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まずお詫び。
以下の記事の冒頭にて ↓ 。
「予定していた記事は、後日改めて公開します。
それは、三夜連続となります。」
って書いていましたよね、私。
その記事を公開することにしたんですが……ごめんなさい。
諸事情の為、二夜となります。
また、連続ではなく、今日と明後日の公開となりますので、よろしくお願いします。
ではでは。
はい……ということで、改めて今日と明後日のなんですが、随分と昔に綴った、ライブ&イベントに行った時のレポートを紹介しようと思います。
「心霊系」です!
そしてこれらは、私とてんちんが、ずっと前にやっていた心霊系のHPで紹介していたものなんですけどね。
ちなみに、そのHPは、HPのサービスを提供していたところが終了しちゃったので、数年前に強制終了となりました。
さ、一日目の夜は、怪談王・稲川淳二さんの怪談ライブ!
「稲川淳二MYSTERY NIGHT TOUR 2005 稲川淳二の怪談ナイト」のレポートを紹介したいと思います。
そうか、2005年の話なのか。。。
* * * * * * * * * * * * * * *
去る 2005 (平成17) 年10月1日。
我々(私 と てんちん) は、「なんばHatch」に集結した。
今宵は、我々の大好きな、そして愛してやまない、稲淳こと怪談王・稲川淳二氏の怪談ライブ「稲川淳二MYSTERY NIGHT TOUR 2005 稲川淳二の怪談ナイト」の日だ。
しかも、大阪では初の深夜公演 (25:00~電車の始発の時間ぐらい)。
我々の心は大いに高鳴っていた。
開場が24時という事もあり、我々は23時30分に「なんばHatch」のある「湊町リバープレイス」前の交差点で待ち合わせをした。
てんちんはバイク、私は電車、であった。
先に到着したのは、当然、私!
約束の時間5分前に到着だ!
で、遅れる事10分。
てんちんがバイクでやって来た。
ま、彼が約束の時間に遅れるのは、いつもの事である。
てんちんがバイクを停めると、我々は、「湊町リバープレイス」の入り口までやって来た。
見ると、既に熱心な稲淳マニアがたむろしている。
「流石は稲淳!」
そんな事を思いながら、我々は側にあるサンクスに入った。
ここでも、怪談フリークの人、人、人。
その中をかいくぐりながら、眠気覚ましに「Black Black」、夜食におにぎりを購入した。
サンクスを出た我々は、間もなく開場時間という事もあり、「なんばHatch」に入場して稲淳グッズでも見てみようという事になった。
「湊町リバープレイス」入り口をくぐり、「なんばHatch」へと行くエスカレーターを上がった。
「なんばHatch」の入り口には、既にそれなりの行列が出来ていた。
まぁ、指定席なので慌てる必要はない。
と、その時だった!
「ぬはっ!」
てんちんが声を上げた。
同時にきびすを返し、私を壁際に追い詰めた。
「オ、オイ……おるで、おるで!
あそこ、あそこ!」
私は、てんちん越しにてんちんの言う「あそこ」を見てみた。
「ふあっ!」
と、私も声を上げそうになったが、これはギリギリのところでブレーキがかかった。
なんと、そこには我々共通の知人が立っていたのだ。
彼は、とあるオカルト研究サークルのメンバーでもあり、その知的な意見(つっこみ)で肯定派にも否定派にも自由自在に行きかう強者・I氏であった。
オカルトを妄信していない、という意味で、我々的に好感の持てる人物である。
しかし、残念ながら声をかける事は出来なかった。
「好感を持っているのに何故?」と思われるかもしれない。
無論、I氏の事は嫌いではない。
普通なら全然声をかけてかまわない。
ところが、である。
実は、我々もI氏の所属するオカルト研究サークルに足を運んでいた時期があった。
だが、ここ数年は全くと言っていい程、会合に参加していない。
もともと、会員と言えば会員、会員じゃないと言えば会員ではない……そんな中途半端な立場が、我々が会合参加に積極的になれなかった理由かもしれない。
特にここ数年は、間が悪いというのか、会合の行われる日に限って、なんだかのアクシデントが我々に発生していたのだ。
例を挙げると……。
・ 私が酷い風邪でダウン。
・ てんちんが友人の引越しに借り出された。
・ 私が休日出勤を余儀なくされた
・ てんちんがバイクで事故った。
・ 私が巨鯉が釣れると情報を得て釣行した。
・ てんちんのパソコンのHDDがクラッシュしてその復旧に四苦八苦した。
なにより、我々二人が、とあるイベントへの参加 (映像作品の制作) の為、それにかなりの時間を費やしたのが一番の原因だったのかもしれない。
まぁ、そのせいで、サークルのリーダーから嫌われたのか(って、嫌われて当たり前か)会合の案内が一切来なくなってしまったのだ。
で、だ。
そのI氏は、無論、リーダーとも親しい。
ひょっとしたら一緒に来ているかもしれない。
リーダーに会えば、なんと言えばいいのか?
