先日、雑誌の取材で「サーフィン暦は?」と聞かれて、ふと・・え、10年ぐらい?やっていることになるのかな。

(んん?思ったよりうまくなってないぞ?)

時は過ぎるのは早いです。

高知のお店も、開業してもう7年にもなります。

・・・・・

そのころ、私は仁淀にちょくちょく足を運びはじめた頃です。

止めた車の隣に営業マン風の方が仕事の合間にサーフィン!再びネクタイを締め仕事に戻る、一人のサーファーがいました。

彼は本州からの転勤族らしく、最初の頃は高知に仕事に来ては海に来て、その後は高知に移住、結婚もして幸せな暮らしをしてたようです。


細身で物静かでやさしい雰囲気。
時々、海で会っては挨拶程度に話をする程度でしたが、サーフィンへの思いは熱く、凄いものがあるように思えた。

台風時期の「The day」には、ほぼラインナップにいるくらい、大波の好きなビッグウェーバーでもあるのだ。

某老舗ショップの常連客なのですが、近所ということもあり、時々、ワックスを買うのに寄ってくれて、その日の波情報を聞き、時には小さなお嬢さんも一緒に来店することもありました。


それから・・

昨年か、その前の年あたりでしょうか、なにか体調を崩したようで、大変やせ細り、海では姿を見せなくなりました。

お店には、フリー雑誌が来る頃に定期的に来店してくれてて、そのたびに「海で見なくなったけど、どこか悪いの?」ってボクの問いかけに、


・・・・一言「かなり悪い」


って。

表情もなにか言いたそうな雰囲気にも見える・・


ただボクは「早く治して海いきましょう♪」
そう言うしかなかった・・。


その後も何度か来店しては、少し話しをしていくのですが、歩くのも大変そうで・・。


そして、


3月ぐらいだったと思う。


来店したとき、
ほんと、しんどそうに・・

何かに耐え、苦しみ、どこか痛そうにも見えた。


「大丈夫?」


「ん・・大丈夫じゃない、もう直らないから・・」

って、
カワイイお嬢さんの手を引きながらボクにそう言いました。



・・・・・・



先月、他界されたそうです。

ガン。


今、思うと苦しい治療の合間にお店に来てたんだろな・・て。


サーフィンが出来なくても、波のことや海の話をしたかったのだろうかと・・。


海が好きで高知に住み着いて家族も持ち、幸せのさなかだったろうに・・。


三十台という若さで逝くということの事実。
理解できない。


残された家族は・・。



心からご冥福をお祈り申し上げます。


今でも波乗りしているシーン、記憶にありますよ。



毎日、毎日を大切に・・。
今、自分の出来ること。
そして、がんばらねば・・。

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