今回は『伝説 THE LEGEND』について。

 

この作品は、2005年の映画

『THE MYTH/神話』の〈続編〉とのこと。

※(日本公開は2006年)

 

おやおや…〈続編〉とな。

こりゃあ、深堀りがいがありそうだ。

 

前置きは手短に、さっそく参りましょう。

今回も一味違う〈マニアック情報〉満載。

 

どうか、ドン引きせぬよう…

ニッチなジャッキーファンの皆さま、

よろしくお願いします♪

 

 

 

●お品書き

 

①    2023年4月中国公開『龍馬精神』← 済

ご覧になりたい方は、以下をどうぞ♪

 

②   『神話』続編『伝説 THE LEGEND』今回

 

③   クランク・インしました『P計画』(近日UP)

 

④   大注目の港產片!『新警察故事2』(近日UP)

 

 

 

●『伝説 THE LEGEND』

 

 

【動画】Facebook公式・恒生影业/传说❝时空穿梭❞预告

 

 

公開前のため、情報は当然、限られています。

そこで、今回は主に〈製作背景〉について

深掘りします。

 

 

 

◎撮影許可申請

 

中国で映画を作る際は、

中国政府の承認を得る必要がある。

以下は、映画を管理する政府機関

「国家電影局」が発表した

〈撮影許可申請・承認結果公示〉内容。※抜粋

 

・申請者(登録ユニット)

「博纳影业集团股份有限公司」

「北京礼想境界影视传媒有限公司」

 

・脚本家「唐季礼」

 

・撮影承認

 

この公示は、

2022年9月度の撮影承認一覧にあった。

 

 

 

◎制作会社

 

纳影业集团股份有限公司」

(Bona Film Group Limited)

2003年設立、中国国内大手の総合映画会社。

映画制作・宣伝・配給のほか、中国に101か所の劇場を所有。
※2021年12月現在

 

「北京礼想境界影视传媒有限公司」

2016年設立、映画・ドラマ制作会社。

『カンフー・ヨガ』『プロジェクトV』などの

スタンリー・トン監督作品たずさわっている。

 

 

 

 

◎脚本・監督

 

唐季礼(スタンリー・トン)プロフィール

 

1960年4月7日(63歳)香港生まれ。

※ジャッキーと同じ誕生日!

 

姉は元女優の唐嘉麗(Grace Tang Chia-li)

姉の夫(義兄)はアクション俳優の羅烈(Lo Lie)

 

★スタントマンとして映画界へ

 

1979年(19歳)、ショーブラザーズの俳優である

義兄(羅烈)の紹介で、俳優・武術家の

ラウ・カーリョン(劉家良)に出会う。

 

以降、カーリョンの弟子

余袁侯耀宗らの師事を経て、

スタントマンとしてのキャリアをスタート。

同時に、助監督や脚本執筆なども経験。

 

★『ポリス・ストーリー3』の監督に抜擢

 

1990年。

自費製作映画『魔域飛龍』を発表したところ

著名な映画評論家から好評を博す。

 

これを受けて、GHプロデューサー、

レナード・ホー(何冠昌)は、スタンリーを

『ポリス・ストーリー3』の監督に抜擢。

 

映画は成功をおさめ、続くスタンリー監督

レッド・ブロンクス』

『ファイナル・プロジェクト』も次々にヒット。

 

こうして、スタンリー・トンは

ジャッキー映画には欠かせない存在となった。

 

ちなみに、今作の『伝説 THE LEGEND』は、

ジャッキー&スタンリーのコラボ・10作目

 

 

 

 

 

◎撮影経過/プレスリリース等

情報を時系列にまとめます。

(撮影日程)

 

・撮影許可承認  → 2022年9月

・撮影承認公示日 → 2023年1月23日

・クランクイン  → 2023年2月22日頃

※撮影開始場所:新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州昭蘇県

・クランクアップ → 2023年7月28日

 

 

クランクイン情報は、

新疆ウイグル自治区・人民政府情報局公式微博が報じていた。

 

「2月22日、

ジャッキー・チェン国際特技チームが

昭蘇県でスキーをしている場面を撮影した」

と、視聴者スクープ動画をUP。

 

 

(プレスリリース等)

 

・『伝説 THE LEGEND』公式微博設置

(2023年4月18日)

『第13回北京国際映画祭』レッドカーペット

(2023年4月21日)

 

大々的なプレスリリースは、

『第13回北京国際映画祭』のレッドカーペット。

主要キャストとスタッフが登場。

 

 

 

(Chai・メモ)

 

レッドカーペットでのやりとり。

司会者から

「前作の歌、素晴らしかったですね~」

と振られたジャッキーは、ひと節披露♪

 

さらに「今作の歌は?」と問われると、

なんと「明明白白我的心~♪」と歌いだした!