説明しても、まず信じてもらえないだろう……よって、I氏に声をかけられなかったのである。
さて、そうこうしている内に、開場時間と相成った。
よって、I氏に気付かれない様に、「なんばHatch」へと突入した。
と、先に入っていた人たちが大いに群れている。
それもその筈だ!
ネット通販か、ライブ会場でしか入手出来ないであろう、稲淳のグッズが販売されているからだ!
我々も並んだ。
ちなみに、私はかねてから欲しがっていた、稲淳の最も怖いであろうエピソードのDVDと、稲淳ステッカー2枚、そして知人への土産にと稲淳ライターを購入した。
てんちんは、ウチワを購入した。
他にも数々のグッズ……CD、Tシャツ、携帯灰皿、バッグ、ストラップ……等が販売されていた事を報告しておく。
さてさて、いよいよ座席につく事になった。
前から13列目の5番席と6番席だ。
残念ながら、この場所では稲淳の唾液(聖水)は飛んでこない。
しかしながら、あの危機迫る表情はなんとか確認出来そうだ!
見渡すと、全体的に女性の方が多かっただろうか?
舞台に目を移してみる。
水車小屋が一軒建っており、側にはお地蔵様が鎮座している。
これが今回の舞台セットだ。
賞をも得た名のある人が担当したセットらしいが、悪く言えばコレだけのセットだった。
しかし、思い返してみると過去の稲淳ライブのセットはシンプルな感じが多い。
「こんなもんか。」
我々はそう思っていた。
開演まで、まだまだ時間があった。
周囲もまだまだ賑やかだ。
そんな中、我々は先に記したとあるイベント、その2回目の参加の為、打合せをする事にした。
なかなか会う事の出来ない我々だ。
こんな時ですら、無駄には出来ない!
と、どれだけ話し込んだのであろうか、会場内に流れていたBGMのボリュームが突然上がった!
同時に、すべての観客のボルテージもしかり。
時刻を確認すると、25時。
そう、開演時間だ!
す、すると、舞台の水車小屋の裏手から、少し腰を「く」の字に曲げた白装束の男性がヘコヘコと頭を下げながら登場した。
そう。
彼こそ、今夜の主役・稲淳であった。
嗚呼、感涙!
夢にまで見た生の稲淳。
すなわち「生淳」!
稲淳は、下手から上手へ「トホホ」という様な感じの笑みを浮かべながら、観客に手を振って歩いた。
我々も手を振った。
「稲川~っ!」
中には絶叫する男性ファンもいた。
無論、稲淳は直ぐに笑顔で応えた。
すると、他の観客はそんな状況を見て笑っている。
すばらしく和やかな、ライブの始まりだ。
我々も幾度となく、ライブというものに訪れた事がある。
しかし、こんなに和やかで、やさしい拍手に包まれたライブを体験した事があっただろうか……否っ!
これは初めての体験であった。
稲淳が、所定の位置へ座った。
その時、我々は新たなる衝撃を受けた!
「そ、そういう事だったのか……」
なんと、そのシンプルな舞台のセットに稲淳が見事に溶け込んでいる!
どこか懐かしい、それはそれは一枚の絵画の様であった!
