「あ、妊娠されそう」
そう感じる瞬間は、今までたくさんありました。
Nさんの他に、もうひとりEさんのことをご紹介します。
Eさんは、二人目の相談でいらっしゃいました。
自分でも、
「もうひとり欲しい」
という思いはあるけれど、
それ以上に
「弟がほしい」
ってこどもさんに言われて、
「兄弟がつくってやりたいんです」
そんなふうに言われていました。
一人目を自然妊娠で授かったのに、
なぜ、なかなか妊娠しないのか。
「なにがいけないの！？」
余計にしんどくなられていたようです。
そして、ある日のカウンセリングの時でした。
「私、妊娠することばかりに一生懸命になってました。
この子が、『お母さん』って抱きついてくる時に、
『あっ』て思ったんです。
妊娠、妊娠と思ってたけど、
いま一番近くにいる、この子に
ちゃんと愛情をそそいであげてないなって。
この子が小さい時間は今しかないのに、
大事にしてあげてないなって思ったんです」
その言葉を聞いた時に、
わぁ、すてきだなぁって。
自分の一番身近にある大切なことを
再発見されたみたいで。
なんかね～、
一緒に横に座っているこどもさんを見つめるEさんが
これまで以上に「お母さん」の顔で。
今まで見えていた不安感や焦りが、
すっかり消えて、
すごくやさしい目になられてました。
そして次のカウンセリングの時に、
「妊娠しました」
って。
そんな方が、
今回ご紹介したNさん、Eさんの他にも
たくさんいらっしゃいます。
最初は、
わ～、変わられたなぁ。
って思って喜んでいただけでした。
表情
言葉
雰囲気
・・・
あれ？変わられたなって感じた後に妊娠されることが本当に多くて、
なんとなく、
「妊娠されそう」
というふうに直感で感じるようになりました。
そして、何度も同じ経験をするうちに、
みなさんに共通している
「あること」
に、ボクは気づいたのでした。
妊娠された時や出産後、
ボクはよくカンタンなインタビューをさせてもらいます。
どうでしたか～？
なにがよかったですか～？
って。
全員っていうわけではないんですよ～。
気持ちとか、思いって、
ひとそれぞれだと思うので。
何が良い、悪いでもないですしね。
でもね、
「わぁ、変わられたなぁ。妊娠されそうだなぁ」
ってボクが感じて当たった方達って、
だいたいいつも、同じようなことを言われるんですね。
そこから、
「あること」
がだんだんと見えてきたんです。
そして、
妊娠しない状態につらさや焦り、悲しみ。
そんなふうな負担を心のどこかで感じている人ほど、
やさしい人やがんばる人ほど、
解放されることがだいじなんだなぁことがわかってきました。
だから、ボクはカウンセリングをしていて
しんどかったり、
悲しかったり、
つらかったり。
そんな気持ちが少しでも楽になってほしいな。
そんなふうに思います。
つづく