 

「昔の歌…?」と司会者がツっこむと

「いえ、まだ準備中で~す」と、ニッコリ否定。

 

紛らわしいな、ったく(笑)

 

このやり取りは、以下の動画で視聴可能。

ジャッキーのアカペラ披露、是非聞いてみてね。

 

【動画】YouTube/公式・北京广播电视台官方频道

北京国际电影节・红毯cut

 

 

 

◎あらすじ・キャッチコピー等

 

 

『伝説 THE LEGEND』公式微博には、

以下のようなキャッチコピーが掲載。

 

古与今、虚与、幻与真,以玉佩

一段封秘事即将揭开

引用:电影《传说》官方微博23-7-28

 

Chai・意訳:

いにしえと今、虚構と現実、まぼろしと現(うつつ)、

翡翠のペンダントをきっかけに、

閉ざされた秘密の物語が幕を開ける

 

また「国家電影局」の審査公示には、

以下のようなあらすじが掲載。

 

穿越时空的爱情故事,苍凉壮美的西域风景,

野性奔放的公主,骁勇善战的将军,

似曾相识的梦境:我穿越千年,只为再救你一次。

引用:中華人民共和国・国家电影局/备案公示查询结果

 

Chai・意訳:

時空を超えたラブ・ストーリー。

荒涼で広大な西域の風景、野性的で奔放な姫、勇敢・有能な将軍、

見覚えのある夢。「千年の時を越える、再び、あなたを救うためだけに」      

 

 

(Chai・メモ)

 

前作『THE MYTH 神話』

キャッチコピーは以下の通り。

 

現地(中国)版:

「前世梦境 今生寻觅 千军万马 现在重临」

(前世の夢 今生の探求 千軍万馬が今、再臨する)

 

日本劇場公開版:

「二千年の時を超え 今、

‘’神話‘’の謎が明かされる」

 

 

前作は結局〈謎だらけ〉で終わったしな。

その辺、キッチリ片づけるのか?しらんけど。

 

続編のスタンリー・トン!と言うべきか…

どうやら彼は、考古学者・冒険家話を

シリーズ化する模様。

※インタビューで言ってました

 

神話・伝説ときて、今度は〈真実〉とか?

もう、いいってば(*_*)

 

ヴァンガードも、そのつもりらしく…

実は、既に撮影承認おりてます…

※私は公示を見てしまった……

 

ウソだろ、おい。

ジャッキー、ダイジョブかな。

ムリはダメ、ゼッタイ!

 

 

 

 

 

◎制作費用/協力等

 

以下、中国メディア情報。

制作費・約3億6000万元(約76億円)

※11月12日現在レート

 

また、新疆ウイグル自治区の協力のもと、

6000頭以上の馬延べ1090人の遊牧民

撮影に臨んだとのこと。

 

 

 

(Chai・メモ)

 

76億円が高いか否かはおいといて…

ジャッキー映画としてはザラな金額。

 

例えば、

2019年公開『プロジェクトV』は4億元(約83億円)

今年公開『龍馬精神』は3億元(約62億円)

 

ジャッキーは「金に糸目を付けぬ」

ところがある。

若い頃なら、それでもよかろう。

しかし、今はそうもいかなくなった。

 

『プロジェクトV』『龍馬精神』

成績がよろしくない。

 

『プロジェクトV』なんて、

「損益が大きかった映画ランキング第2位」

という、不名誉なタイトルまで獲得。

 

コロナ禍も不運の原因ではあるが、

このご時世、高すぎる製作費はリスキーだ。

 

比較対象として、邦画の製作費も調査してみた。

 

今年1月公開、木村拓哉主演

『レジェンド&バタフライ』

総製作費・20億円。

日本では〈大作〉扱いされています。

 

興収は24.4億円。回収できてるじゃん…

とおもいきや、これではダメ。

 

映画.com のコラムによれば、

製作費・20億円の採算を取るには、

興収45億円ないと赤字らしい。厳しいなぁ。

 

一方、低予算ながら大成功をおさめる例も。

 

2016年公開『シン・ゴジラ』

巷では「製作費・12~13億円」なんて話がある。

 

仮に15億くらいだったとしても、

『シン・ゴジラ』の興収はなんと82.5億円

スゲーな! おつりで新作つくれるじゃん(笑)

 

映画は大博打ですね。

ジャッキー・チェンの威光をもってしても、

そう簡単には勝たせてもらえないのだから。

 

さて、今回の『神話』〈続編〉、勝負はいかに。

 

 

 

 

 

★Chai的視点(考察タイム)

 

考察っていうより、今回は思ったこと

素直に書きます。

 

ここまで読んで、気が付いたでしょうが、

私はこの〈続編〉、まったく期待してません!

