5月3日

4月の最終週からある特養の入居者に対する新型コロナ予防接種が始まった。奇妙だと思うこと、また腹立たしく感じるのは、この特養の医療関係者、介護関係者、事務職員などは誰一人として接種を受けていないもかかわらず、入居者が接種を受けるということだ。

なぜそうなのかというと市役所がそうしろと言うからだよ。なぜ市役所はそういうかというと、国がそうしろと言うからだ。特養の管理者は、それに対してノーと言わないんだな。まあ、市役所ににらまれたら仕事がしにくいんだろうな。

入居者に注射をしてる私は心底変だと思っています。だれのためにこんなおかしなことやってるのか、まず入居者に接する医療/介護従事者がコロナに免疫をつけなければいけないってのが、原則。

特養での介護職や医療従事者は、入居者にかなり接近して、多くは1メートル以内、排泄や食事の世話をする場合には50センチ以内に接近して仕事をしなければならない。入居者は認知症があって、マスクを装着することの理由を理解もできない人が多い。実際装着している人はごくわずかだ。これらの入居者にかかわって仕事をする人がコロナに感染すれば、重症化する確率の高い、高齢の利用者に伝染する確率が高い。これが医療/介護従事者にまず接種をする理由なのです。

医療/介護従事者が感染を起こせば、結局介護を受ける人々を世話する人が介護をすることができないようになり、全体的にはマイナスなのに。

また、市役所は1本のコロナウイルスのワクチンのバイアルから、5人分を取るということに決めている。市役所が配布しているかなり無駄な空間の多い注射器でも2本のバイアルから11人分が取れるのに、市役所に尋ねると余った注射液は廃棄してほしいと言う。確か河野ワクチン接種担当大臣は現場の配慮で無駄にならないように有効に使ってほしいと言ってたよね・・・。

日本は現在のところ、こんな不条理を避けることができない国だということを知ることになって、ため息がでてしまう。回りまわって接種の順位は、政権の人気取りのためかと勘繰りたくなってしまう。