久しぶりになじみのカフェから。
外は静かな雨で、店の中にはゆったりとしたジャズ。
なんだか気持ちよくて眠くなる。

もう常連なので、帰りにふらりと寄ってお客さんがいないときに本音トークで色々な話をするんだけど、なかなか経営が大変らしい。
ほとんどただ働き同然なんですよ、とマスターは笑いながら言う。
独身で実家住まいだからなんとかやっていけているけど、と。

ランチ時は満席になるようになったけど、夜のお客さんが少ないのでなかなか利益が上がらないようだ。

僕もたまに会社の愚痴をほんの少しマスターを相手にこぼす。
「大変ですね」とマスターが笑顔で答えてくれる。
残りの愚痴は、濃いめのコーヒーに入れて、一口、二口。そして飲み干す。
ほろ苦い味。

いつか、この味を懐かしく思い出す時が来るんだろうなあ。
今は、今できることを精一杯楽しみながらやるだけだ。
泣きながらでも、笑いながらでも、過ぎる時は一緒だもんね。

マスター、応援してるからねー。
と、コーヒー一杯で粘る迷惑な客の私は心の中でそう思うのだった。