昔のひとは経血コントロールできてないよ。〜月経を歴史的に考える。その2〜 | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。


前回のお話のつづき
↓  ↓  ↓
『むかし月経はタブーだった。〜月経を歴史的に考える。その1』


最後に現代の月経と昔の月経って、ものすごく違うものになっている。

って書いた。
これはなにが違うかというと、圧倒的に月経回数が違う。



昔は生理があんまりなかった。


昔のひとって、現代人ほど生理がなかった。


あくまで平均値での比較となるが、初経(初潮)年齢が12歳、閉経年齢が51歳の現代女性が子どもを二人産んで、それぞれ1年間母乳で育てたとすると、月経継続年数は約35年間。
月経周期を28日間とすると1年に13回の月経があることになるので、生涯月経回数は455回となる。

対して、たとえば明治時代の女性は初経年齢は現代女性より2年遅く、閉経年齢は2歳早かった。子どもの数を5人とした場合、現代よりも長かった「授乳性無月経」の期間を考慮すると、生涯月経回数は50回程度であったといわれている。
結婚後はほとんど月経がなかったという女性も珍しくなかった。

(田中ひかる著「生理用品の社会史」より)


もちろん個人差はあるんだけど平均的な比較で生涯月経回数は、

現代女性 455回

明治女性 50回


こどもがひとりだったり、出産をされないひとも増えていることを考えれば、

明治時代に比べ現代女性は10倍くらい月経回数が多い。



月経を歴史的に考える上で、これはものすごく大きな違いなんだよね。
そして、女性の健康を考える上でも今と昔は全然視点が違ってくる。
子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科の病気が増えているのも、この月経回数が深く関わっているから。



狩猟採集時代は、さらに生理が少なかった。


さらにいうと、農耕がはじまる前、狩猟採集生活を送っていた頃はもっと生理が少なかった可能性がある。

2歳間隔くらいでこどもがいる、あるいは、そういうペースで産みたいひとが多いと思うんだけど、これは本来の人間の出産ペーストは異なる可能性があるんだよね。
というのも、狩猟採集生活をしている人間というのは、4歳間隔くらいになってるから。

人類が農耕をはじめたのは約1万年前、それより前の時代、狩猟採集をしていたころって定住をしていない。
一定期間住んで、近くに食料とかがなくなったら移動をする。
そうなるとこどもを抱っこをして移動するのって、非常に大変で負担がかかる。
ふたりも抱っこをして歩かないといけないとなると、とうてい無理な話。


こどもがなんとか大人について歩いていけるのが4歳くらい。
それまでは、手がかかるから次の子を育てられなかった。


人間のからだは、この時代の生活にあわせて進化をしてきてる。
出産に関してもそうで、狩猟採集時代って4歳くらいになるまでずっとおっぱいをあげる。
現代に生きる狩猟採集民も同じで、兄弟の年齢差が4歳くらいずつはなれてることが多いので、人類の本来のリズムだと考えられている

そして大事なポイントとして、


授乳をしている間は生理が止まる。


これが、「授乳性無月経」
狩猟採集生活でこどもが4歳になるくらいまで授乳をしていたということは、4年間くらい生理が起きないんだよね。

おっぱいを出すホルモンをプロラクチンというんだけど、このプロラクチンは月経を止める働きがある。
ちなみに、このおっぱいを出すプロラクチンは、こどもが乳首を吸う刺激で分泌が促進されるようにできているから、おっぱいを飲んでいる間は、プロラクチンがずっと出るようになるというわけ。


人間の体ってよく出来てるよね〜。
狩猟採集時代、
4歳になるまでは次の子が育てられなかったから
おっぱいをずっとあげてたから、
生理が再開しないように、人間のからだは進化してきたんだなぁと思うと感慨深いものがある。



狩猟採集民も、現代人より出産回数が多い。
しかも授乳期間が長い。

となると一生の間に月経を経験する回数がさらに少なかったことが考えられるんだよね〜。



昔のひとは経血コントロールできてなかった。


昔のひとは経血コントロールをしていた。

という説があるけど、

そもそもの月経回数が少なかったことを考えると、経血コントロールなんてできなかったんじゃないの??

って思えてくる。
生理用ナプキンがなかった時代どうしてたかというと、布や植物の繊維や紙を膣につめたり、あてたりしてたんだよね。

ナプキンが近世になるまで発達しなかったのは、月経回数が少なかったからあんまり極端に困らなかった。
という説もあるくらいで。


子宮や膣の構造を考えても、おしっこを貯める膀胱(ぼうこう)とはわけが違う。
経血をためておくのって、そんなにかんたんなことではないんだよね。


明治時代のひとの体験談として「経血コントロールをしていた」というひともいるけど、全員がしていたというわけじゃない。



ぼくは立場的に、いろんなひとから生理の話をすごく聞くんだけど、布ナプキンに変えても経血コントロールできないひと多いよ。


で、なにを言いたいかというと、そういう歴史的な経緯や解剖学的な構造を踏まえてみると、

経血コントロールができなくても気にしなくていい。

ということ。


経血コントロールができない自分はダメ。

みたいな感じで、自分自身を苦しめちゃってるひともいるから、そうじゃないよー。
ということを言いたいな。


もちろん、経血コントロールができるようになるひともいるから、ここにはなにか意味があるかもしれない。
それに、かつては立って用を足す女性用便器があったくらいだから、下半身の筋肉の発達が現代女性とは違って発達していたのは事実だとおもう。



昔とちがって月経の回数が10倍にも増えていることは事実。
大切な時期として、意識することは真剣におすすめしたい。
そういう意味で、布ナプとかはとてもいいと思うんだ。



ということで、つづく。





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