 「短期の相場」ではなく「長期のストーリー」で考える
最後に大事なのは、
- インフレ・金利・通貨・資産バブル
を、一本のストーリーとして捉えることです。
例えば、
- 今は高インフレ+金融引き締め局面なのか
- それとも、これから再び緩和方向に向かうサイクルなのか
- 各国の債務・通貨価値は、10年後にどうなっていそうか
といったマクロの流れを意識しながら、
- 株式
- 不動産
- 金
- ビットコインなどのオルタ資産
を、「どれか一つに賭ける」のではなく、「役割分担させて組み合わせる」発想が重要になってきます。
まとめ|「ルール変更」を恐れるよりも、構造を理解して自分のルールを作る
世界中で「お金のルールが書き換わっている」と感じる背景には、
- 通貨供給の増加
- インフレと資産バブルの時間差
- 国家債務の拡大と、それでもシステムが回り続ける構造
- 通貨そのものの多層化・デジタル化
といった、複数の要因が絡み合っています。
重要なのは、
- 「ルールが変わったから終わりだ」と諦めることではなく、
- 「ルールがどう変わっているのか」を理解して、自分なりの資産のルールを組み立てること
です。
CryptoWorksでは今後も、
- インフレ・通貨・金利・資産バブル
- そしてビットコインをはじめとしたデジタル資産
を、単なるニュースではなく「構造」と「ストーリー」として解説し、
読者が自分の頭で考え、自分のルールを作れるような情報発信を続けていきます。