最近(つっても半年前くらい)俺の職場に新人さんが三人入りました。
30後半の名前は軽そうだが体は重い男性。
50前後のタコ焼きみたいなおやじ
還暦前後の人の良い、極端に力のない小柄なじっちゃん。
この最後の小柄なじっちゃん、『Iさん』について少し書きたくなった。
俺の昼の仕事は解体職人です。
建物総合解体なんで、かなり幅広い種類の仕事内容があり、全部経験するだけでも3~4年はかかり、なお出だしはほとんど力仕事ばかりです。
重機解体は別として、己の肉体で建物を解体するのは、慣れるまでは危険でキツイです。
よくニュースで同業者が亡くなってます…
そんな会社に、この非力なIさん。かなりしんどいと思う…。
雇用悪化が止まらない現代とはいえ、ほんと選んでる余地がないんでしょう。
俺らのような現場職人は、はっきりいって柄の悪い奴が多く、自分勝手です。
新人さんの身の上なんざ、知ったこっちゃないって感じ。
そんな中、俺みたいなタイプは稀です。(多分)
しかし俺も、無意味には甘く接しません。
危険な仕事ですので、新人の内から馴れ合い関係を築くのは、よくない。
危険な瞬間に指示を守れずに事故を起こさせる訳にはいきませんからね。
Iさんもその辺は肌で感じているようで、最近やっとプライベートな話をするようになりました。
ある日の事
俺
『あ~今晩のおかず、何にしよっかな~』
Iさん
『カンセイさんも自炊してはるんですか?わしと一緒やなぁ~』
Iさんの薬指には、シンプルなリングが遠慮しがちにひっそりと輝いている。
少し迷ったが、そこをついてみた。
俺
『あれ?Iさん独り身ちゃうんやろ?指輪…』
Iさん
『いや、わし独り身ですねん。
家内は28年前に逝ってしもうてね…』
安易に想定できた展開に、己の軽率さを後悔した。
俺
『あ~、ごめんなぁ…』
Iさん
『いやいや、気にせんといてよ!?もう独り身、馴れとるさかいに』
俺
『…まぁしかし、28年もたてば浮いた話も無くもないか~』
Iさん
『いや、それがないんですわ。ないっちゅーか、わしにその気があらへんしなぁ』
俺
『ほ~、Iさんの年代でそない硬いんも珍しいな~しかし寂しさは不意に訪れるやろ?』
Iさん
『そりゃありまんな~、子供も一緒に亡くしてしもたからなぁ…』
俺
『えっ!?』
Iさん
『いや、家内の腹におったんですわ、出産が失敗してしもうてね…二人ともあかんかったんですわ…』
俺は『え~…』と腑抜けた相槌しか打てなかった。
その後はなんとか明るい話題に切り替えし、その日の仕事は終了。
毎朝Iさんは遅刻もせず、遅刻魔の俺に『おはようございます』と声をかけてくれる。
俺の職場は毎朝に各現場の道具を段取りするので朝から慌ただしく忙しい。
Iさんも非力ながら、心ない職人に罵声を浴びせられながら頑張っている。
彼の薬指には今日も、シンプルなリングが遠慮しがちにひっそりと輝いている…。
30後半の名前は軽そうだが体は重い男性。
50前後のタコ焼きみたいなおやじ
還暦前後の人の良い、極端に力のない小柄なじっちゃん。
この最後の小柄なじっちゃん、『Iさん』について少し書きたくなった。
俺の昼の仕事は解体職人です。
建物総合解体なんで、かなり幅広い種類の仕事内容があり、全部経験するだけでも3~4年はかかり、なお出だしはほとんど力仕事ばかりです。
重機解体は別として、己の肉体で建物を解体するのは、慣れるまでは危険でキツイです。
よくニュースで同業者が亡くなってます…
そんな会社に、この非力なIさん。かなりしんどいと思う…。
雇用悪化が止まらない現代とはいえ、ほんと選んでる余地がないんでしょう。
俺らのような現場職人は、はっきりいって柄の悪い奴が多く、自分勝手です。
新人さんの身の上なんざ、知ったこっちゃないって感じ。
そんな中、俺みたいなタイプは稀です。(多分)
しかし俺も、無意味には甘く接しません。
危険な仕事ですので、新人の内から馴れ合い関係を築くのは、よくない。
危険な瞬間に指示を守れずに事故を起こさせる訳にはいきませんからね。
Iさんもその辺は肌で感じているようで、最近やっとプライベートな話をするようになりました。
ある日の事
俺
『あ~今晩のおかず、何にしよっかな~』
Iさん
『カンセイさんも自炊してはるんですか?わしと一緒やなぁ~』
Iさんの薬指には、シンプルなリングが遠慮しがちにひっそりと輝いている。
少し迷ったが、そこをついてみた。
俺
『あれ?Iさん独り身ちゃうんやろ?指輪…』
Iさん
『いや、わし独り身ですねん。
家内は28年前に逝ってしもうてね…』
安易に想定できた展開に、己の軽率さを後悔した。
俺
『あ~、ごめんなぁ…』
Iさん
『いやいや、気にせんといてよ!?もう独り身、馴れとるさかいに』
俺
『…まぁしかし、28年もたてば浮いた話も無くもないか~』
Iさん
『いや、それがないんですわ。ないっちゅーか、わしにその気があらへんしなぁ』
俺
『ほ~、Iさんの年代でそない硬いんも珍しいな~しかし寂しさは不意に訪れるやろ?』
Iさん
『そりゃありまんな~、子供も一緒に亡くしてしもたからなぁ…』
俺
『えっ!?』
Iさん
『いや、家内の腹におったんですわ、出産が失敗してしもうてね…二人ともあかんかったんですわ…』
俺は『え~…』と腑抜けた相槌しか打てなかった。
その後はなんとか明るい話題に切り替えし、その日の仕事は終了。
毎朝Iさんは遅刻もせず、遅刻魔の俺に『おはようございます』と声をかけてくれる。
俺の職場は毎朝に各現場の道具を段取りするので朝から慌ただしく忙しい。
Iさんも非力ながら、心ない職人に罵声を浴びせられながら頑張っている。
彼の薬指には今日も、シンプルなリングが遠慮しがちにひっそりと輝いている…。