派手できらびやかでなのがいいセットというワケではない!
いつの間にか、我々も物質的に満たされた世の中に毒されていたようだ。
恐るべし……稲淳!
我々はあさはかな我々を恥じた。
ライブが始まった。
稲淳はまず感謝の言葉から発した。
この年、怪談ライブはめでたく13年目(のライブを13列目で見る我々……なにか因縁めいたものを感じる……ワケがない!)。
稲淳も望んでいた大阪で初めての深夜公演。
稲淳自身も、なにか感慨深いものがあったのかもしれない。
そして、どうだろう。
「眠たい人は、どうぞ寝て下さい。
深夜ライブは起きているだけでも
大変ですからね。」
この観客に対しての優しい心使い。
そんな稲淳の言葉が、我々の心に沁みた。
そして、この公演が二部構成になっている事を説明をして、第一部の怪談を稲淳は静かに始めた。
ここで断っておくが、このサイトではどんな怪談を展開したか等は記さない。
いずれ、本になるかもしれないし、撮影や録音をしていたかどうかは不明だがDVDやCDとして発売されるかもしれない。
稲淳の商売を邪魔する気は毛頭ない、からだ!
ただ、最初はジャブという感じだろうか?
少なくとも、我々的に身の毛がよだつ話ではなかった。
そのせいというワケではないが、30分程経過したところで、てんちんは稲淳の言葉に甘え、眠りに入ってしまった。
仕事の関係で、睡眠時間が少ないせいだ。
起きては寝て、寝ては起きて、を繰り返していた。
また私も、釣キチらしく、その日は早朝から鯉釣りに出かけていた。
かなり眠たかったが、意地と根性で起きていた。
ただ、トランクスが変にお尻に食い込んでいたせいで、集中力を欠いてしまった。
そんな我々は、それぞれ努力して稲淳を見つめ続けた。
その姿は、テレビよりも熱い!
残念ながら、その表情の細部まで確認する事は出来なかったが、ライブでしか味わえない稲淳独特の迫力が肌に伝わって来た。
最前列の座席なら、唾液(聖水)を浴びながら、更なる熱気を感じていた筈だ!
最前列なら、てんちんは寝なかったろうし、私も意地と根性など必要なかった筈だ。
13列目とはいえ、後ろの席の我々……願わくは、大きなモニターを用意して、その表情を画面いっぱいに映し出して欲しいところであった。
そして稲淳は、約二時間をノンストップで語り続けた。
第一部の終了だ。
ラストを飾った怪談が、第一部でも一番迫力があり、怖かったのではないだろうか?
20分間の休憩タイムとなった。
時刻は確か深夜3時頃。
私は食い込んだトランクスを直しにトイレへと走った。
その間、てんちんはI氏の存在を捜していた。
が、近くの座席にはいない様であった。
私が座席に戻って来ると、二人は第一部を振り返った。
しかし、てんちんはところどころ記憶が曖昧だ。
ただ、我々の共通意見として、稲淳の話術はやはり迫力があり、芸術の域に達しているという事は間違いない!
さて、第二部が始まった。
相変わらず、低い腰で舞台に現れる稲淳には頭が下がる。
稲淳が立ち位置を確認すると、いよいよスライドショーの始まりだ。
ここでも詳しい内容は紹介しないが、数々の心霊写真は圧巻であった。
また、スライドを見ながら語る、十数年前に起きた某男性による少女誘拐連続殺人事件の裏話、一家惨殺事件ととあるトンネルの話、そしてあの最も怖いであろうエピソードの後日談は、粟立つのを止める事が出来ない内容であった。
スライドショーが終了した。
稲淳が舞台中央の所定の席に付く。
そして、第二部最初の怪談を、これまた静かに語り始めた。
この時、すでに深夜4時頃だったと記憶している。
第一部で少しは眠ったてんちんに問題はなかったが、いよいよ私が睡魔に襲われた。
いや、それだけではない!
舞台の稲淳にも異変が起きた!
