中学、高校とイギリスに留学していた頃の話。


どうしようもなくグレていた僕は、ほんとうに青春時代は


もがきっぱなしだった。


サッカーだって、キャプテンになって、強いチームを作ろうと


した気合が空回りして、部員はみんな辞めていった。


恋愛だって、自分の価値観を押し付けて、当時付き合って


いた彼女達を深く傷つけた。


勉強は中学までは空っきし、英語がまったく話せない僕は


障害者クラスに配属になった。


全寮制の学校だったため、先輩や後輩と揉めに揉めた。


毎日ケンカばかりして、気がついたら、学校中の奴らに


気を使われる存在になってた。


正直あの頃は死にたかったね。いや、実際に死のうと思ってた。


やることなすことすべてうまくいかず、怒りだけが心に残って、


イライラと、世間を白い目で見ていた。


そんな時に当時の担任から作文用紙5枚くらいの作文?を


もらった。僕個人宛に。


その内容は英語のできない僕には、ほとんど意味がわからなかった


が、辞書を片手に訳したのを覚えてる。


和訳するとこうだ。


「お前はロウソクだ。いつも、身を削って周りを照らすロウソクだ。


ロウソクは、時間が経つと消える。しかし、お前は消えないロウソク


になれ。身を削って、周りを明るく照らしつづけるロウソクになれ。


私は、君にその能力があることを知っている。だから、死ぬとか


言うな。目の前の面倒なこと、トラブルに全力で立ち向かえ。


決して逃げるな。お前には逃げずにやり遂げる力がある。だから


戦え。戦って戦って、勝って勝って、決して負けるな。そして、


一生周りの人間を明るく照らしてやれ。」


こんな内容だった。


さすがに効いた。大の大人がちゃんと僕を見てくれているんだ


って思ったし、僕個人のためにこんなにしてくれたことを今も


感謝してる。


僕は今、経営者として、周りの人達を照らしているだろうか。


僕と知り合って幸せになった人は何人いるのだろうか。


幸い、全国各地から僕を訪れてくれる人達が沢山いる。


せめて、僕の手が届く範囲の人は守りたい。


せめて、僕が名前を覚えた人くらいは守りたい。


そして、幸せにしたい。


そして、世界中が僕を必要としてくれるその時までは


前進あるのみ。