過去の事を書こうとするとつい端折ってしまう…



 親父の人となりかぁ。昭和30年代あたりかな?親父の誕生日すら知らないけどもけっこう良い生活してたらしい。


 聞くところによると遊郭に近い料亭を関西でやってたらしく、お爺さんは腕の立つ料理人だったそうで。

 親父のアルバムはほんとにたくさん写真がコメント付きであって裕福でわがままだったのがわかる。

 多分おばあちゃんの書いたコメントだろう。女好きってのはわかった。

 俺達とは違い金持ちってのは伝わってきた。昔の写真ってまさに金持ちの象徴だからね。ほんとに。


 その後東京の有名大学に入ったもののおじいちゃんが死んで家業が倒れ、中退。

 今までは尻ぬぐいをしてもらってたのがもうできなくなり、まぁ可哀想なのか、甘やかされた男が現実に向き合えず転職を繰り返したそうだ。


 そんな中で結婚もするし…



 給料を全部使って遊ぶのもざらで、女遊びって厄介な嗜好を持ってて止められない。実際イケメンではあった。お袋も一目惚れだったしね。


 歓待さめやすしとはよくいったもんで会社変わるたびに「いい人ばかりだ!」と言っといて、すぐに手のひら返して文句を言う。ボンボン特有の思考の持ち主でした。 


 子どものお年玉に手を出すとか、当たり前。

母親のお父さんの遺産も自分の事に使ってたし。親父と二人でテレビを見る時があって、芸能人水泳大会…

アイドルのビキニが開けたら「おい!見ろ!おっぱい!」昨今やらかす上級国民ほどではないが、人の気持ちをわかる人間ではなかった。一生金持ちならそれなりに良い人生だったのだが、没落してつきとかがなくなったってのもね…



 ただ、親父の他の兄弟は真っ当に生きててなんでコイツだけおかしかったのか不明なんだよなぁ。想像なんだけども昔の長男至上主義で大事にされすぎたのが、本人に苦難を乗り越えることが出来なくなったのかもなぁ。