先日行ってきました文教市民経済常任委員会の視察で勉強したことを順次まとめています。
今日は奈良市の30人学級への取り組みについて、ご報告させていただきます。
【30人学級】
奈良市では、児童一人一人に応じたきめ細かな指導を充実させることを目的に平成19年度から段階的に「30人学級」を実施しています。
平成22年度は、すべての市立幼稚園と市立小学校の第1・2・3学年で「30人学級」を実施しています。また4年生では「30人程度学級」として上限33人までのクラス編成にしています。
(大和市では文科省の指針に従って標準はおおむね40人、1年生では35人学級となっています)
担当者(教育行政側)にお話しを伺ったところ、少人数なので行き届いた学級運営ができることから、いじめや不登校なども減少傾向にあるとのこと。
さらに教室を自由なアレンジで使える(例えば机をコの字型にしてディスカッション形式の授業にする)ことなどのメリットもあるそうです
。一方、デメリットとしては子ども達がよく話を聞いてくれるので、先生たちがついつい長話になってしまうことだとか(笑)。
子どもにも先生にも嬉しい制度であることは間違いなさそうです。
【奈良市の教育】
幼稚園から小学校に上がる際、また小学校から中学校に上がる際のギャップの問題。ここで子ども達の勉強への意欲・関心、学習理解度が極端に下がり、問題行動が増えるのが、いわゆる「小1問題・中1ギャップ」といわれているものです。
この問題の解決を目指した当時の市長の呼びかけで30人学級は始まりました。
この政策は市長が代わった今も、さらに拡大して引き継がれ、今後は6年生までこの制度を拡げていくのが目標。
また、今年は教育総合センターを建設するなど、奈良市では一般会計の約10%を教育費が占めているそうです。
「なってほしい子どもの未来像」をしっかりと見据え、教育に力を入れる奈良市。
お金も時間もかかります。先進的な取り組みですので県との調整も大変です。しかし子どもたちの明るい未来が開かれていなければ、私たち大人の未来は決して明るいものにはならないはずです。なぜならこれらからの未来は、今目の前にいる子どもたちと共に築いていくものだからです。
大和市にも多くの課題がありますが、10年後、20年後を見据えて考えるなら、「30人学級」はぜひ見習っていくべき取り組みの一つであると感じました。
【データ 奈良市と大和市の比較(平成22年度)】
(奈良市)
人口 36万5000人
平均年齢 43.2歳
年少人口比率 13.5%
地方税収額(収入) 526.5億円
地方債残高(借金) 51.5万円/1人
(大和市)
人口 22万8000人
平均年齢 41.1歳
年少人口比率 13.9%
地方税収額(収入) 352.9億円
地方債残高(借金) 21.1万円/1人