 

また暴言吐いてる、と思うでしょうが…

 

ファンだから、ひいきすることはありますよ。

しかし、心に嘘はつけない(笑)

 

だって、前作から18年ですよ?

あいだが開きすぎ。

ジャッキー、老けちゃったじゃん!

 

〈続編〉やるなら

せめて『カンフー・ヨガ』のタイミング。

それでも遅いくらいだ。

 

ボリウッドダンスでチョケてる暇あったら、

〈正統な続編〉作れよ!とおもった。

 

 

 

最後に、

〈続編〉に関しての一考。

 

ジャッキーくらいの年齢に達した俳優に

ずっと昔の作品の〈続編〉やらせるってのは、

賛成しない。

 

ただでさえ、

続き物はハードルが高いっていうのに…

 

私は、

〈続編〉には賞味期限があると思っている。

 

ゴジラ作品のように、主人公が人間以外なら、

100年先でも新鮮だ。

しかし、生身の人間はそうはいかん
 

同じ俳優で〈続編〉を作る場合、

1作目の年齢設定を考慮して、

それ相当に練った脚本を要するだろう。

 

 

まあ、一定数、

温かい目で見守るファンはいる。

まぎれもなく、私もその一人。

 

ただし、その温かさの裏には

辛辣な心理が隠されている。

 

怖いもの見たさアリ、

一番は〈ファンの矜持〉だ。

本当にオモシロいから見る、というより

責任感にも似た心理で、

ジャッキー映画を見届けている節がある。

 

そんな気持ちで見る映画は、切ない…

だからこそ、〈続編〉と聞くと、

一瞬、身構えてしまうのだ。

 

これは、今に始まった話ではない。

正直、ジャッキーは続編を作りすぎた

 

ポリスシリーズ。

ワタシは早々に脱落したんだ。

香港国際警察があまりにもよすぎた。

だから九龍の眼以降は、ガッカリが続いた。

※中には良いものもあるけど

 

A2もそう。

豪華メンバーが楽しげだけど、

サモ・ハンユン・ピョウがいない時点で

及第点にとどいていない。

 

アジアの鷹なんざ、わたしゃ

サンダーアームしか認めん!ってな具合(笑)

 

今回の『伝説』が、一体どうなるのか。

もちろん、ふたを開けてみなければわからない。

案外「いいじゃない!」となるかもしれない。

 

ただ『魔法拳』の時みたいに、

CGの〈若返りジャッキー〉が云々とか…

イラネーのよ、そういうの。

※意見には個人差があります

 

今、続編作るんだったら、

時間の経過ありきで、

等身大のジャッキーに見合う

脚本で見てみたいものだ。

 

スタンリー・トンさん、頼むよ!

色んな意味で、

ジャッキーにムリをさせんでくれ!!

 

ジャッキーには、これまで、

十分アクションを楽しませてもらった。

これからは、そうじゃない〈何か〉

私は期待している。

 

今作『伝説 THE LEGEND』が、

いい意味でレジェンドになりますように!

そう願いながら、公開を待つとします。

 

 

 

 

ハイ!ご清聴ありがとうございました!

次回をお楽しみに♪

 

※次回は『P計画』について。近日UP予定です。

 

文責/Chai

 

 

参考資料:

・国家電影局「2022年9月全国电影剧本(梗概)备案、立项公示的通知審査公示」

2023/1/23

https://www.chinafilm.gov.cn/dybalxgs/202303/t20230305_667913.html

 

・BONA Film Group博纳影业集团

 
・立鼎产业研究网/博纳影业;影视行业龙头,全产业链业务布局.疫情下公司运营整体稳健

 

・『映画:香港制造-与香港著名导演对话』

张燕著/ 北京大学出版社/2006.4.30

 

・微博・新疆发布(新疆维吾尔自治区人民政府新聞社办公室 公式)

2023/02/22 15:35 ※以下。記事は現在閲覧不可

「近日,成龙主演的电影《传说》伊犁哈萨克自治州昭苏县开拍。

2月21日、在有网友晒出成龙国际特技队在昭苏县滑雪画面。」

 

・北京国际电影节

 

・北京市人民政府/第十三届北京国际电影节举行开幕红毯

https://www.beijing.gov.cn/renwen/sy/whkb/202304/t20230423_3063675.html

 

・电影《传说》首曝预告 成龙携张艺兴娜扎穿越古今

 

・「レジェンド&バタフライ」。総製作費20億円はいくら稼げば元が取れるのか?

<後編>【コラム/細野真宏の試写室日記】