《第3回 Chaiさんの世界へようこそ!》
ということで、Chaiさんにおもいっきり語ってもらいます!
私は……必要かなぁ???
……というか、入り込む余地ありますかね???
ただただ、Chaiさんの世界をお楽しみくださ~い!
Fanks!!
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東映映画『成龍拳』深掘り
『成龍拳』の消化不良感を紐解く
~ラストバトル解釈を皮切りに~
ジャッキー音楽(映画)音楽研究室
Chai
【はじめに】
『成龍拳』はジャッキー・チェンが主演した武侠映画だが、世間の評価は厳しいものがある。
そして、この作品をファン以上に「失敗だ」とコケおろしているのは、こともあろうかジャッキー本人だったりする。
彼は自伝『I AM JACKIE CHAN』の中で、このようなことを述べているのだ。
「プロットは馬鹿馬鹿しいくらい複雑」「映画を見た人は(映画を見た人には同情するが)なぜ、僕が途中から筋についていけなくなったかわかるだろう」
(ジャッキー・チェン/ジェフ・ヤン,西間木洋子訳,1999年,p.335)
では、『成龍拳』のプロットはそんなに複雑なのだろうか?
確かに他のジャッキー映画に比べれば、多少話が立て込んでいるかもしれない。
この作品は、台湾の武侠小説家・古龍が書いた小説『剣・花・煙雨江南』を基に、原作者本人が脚本を書き下ろしている。
古龍という人は、キャラクターの心理や人間模様(兄弟仁義等)に重きを置く特徴があり、『成龍拳』にもその特徴がいかんなく発揮されている。
つまり、ストーリー重視のプロットは「アクションが売り」のジャッキーと相性が悪く、そこが「失敗作」につながった可能性は大いにあるだろう。
ただ、ジャッキーは失敗の原因を「プロットが複雑だから」と言っている。
「自分に合わない」ではなく「複雑」だから。
これはどうにも腑に落ちなかった。
第一、原作は映画よりもはるかに複雑で、映画脚本はむしろ、設定を大幅に変更し、かなりスッキリとした筋書きに書き換えられているのである。
そこで筆者は『成龍拳』の「失敗」が「プロット以外」にも大いにあると推測した。
先に述べた「主演の特性とプロットのミスマッチ」も原因の一つだと思うが、映画を取り巻くさまざまな「背景」が複雑に絡み合い、最終的に『成龍拳』は失敗に終わったという気がしてならない。
確かにプロットは重要だ。
映画を見たファンの「わかりにくい」という声は小さくないし、こと、ラストバトルの結末については「消化不良」を訴えているファンが多数いる。
ただ、これが「プロットの複雑さ」ゆえに起きたことかといえば、必ずしもそうではないと筆者は考えている。
『成龍拳』を「失敗作」たらしめている「真の理由」はなにか?
もし、いくつもの複合的な理由が折り重なっているのだとしたら、それらを紐解きたい。
今回の深掘りは、こういった『成龍拳』に関する「消化不良」を解消し、『成龍拳』が「失敗作」であるという汚名を少しでもそそぐ一助になればと考えている。
【概要】
最初に、このレポートで主張したいことを以下にまとめる。
①ラストバトル・結末解釈に関する調査・考察
『成龍拳』を「失敗作」と評価する理由について「ラストバトルの消化不良感」挙げる者が少なくない。
今回のコラボ研究の口火を切った共同研究者・Fanks!!氏もその一人だが、彼の「消化不良」は他のそれとは一風変わったものであった。
Fanks!!氏曰く「周囲と自分の解釈が違う」とのこと。
そこで、ラストバトル解釈にどのようなものがあるかを調査したところ、結末(トドメの刺し方)の解釈が大きく2つに分かれていることがわかった。
1つは《首吊り説》、もう1つは《脳天直撃説》である。
前者は、一部のムック本にも掲載されるほど「定説」とされている解釈だ。
後者は初めて聞く説だという人も多いだろう。
Fanks!!氏の説は後者であるが、この解釈が世の中的にはマイナーであることが、彼の「消化不良」の原因になっていた。
そこで筆者は、どちらの説が「妥当な解釈か」を調査した結果、《脳天直撃説》が妥当であると主張したいのである。
このレポートでは、その主張を根拠を交えてまとめていく。
同時に、こうした解釈違いがなぜ生じたかを考察する。
②ジャッキーが抱く『成龍拳』に対する嫌悪感の原因
これは、上記調査の過程で知り得た情報から生まれた「副産物」的コラムである。
ジャッキーは自伝を出すたびに『成龍拳』をけなすような発言を繰り返しており、彼の『成龍拳』嫌いはもはや、ファンの中では「常識レベル」となっている。
ここまでジャッキーが『成龍拳』を毛嫌いする理由がどうにも納得いかなかった筆者は、その答えとなるようなエピソードをこの度入手した。
それを踏まえて、筆者の『成龍拳』に対する想いを書き綴ってみようと思う。
【作品概要】
『成龍拳』(原題:『剣・花・煙雨江南』).
原作:古龍『剣・花・煙雨江南』
監督:羅維/脚本:古龍 主演:ジャッキー・チェン
製作年:1976年
公開:1977年(香港)/1984年(日本/配給・東映)
つづく (本日 23:00公開)
Chai