屁をこいて、こいて、こいてこきまくる。
そんな座右の銘を持った官房長官君が去ってしばらくして、新しい人が隣のベッドにやってきた。
年齢にして30代後半から40代前半と思われる
この男性、もちろん屁はこかない。
腰が低い人だし、基本的にはおとなしくしている
ので、助かっている。
そんなニューカマーに、俺は「クリックマン」
とあだ名をつけた。
この人は、とにかくクリックをする。
日々、クリックし続けている。
朝は8時過ぎから、夜は9時くらいまで、
ひたすらクリックしている。
朝の8時というと、朝起きて飯を食い終わったくらいの時間である。
つまり彼は、朝起きて飯を食って、一息つく間もなく、クリックを開始するのである。
今もこのブログを書いていると、となりから
『カチカチ』とクリック音が聞こえてくる。
何をしているのだろうか?
初めはネットサーフィンでもしているんだろうと思っていたが、それにしてはクリックの頻度が多すぎる。
基本的には『カチ。カチカチ、カチ。』くらいの頻度なのだが、『カチカチカチカチカチ』と連打する時もあり、更には、『カカカカカカカカカカカカカカ』と、高橋名人ばりの連クリックをしている時もある。
一体、何をカチカチしているのだろう?
人生において、何をそんなにカチカチする事があるのだろう?
色んな憶測を立ててみた。
最も可能性として考えられるのは、
勿論『ゲームをしている』という事である。
ただ、タイピングゲームというのはあるが、それ程
までにクリックしまくるゲームなんてあるかね?
大体、40歳くらいの大の大人が、朝から晩までゲームをし続けるかね?
なんとなく、ゲームではないような気がする。
次に考えたのは、『プログラミングをしている』と言う事である。この人はプログラマーで、仕事のプログラミングをしているのだと。
それにしてもプログラミングで高橋名人ばりの連続
クリックするかね?
他にもデザイナーであったり、設計士等、パソコンでの仕事は色々あるだろうが、それ程までクリックし続けるかね?
うーん、違う気がする。
では、一体なにをそんなにクリックし続ける事があるのだろう。
少し、考えを飛躍してみよう。
この人は、もしかしたら『右手の指先を常に動かしていたいタイプの人間』かもしれない。
指先を動かし続ける事で、精神の統一を計る。
そんな種類の人だっているかもしれない。
いやいや、もっと大規模な話かもしれない。
この人は日々、『クリックする』という行為に対して、深く深く勉強しているのかもしれない。
クリックする頻度やタイミング、角度や強弱について、深く深く研究しているのかもしれない。
そして、その研究を通して、物理学や力学、機械工学だけではなく、宇宙化学の既存概念をも覆す理論を証明しようとしているんじゃないだろうか?
なんたるお方だ。
クリック博士, Dr.クリックのご登場である。
そんな方が隣のベッドにおられるなんて。
そう考えだしてから、
『クリックって一体何なんですか?』
何度この質問をそんな投げかけようかと思い、
踏みとどまったか。
確実に頭おかしいと思われるからである。
そして、ついに答えはでてしまった。
2,3日前、看護婦さんが聞いていた。
『いつもパソコンされてますね。何をされてるんですか?』
彼は答えた。
『あっ、ゲームです。』
エキセントリック成人ボウイ