外泊する事で、大なり小なりショコラ(犬)の面倒を見なければいけない事は大体分かっていた。
だが、初日の晩に、まさしく予期できない事態が起こった。
晩飯を食べている時、玄関の方で物音が聞こえた。
『誰か来たのかな?』と玄関の方を除くが、誰も
いない。物音に気づいたのは、俺だけのようだ。
しばらくして、また物音が聞こえた。
また玄関の方を除くが、やはり誰もいない。
そもそも鍵は閉まっている。
『うーん。』と首をひねり、そのまま夕食を済ませた。
そして夕食が終わり、しばらくリビングでくつろいだ後、トイレに行こうと廊下にでた瞬間、『バタバタ』っと何かが飛びたった。小さな鳥に見えた。
『あっ、鳥や! 鳥か。だから物音がしたんや。』と思っていると、バタバタと、どこかに飛んで行ってしまった。
さっそく、リビングにいたおかんを呼び出した。
おかんは、『鳥? 鳥なんか入るわけないやん』と
言って信じてくれなかった。
俺が、
『絶対、鳥やって! 蛾とかにしても大きすぎるし、
ツバメとかスズメやと思うけど。』
といっても、
『あんた(笑) 鳥なんて入ってくるわけないやん。
どうやって入ってくるんよ』
と全く信じてもらえない。
俺は、(前にジュウシマツが家に迷い込んで来た事があるのに。こいつ完全に忘れとんな)と思いながらも、2人でその正体を探した。
一階の廊下をくまなく探した後、二階へ上がり、おかんが何かを見つけた。
壁の、天井に近い部分にいたその何かは、全体に黒くて、部分部分がはっきりとせず、大きな黒い虫のようにも見えた。
俺『えっ? 何あれ?』
おかん『こっ、コウモリや!』
コウモリのようだ。近くで見るのは、初めてだ。
以外に小さい。子どもかもしれない。
俺の母親は、女性にしてはなかなかの肝っ玉だ。
俺はゴキブリが大嫌いなので、いつも処理を任せているし、家に蜂が出ようが、蜘蛛が出ようが、大してたじろぐ事もない。
今回も適当に処理してくれるだろうと思っていたら、
おかん『えっ、ど、どうしよう?』
俺『いや、追い出したらええんちゃん。』
おかん『ど、どうやって? 怖いなー。』
珍しく怖がっている。
じゃあ俺がするかと思い、『いやいや、クイックルワイパーとかで、つついたら、窓から逃げていくやろ』と、近くの小窓を開け、クイックルの代わりに、もっと長いダスキンのモップを用意した。
さあ始めるか、となるとおかんが、
『うわっ、怖いよ~。怖いで~。』
と、ずっと隣で言ってる。
そんな事言われると、なんか俺まで怖くなってくる。
コウモリをつつくと、『ギャッ』と声をあげ、
こっちに向かって来た。
おかん『うわっ、怖いよ。怖いよっ。』
モップの先で、こっちに来ないように
コウモリと応戦していたら、ポトリと地面に落ちて、殆ど動かなくなった。
どうやら、明るいから元気がないらしい。
俺はそのコウモリを、ビニール袋で包んで、外に出てコウモリを出してあげた。
外に出してもびくりともしなかったが、5分後くらいに様子を見に行くと、いなくなっていた。
それにしても、珍しくおかんは怖がっていた。
後で、何がそんなに怖かったのか聞いて見たら、
『あんた。だって、ヴァ、、ヴァンパイアやで』
との事。
『・・・。 まっ、、マジか?』
と、自分の母親を疑った。
ちなみに、コウモリはちょっと生々しかったので、写真には撮りませんでした。
エキセントリック成人ボウイ