あの天下の怪談の語り部、稲川淳二の舌がまわらなくなって来たのだ。
さすがに噛んで、話をやり直したり、言い直したりはしなかったが、かなり辛そうである。
稲淳ももう案外高齢……。
考えれば、蛇のプールで泳いでいた頃の稲淳ではないのだ。
深夜ライブは、体力的にかなり辛い様である。
それでも、ほぼノンストップで語り尽くすあたりがプロであり、稲淳のプライドではなかろうかっ!
そんな稲淳をよそに、眠りに落ちる事はなかったが、意識を朦朧とさせていた私は己を恥じ、心の中で稲淳に詫びた。
……そして、稲淳は最後の怪談を語り終えた。
と、その瞬間!
最後のどんでん返しが待っていた。
「うわっ!」
てんちんはおもわず声を上げた。
私はおもわず背筋がグッと伸び、完全に目が覚めた!
いや、会場の人全てに何だかのリアクションがあった筈だ。
恐怖した筈だ!
それ程の脅威の出来事が起こったのだ。
しかし、残念ながらそれは言えない。
しばしの沈黙の後……稲淳が静かに語り始めた。
最後の挨拶だ。
「舌がまわらなくて申し訳ありません。」
あくまで低姿勢で、観客を気遣う稲淳。
誰も彼を攻めたりはしていないのに。
いや、怪談という、ある意味、特殊なエンターテイメントを堪能させてくれたのだ。
こちらが感謝するのはもっともだが、稲淳がこちらに平謝りするのは筋違いというものだ。
そして稲淳は、
「気をつけて帰宅して下さい。」
と優しい言葉を我々に告げ席を立った。
会場から、誰からともなく拍手が沸き起こった。
それに応える為、上手から下手へと笑顔で手を振る稲淳。
その時、一人の女性ファンが花束を稲淳にプレゼントした。
会場の拍手がいっそう大きくなった。
オープニング同様、すばらしく和やかな雰囲気に包まれた。
そして稲淳は、少し腰を「く」の字に曲げ、ヘコヘコと頭を下げながら水車小屋の裏手へと姿を消した。
ライブは終了した。
会場の照明が明るくなった。
余韻を楽しむかの様に、我々は目を合わせた。
互いの目を見ただけで、満足しているのがうかがえた。
なんと充実したライブだったであろう。
時刻は早いもので、午前5時をまわっていた。
我々は、観客の半数ぐらいが出たところで、席を立った。
てんちんがトイレに行ったので、私はトイレの前で待っていた。
途中、チャック全開のメガネをかけた小太りの男性が前を横切った。
あまりに、全開だったので、笑うに笑えない私であった。
トイレから出たてんちんは再度、グッズコーナーに足を運び私同様に知人への土産にとライターを購入した。
その際、我々は再びI氏とニアミスしたが、危機一髪で気付かれる事はなかった。
いや、もしかしたらI氏は気付いていたかもしれない。
しかし、自分からあまり声をかける様な方ではない(と、思う)ので、I氏は声をかけなかったと思われる。
それはさておき、今回のライブでは稲淳の、その人柄と話術に改めて感銘を受け、感動するものであった。
稲淳の怪談も当然面白く、恐怖したが、それよりも、人間・稲川淳二を垣間見た4時間であった。
もし、稲淳に興味があるなら、一度でもいい、怪談ライブに足を運ぶ事をお勧めする。
残念ながら、年内のライブは番外編を除き全ての日程を終えたようである。
なにはともあれ、一度、稲淳公式ホームページをご覧頂きたい。
さて、「湊町リバープレイス」を出ると、当然だが外はもう明るかった。
そして、てんちんはバイク、私は電車と、それぞれにわかれて帰路についた。
ありがとう……稲淳!
素敵なライブを、本当にありがとう!
* * * * * * * * * * * * * * *
稲川さんが怪談を始めた頃からのファンである私。
それこそ、稲川さんのCDはすべて持っています。
毎年必ず1枚は発売され、それこそもう何枚になるんだろう???
なかなかのコレクションになりました!
まだまだ、稲川さんには怪談を披露してもらいたいですね。
コロナが終息したら、ライブ、久し振りに行ってみたいと思います!
Fanks!!