不正の原因の1つ:「トヨタの副社長廃止人事は社員のモチベーションも無視した独裁政権では?」 | きままなひととき

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2024.2.21.追記
この記事を書いた当時から、豊田章男社長の独裁政権ぶりを危惧していました。副社長達を全員放逐して副社長職を廃止してしまうなど、人事権を振りかざして誰も社長にモノが言えない独裁専制体制をつくったことが、今日のトヨタグループ会社での「不正」を生む大きな原因の1つになっていたと強く思います。
もちろん、不正はダイハツではもっと以前から30年近く行われていたわけで、このことだけが原因ではありませんが、明るみになる前に不正を社内で把握していても、上に言えない雰囲気、ずっとトップにモノが言えないことが不正を放置し拡大してしまったとの推察ができると思います。
 
以下、ご覧下さい。同様の趣旨の記事が、今日のYAHOO記事に載りました。
私と同様の事を感じていた社外取締役がおられたことを、心強く思います。
 
以下、2020年5月のブログです。
 
今のトヨタ社長(豊田章男社長)になってからの人事の度重なる変更は、重役、社員のモチベーションが大丈夫かと心配になります。トヨタは長年技術系出身者が多く社長に就任していましたが、今の社長は創業者直系の孫で文系経済学部出身でもあるのか人事に特に執心しています。人事権は権力の象徴でもあり、部下統制には一番効果があります。テレビCMにも自ら出演していますね。かつての歴代社長にはありえなかったことです。タレント気取りでしょうか、ビル・ゲイツの真似でしょうか、自分がマスコミの前面に出ていますね。自分が創業家出身であることを誇っているかのようでもあります。ちなみに今の社長の父親の豊田章一郎氏は創業者の子で工学部出身で技術系であり、今も名誉会長職にありますね。その父親の創業者の豊田喜一郎氏も工学部出身です。自らマスコミには出ていませんでした。
 
会社員時代、仕事をする中で尊敬できる上司のようになりたい、その職位地位までつきたいと目標をかかげて仕事へのモチベーションを高くキープしたことがあります。
トヨタの副社長は大変優秀な人材の中からさらに秀逸な人材が登用され、人間的にも尊敬できる方々でした。その優秀な「家老」たち7人が殿様である社長をがっちり補佐してトヨタ、およびトヨタグループのかじ取りをしていました。その優秀なご家老たちを一切廃止してしまう今回の人事は、まさに社長独裁政権確立であり、さすがにやりすぎではと危惧します。これでは誰も社長に諫言できません。モノが言えなくなり、不都合な報告ができなくなります。

社長一人では巨大企業のトヨタをかじ取りできません。各分野の優秀な副社長たちが補佐・分担して初めて優秀な経営が可能となります。今のトヨタ社長の今回の人事は自分ひとりで経営できると勘違いしているとしか思えず、同時に幹部社員たちが誰の職位を目標にしてモチベーションを高く持ち続ければよいのかわからなくなります。まさに組織を破壊する行為そのものであり長年培った良き社内価値観の否定です。一連の度重なる人事変更により社員のモチベーションは一層低下することは間違いないです。
長年社会的にも認知されている役職名の一般的な呼称の副社長、専務、常務などは社外の人たちからもどのくらいの職位かを認知してもらいやすく、相手の企業も同格の役職の人を充てて応対するのが礼儀です。大臣には大臣、次官級には次官級同士で国家間でも折衝しますよね、企業も同じです。
でも、役員のフラット化か何か知りませんが、それらの役職を全廃して聞きなれない横文字だけの長ったらしい役職名を新しくつけても、どのくらいの職位の人か相手にも伝わりませんし、相手にも自社のどのレベルの役員を充ててよいのかと気を余計に使わせてしまう弊害も生じます。
また、その役職は、これまでの会社への社員の貢献への報酬の意味もあり、トヨタの副社長、専務、常務ともなれば、一定の社会的評価や価値がありました。それらを全廃したわけですから、重役や社員の戸惑いも大きいと思います。社長の極めて独善であり社会的にも困惑を広げるだけです。
 
かつて部長以下のフラット化人事が行われて上下関係があいまいになり、そのために人材育成ができなくなる弊害が全社的に生じて、その後「先輩後輩制度」が設けられて、人材育成を図るように修正されました。
行き過ぎたフラット化は上の権限を制約してあいまい化し、それぞれの役職も権限と責任もあいまいになり、先輩が後輩を指導できなくする人事でもありました。上司・先輩が先輩でなくなれば、後輩の育成に誰も責任を持ちません。後輩も先輩の言うことなど聞きません。組織はバラバラになってしまうだけです。人材育成や組織の指揮命令系統に大問題が生じたために、揺り戻しがありました。
ちなみに、長年社内で使われていた主担当員、担当員、という役職名が社会的に理解しにくいという理由で、役所で使われている主幹、主任、と呼び方に変更した歴史もありますが、主査だけはそのまま残りました。役所では主査は係長よりも下の階級ですが、トヨタでは主査は部次長級を指しますので、かなり違います。これこそ一番変えるべき役職名だったと思いますがそのまま残り、中途半端です。さらに、今回で副社長以下の役職名や職位まで廃止しましたから、また世間にわからない名称を使うことになります。役職名に関して世間に対する姿勢がトヨタは迷走しているようにも感じます。
 
役員のフラット化も権限があいまいになり指揮命令系統に支障が出て組織がバラバラになるなどの同様の弊害を生じるでしょうし、社長単独の権限が強化されて社長独裁政権下では誰も社長に諫言しようとはしなくなりますから、不都合な情報は社長に入らなくなります。それは経営を誤ることに直結します。「意思決定の迅速化」とか言っていますが、なんでもかんでも社長単独の思うままに「迅速化」したいだけとの見方もできます。
何でもかんでも自分の裁断で行おうとした後醍醐天皇の独裁政権がどうなったかは、歴史が既に証明しています。
 
昨今のオラオラ顔デザインに見るようにトヨタ車の趣味が悪化していますが、社長の趣味がさらに反映されたとがった車が出てくるのではと危惧します。
 
ではでは。
 
 
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