人間は成人し、いろいろな人生を歩んでいく。その中で、いわゆる悪い人間なる人もあれば、よい人になる人もいれば、変わらない人もいる。

無邪気な子供時代のココロと俗世の垢に染まった人生の乖離が激しく、懐かしい友でもなかなか近づこうとしない人もいる。
自分はやはり純粋だった子供時代を知っている人とは会いたいと思う。その人と会いたいという気持ちもあるんだろうけれど、その人を通じて自分のあまり汚れていなかった日々を必死で探そうと思う気持ちが強いのかもしれない。

久しぶりの雨。大雨洪水警報の中、骨が折れたビニール傘ばかりでもっていく傘がなかった。
折れているが、何とかさせる傘を差してバスを待った。15分経ってもバスは来ない。
背中がぬれる。
かばんもぬれる。
眉間もぬれる。
バスは来ない。
歩いて次に行こうとした瞬間、ゆっくりのろのろとバスが来た。
眉間の汗と雨がさらりと落ちた。
ピュシュー。緩んだ笑顔とバスのドアが開く音。
さびて折れた傘を抱え、濡れた背中を座席に乗せた。