大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインの評価システムを開発か

大手格付け会社ムーディーズは、ステーブルコインの評価システムを構築していることがわかった。複数の情報筋の話として「ブルームバーグ」が26日に報じた。
暗号資産(仮想通貨)の取引で多く利用されるステーブルコインに対し、規制機関が監視を強めていることが背景にあるとみられる。ムーディーズは、裏付け資産の認証のレベルを基準にして、最大20種類のステーブルコインを評価付けする計画だと情報筋は説明した。

Coin Post

大手格付け会社ムーディーズって?

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googleで検索するとついつい「人気知名度No.1」をクリックしてしまいそうになりますが、最強のAVメーカーではありません笑

ムーディーズ (Moody's Corporation) は、アメリカの民間企業で、米大手債券の格付け機関業務を行っている。スタンダード&プアーズ (S&P) と並ぶ2大格付け会社の一つで、企業や債券などの信用力を調査し、信用格付けを行っている。主に債券の発行会社から格付け手数料収入を得て、格付けを行っている。

wikipedia

ムーディーズの長期債務格付けの最高位はAaaとなる。BBB、CCCに相当する記号も二番目以降の文字はaで、Baa、Caaとなる。
ムーディーズの格付け記号を最上位から並べると次のようになる。 Aaa,Aa1,Aa2,Aa3,A1,A2,A3,Baa1,Baa2,Baa3,Ba1,Ba2,Ba3,B1,B2,B3,Caa1,Caa2,Caa3,Ca,C

ステーブルコインって?

価格の安定性を実現するように設計された暗号資産(仮想通貨)のこと。裏付け資産がないため価格変動が激しく、決済手段としての活用が進んでいない暗号資産の普及を促し、実用性を高めるために設計されている。

要は価格が米ドルや円と連動しているコインのこと。
さらに詳しく知りたい方はこちらから

ステーブルコインの格付けがなぜ必要なのか?

背景

暗号資産(仮想通貨)の取引で多く利用されるステーブルコインに対し、規制機関が監視を強めているから

思い出してくださいテラショックを…

無担保型ステーブルコインで急成長を遂げていた「テラ(TerraUSD)」。テラUSDの供給量は約175億ドル(約2兆2,600億円)で、バイナンスを抜いて、テザー、USDコインに次いでステーブルコインの第3位に浮上していた。それは、ステーブルコイン供給量全体の約10%を占めていたのである。
一定程度のテラの需要を維持し価値を安定させるため、運営会社はテラUSDの保有者に有利な運用利回りを保証する仕組みを作り上げた。それは、アンカー・プロトコルと呼ばれるものだ。テラUSDの銀行のようなプラットフォームで、ここにテラを貸し出すことで投資家は大きな利子を得ることができた。この1年、アンカーはテラUSDの預金に20%近いリターンを提供してきた。先週時点で、アンカーには140億ドル余りのテラUSDが預け入れられていた。
このアンカーから大量の引き出しが発生し、テラUSDはドルとの連動性を一気に失ってしまった。
テラUSDの対ドル価値は1ドルから10セント台にまで一気に暴落したのである。

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いや地獄・・・価格の安定性が売りのステーブルコインにスワップしといたはずが…詐欺やんポンジやん…と業界が騒然となり価格が一斉に崩れていった様は記憶に新しい。

テラ騒動でアルゴリズム型のステーブルコインが価値を維持できなくなり、世界の規制当局はステーブルコインに対する監視を強め、投資家保護の強化に乗り出している。

USDTなどは?

米ドルと1:1で価値が連動する「USDT」を発行するテザー社は定期的に裏付け資産を公開したり、裏付け資産の監査を受けた結果を公表したりして、信頼向上に取り組んでいる。

テザー社は公式ウェブサイトに、透明性を高めるために準備金の情報を公開したページも開設。このページでは監査レポートも公開しており、現在は2022年9月末分までを閲覧することができる。

日本の規制は?

金融庁がアルゴリズム型ステーブルコインの規制を強化する可能性も。
現在パブリックコメントを受け付けている改正法の中には、禁止行為として、いわゆるアルゴリズム型ステーブルコインや暗号資産担保型ステーブルコインなどのように、価値の安定が常に確保されていないにも関わらず、ステーブルコインと称してこれを誤認させるような表示を禁止としている。

ステーブルコインの紹介

Tether(USDT)

Tether(USDT)は、米ドルに連動して同じような動きをするステーブルコインです。Tether Limited社が運営しており、1ドルが1USDTになるようにしています。

TrueUSD(TUSD)

2018年から発行を開始したTrueUSD(TUSD)は、米ドルに連動したステーブルコインです。安定した価格推移であるため、資産の保全を目的とした投資先として利用されています。TrueUSD(TUSD)は1ドル=1TUSDで固定されています。TUSDは複数の信託銀行が運営しているため倒産などのリスクも、同じドルペッグ通貨Tether(USDT)を運営しているテザー社と比較すると低くなっています。

DAI

DAIは、イーサリアムやBATなどの仮想通貨を担保としているステーブルコインです。元々はイーサリアムのみの担保でしたが、BATなど承認されたイーサリアムベースの資産が担保として認められたため、価格のさらなる安定化につながっています。

Tether Gold(XAUT)

テザーゴールドは、スイスの銀行で保管されている商品(金)を担保にした通貨です。金現物を資産に組み込んでいる人もいると思いますが、ステーブルコインで所有すると金と交換できるようにしたため、新しいリスクヘッジの方法となっています。テザーゴールドは金に連動しているため、発行会社の金保有数量のチェックは定期的に行う必要があります。

JPYC(JPY Coin)

JPYC(JPY Coin)は、前払支払方式というジャンルの日本円に連動したステーブルコインで、2021年の1月に発行を開始しました。直近では、2022年5月10日には発行額の総数が約10億円を突破した通貨です。