本当は今日大事なバンド練習の日だったのに、
今回はオレの仕事が間に合わず、キャンセルしてもらった。

みんな楽しみにしているバンド練習なのに、済まんなあ・・・

スタジオでの4時間。
壁が揺れるくらいでかい音を出して、汗を流して下手だけど演奏する。
一瞬。ほんの一瞬。自分が音楽の一部となれるときがある。
一瞬。何もかも忘れる瞬間がある。

俺らのバンドが始まった去年の事を思いだしていた。

あの頃。ずーっと何かが欠けていた。
平凡な毎日。刺激のない毎日。
幸せと不幸せがちいさな波になって代わる代わる押し寄せる毎日。
欠けていたものに、ある日気がついた。

ROCKだ!
ずっと一緒にいたROCKを長い間ほったらかしにしていたことに、
43歳のオレは気がついた。
去年の初めのことだった。

もういちど、ロックしようぜ。
昔からのバンド仲間で一番の親友、
ドラムのKに声をかけた。

ずっとクロスがそういうのを待ってたよ。
Kは笑った。

世間ではオヤジロックバンドばやりらしい。
オヤジロック?なんだその変な響き!

オヤジロックもガキロックもそんな分類いらないよ。
そんなジャンル分けに入ってたまるか。

そんなわけで、オレとKの小さなロックバンドは
息を吹き返したのだった。
2006年の1月のことだった。