前回は、CRUIZE7075冷間鍛造ナットの全て vol.1でCRUIZE超々ジュラルミン7075冷間鍛造ホイールナットに使用する材料の選定に関するお話をさせて頂きました。
今回から生産に関する内容になります。
まず、丸棒の状態の材料を切断します。
7075を使用したCRUIZEホイールナットのラインナップは7種類ありますので、
・ 19HEX 高さ28mm 袋タイプ
・ 19HEX 高さ35mm 袋タイプ
・ 19HEX 高さ32mm 袋タイプ 空冷ポルシェ専用
・ 17HEX 高さ27mm 袋タイプ クラシックMINI専用
・ 19HEX 高さ40mm 貫通タイプ
・ 19HEX 高さ31mm 袋タイプ ボルト用
・ 17HEX 高さ31mm 袋タイプ ボルト用
それぞれの製品に適した長さに切断します。
適切な長さに切断された材料は、常温のまま鍛造工程に移ります。
なぜ鍛造なのか?については、過去のブログ超々ジュラルミン7075冷間鍛造ナット&ボルトのヒミツ⁈1をご覧ください。
で、ここが重要ポイント!
7075を冷間鍛造する為だけの、専用フォージングマシーンで加工します。
CRUIZE以外の鍛造ホイールナットは、スチールナットを製造する為のフォージングマシーンを調整して生産しています。
このフォージングマシーンは普通に販売されている機械ですので、購入する事が出来ます。
CRUIZEも、当初は同じフォージングマシーンを使用して生産していました。
そして、その当時ご利用下さったお客様からも、良い評価を頂いておりました。
しかし、根がマニアックなのでしょうか・・・同じところに留まっていられないんですね・・・
諸々の条件が揃えば、もっと良いモノが作れるという事は、理屈では分かっていました。
で、考えて考えて考え抜いた結果、導き出した答えが
7075専用のフォージングマシーンを作る
でした。
何が違うかというと、鍛造スピードです。
・ 材料の温度
・ 材料の金型の中での流れ
・ 材料の金属組織
これらを、更に良い状態に持って行く為に、もっとゆっくり鍛造する為のフォージングマシーンが必要だったのです。
当然、「鍛造スピードが遅くなる=量産性が劣る」という事になり、時間当たりの生産量が減りますので、コストアップにも直結します。ですが、そこは敢えて、効率化で安価に!という世の中の流れとは反した方向へ舵を切りました。
今現在、大変多くの種類のアルミ合金製ホイールナットが出回っておりますが、大半は、安く大量に販売し、利益を最大限とする事を優先させている製品です。
弊社1社くらいは、その逆を行っても良いのではないか?と考えました。
非の打ち所のない、最高の材料を、最高の生産プロセスで・・・それがCRUIZEのコンセプトです。
ちなみに、7075鍛造製でも大きく分けて3つの種類が有ります。
・ 冷間鍛造製
・ 温間鍛造製
・ 熱間鍛造製
です。
製品の強さで比較した場合、
冷間鍛造>温間鍛造>熱間鍛造
コストで比較した場合も
冷間鍛造>温間鍛造>熱間鍛造
になります。
CRUIZEが「7075鍛造」ではなく、敢えて「7075冷間鍛造」を採用しているのは、それだけ「冷間鍛造」が他の鍛造方法に比べて強さに優れた製品が製造出来るからです。
全てのアルミ合金製ホイールナットを比較した場合
7075冷間鍛造>7075温間鍛造>7075熱間鍛造>7075切削>6061切削>5000番台切削
になります。
ここまでのプロセスで、見た目はホイールナットっぽい形状になります。
今回ご紹介したのは、ホイールナットっぽい形状での強さについてです。
ホイールナットっぽいとは?
ホイールナットとして機能させるのに、もっとも大事な部分である、ネジ山を作製していない状態だからです。
この状態で強くても、ネジ山がお粗末であれば、使い物になりません。
次回は、この大切なネジ山についてご案内したいと思います。
今回も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いましたm(__)m
