不妊治療の本当の出産率 〜荒木重雄先生の講演から〜 | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。


東京で不妊症の勉強会に出席してきた。

会場は東京国際フォーラム




東京国際フォーラムは本当に美しいと思う







漢方の話はもちろん、

日本の不妊治療を切り開いてこられた医師である

荒木重雄先生の講演がとても印象的で、

非常に勉強になった。



荒木先生の講演



荒木先生は、

不妊治療の現状に非常に危機感を持たれていて

「いまの現状はおかしい」

と言われる。






「日本は医療に関する情報開示がすごく遅れている。

体外受精にいくらかかるのか、

どのくらいの妊娠率なのか、

そんなデータもない。





イギリスやアメリカでは、

すべての体外受精のデータが公的に公開されていて

それぞれの病院の本当の成績がわかるんですよ。





でも、日本にはそれがない。






たとえば2011年、

日本産婦人科学会の集計では、

全国で行われた体外受精は253,396件

そして、

体外受精による出産は31,378人。

治療をして出産されたのは12.4%。








全ての治療施設には、

データの報告義務があって合計は発表されるけど、

個別の公式データは出ないから、

患者さんの側が病医院を判断する基準がない。







そんななかで

非常に高い数字を掲げているのは、

首をかしげざるをえないですよ。











医療というのは、

している人ではなくて、

受ける人が決めるべきものです。








その判断する基準となる中身が

公開されているべきです







荒木先生は、

体外受精の黎明期を切り開いて来られた医師の一人。



世界で初めて体外受精による赤ちゃんが生まれたのは1978年。

日本では、1983年の東北大学が最初。




「1988年にオーストラリアに留学しましてね。

オーストラリアは体外受精が発展した土地なんですよ。




帰国してから
自治医大にいたのだけど、

当時は体外受精の器具もなにもなくてね。

全部手作りした。


カテーテルも採卵用の針も。

あのころは大変だったよ。


全国からも、

たくさんの医師が見学や勉強に来てね。







そして、

体外受精というのは、

医師だけじゃない。

看護師やエンブリオロジスト(培養士)、

不妊カウンセラーといったさまざまな職種の

チーム医療による情報共有が大切だから、

それで、

日本不妊カウンセリング学会を作ったりしたんです。」








不妊治療の黎明期を切り開いて来られた方だけに、

危機感や、

いろいろと感じられることがあるんだろうなぁ。







荒木重雄先生のお話は、

いつも歯切れがよく、

データに裏付けられていて、

でも、

とても患者さんによりそう温かい感じがする。













不妊治療って

心も体もお金にも

いろんな負担が大きいから

いい先生と出会えるのって

とても大事だと思う。







そして、

治療を受ける側も

求めるだけではなくて

いい関係を築けるように

努力することも大切だと思うんだよね。










荒木先生はそのために

医療を提供する側と

医療を受ける側の

そのどちらに対しても

不妊治療に対する正しい知識や情報の

啓蒙活動を続けられている。






すてきなお医者さんだなーって思う。

そんな先生のお話が聞けて

とてもよかった。