次は何を歌おうかなあ。
次のステージまでもう少し。

ステージと言ったって、舞台は小さなバー。
観客は僕と同じ出演者なんだけどね。


僕の歌は絶望的だ。
本当は人前で歌っちゃいけない声なんだと思う。
伊達に沢山音楽を聴いて来たわけじゃない。悲しいほどそれがわかるんだ。
僕には素質もセンスも欠片もない。
それがわかっていながら、歌うのだ。
みんな、スマン。

そんな僕の「下手くそなギターと聞くに耐えない歌」をみんなちゃんと聞いてくれるんだからありがたい場所なのだ。

あそこの店に来る人はみんな愛がある。。。
だから僕も愛を持ってみんなの歌を聴くのだ。

歌を歌う前に、かならず少しトークする時間があるんだけど、ついついこのートークが長くなってしまう。
緊張しいの僕なんだけど、何故かステージに上がると嬉しくなって無駄に喋ってしまうのだ。
前回はトークが受けて嬉しかったなあ。
歌を歌うよりよっぽど楽しい。
人を笑わせるって、いいものなんだね。
笑われるんじゃなくて、笑ってもらうって。

人が一番無防備になるのは笑っているときなのかもしれないな。

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クロス君。
ギターも歌も、全ては表現なんだよ。
嬉しい気持ちや、悲しい気持ち。
切ない気持ち。怒り。喜び。
そんな感情を表現するために歌がありギターがあるんだよ。

僕のギターの師匠はそう言った。
その通りです。師匠。

さて、僕は何を伝えよう。

難しいなあ。

そうか、この迷っている自分を伝えればいいのだ。