ぼくは、ひとのからだを細胞という小さな「いのち」の共同体のように捉えてる。
40億年前に生命が生まれたと言われてる。
そのときは、海の中にいたひとつの細胞からできた単細胞生物で、海から栄養など必要なものを取っていた。
それが、ひとりで生きていくよりも、みんな集まったほうが生きていきやすいから、集まるようになった。
これが多細胞生物への進化。
いくつもの細胞が集まると、真ん中にいる細胞には海水が届かなくなる。
だから、体液ができ、全身に海水を届ける水管という管ができあがる。
これが血管。
生命は「生きる」ために栄養を摂らなければいけない。
だから、「食べる」ことは、生きる根幹。
すべて、エサをよりたくさん食べれるように、敵から逃れるように進化した。
たくさんの集まった細胞は、お互いに連絡を取り合う必要がある。
そのために、細胞が出すようになったのがホルモン。
最初に発達したのは、消化器のホルモン。
なぜなら、食べることが最大の目的で、一番はじめに誕生したのは腸だから。
動物の受精卵はすべて、細胞分裂して成長していくとき最初に「原腸」というのができるんだよ。
赤ちゃんの成長は進化の歴史だから。
生きるため=食べるために、生命はいろんな機能を進化させる。
視覚、触覚、嗅覚、味覚、聴覚。
内臓も、腸だけだったのが、胃、肝臓、心臓などが進化していく。
いろんな機能が生まれると、全体を統括する仕組みが必要になる。
それが脳。
脳は、もともと腸のまわりにあった神経細胞が進化してできたもの。
もともと1個の細胞だった「いのち」が、集まったほうがより生き残りやすいということで、みんな集まって生きていくことにしたのが、ぼくら人間の原点。
細胞一個一個がいのち。
たくさんの「いのち」の集合体が、人間という「いのち」。
37兆個という細胞が集まってできあがった意識の集合体が、ひとのこころなんじゃないのって思ったりもする。
ひとつひとつの細胞や臓器は、ホルモンなどの物質を通じて全身で対話してる。
脳から全身へ、全身から脳へ、各臓器から臓器へ、細胞から細胞へ、ホルモンに代表される伝達物質で大きなネットワークができあがる。
それを伝えるのが血流のはたらき。
生きるために食べたものを消化して、栄養素にしたものを全身の細胞に届けるのが血流のはたらき。
だから、血流が大事。
全身の細胞の集合体である人体をつなぎ、ひとつのネットワークとして稼働させている要が血流。
人間という存在も、たった一個の受精卵からはじまる。
それから細胞分裂して、数が増えて、人間というものができあがっていく。
「こころ」は、いつからあるんだろう?
おぎゃあと生まれたときか
脳ができたときか、
心臓が動いたときか、
着床したときか、
受精した瞬間か。
生命には、いつから「こころ」があるんだろう。
それは現代の科学ではわからないけれど、生命の進化の歴史を考えると、最初の最初、生命が誕生したときから、人間と全く同じではないと思うけど「こころ」の原型があったんだろう。
だとしたら、
ひとつひとつがいのちである細胞の集合体である人間のこころも、
ひとつひとつの細胞がもつ「こころ」の集合体として、ぼくらのこころがあるんじゃないか。
だから、
心と体はひとつであり、
体調に心の状態は常に左右される。
ずーっと長い40億年という歴史を、次の世代、次の世代へと伝えて命の流れができて、その流れの一番下流にぼくたちはいて、そしてまたその先へと命の流れが続いていく。
命の流れを支えるのが「性」の仕組みで、
そして、単に自分のこどもを作るということだけではなく、全体として、次の世代へと40億年前に生まれた「生命の流れ」を続けていく。
ひとりの「ひと」だけでなくて、
血族、民族、人種、人間という種全体として、この生命の流れを継続していこうという流れがある。
「よいことをしたい」という気持ちは、ひとはどこかに抱えていて、それが全体のしあわせを形成しているような気がする。
だからこそ、自分のこどもがいるかいないかに関わらず、なんらかの「よいこと」を通じて社会に貢献することが、生命の流れを支えてる。
その「よいこと」は特別な何かをすることではなくて、きっとそのひとが存在することそのものに意味があって、ひとが互いに影響し合うことが、すでに「よいこと」である。
最初、ひとつの細胞だけで生きていたのが、孤独に生きるのをやめて、他の細胞と共同して生きていこうとしたのが、動物や植物といった多細胞生物のはじまりだから。
生命は根源的に、共同して、共に生きていく存在なんだよね。
きっと。
だからやっぱり、まずは自分がしあわせに生きることって大事。
ひとりひとりのしあわせの総体が全体のしあわせになるから。
そして、互いによい影響を与えあって、次代へと続く流れになるから。
よく生きることは、
まずは健康であることって大事で、
健康とは、自分を形成する細胞がすこやかであること。
美味しく食べて、
よく眠って、
すると、豊かな血流が全身をめぐり、
細胞ひとつひとつを活かしていく。
心と体はひとつでしょう?
心が康(やす)らかで、体が健やかなのが、健康なんだから。
当然、
しあわせに生きていけるじゃない?
自分を大切にする。
というのは、そういうこと。
自分を大切にする原点が、
食べることや眠ることにあるのも、
そういう理由。
細胞ひとつひとつの健康さが、人体の健康につながるように。
ひとりひとりの幸せが、社会全体の幸せになる。
だからこそ、
自分を大切にする。
ということは、
とても大事で、尊いことだと、
ぼくは思う。
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