モノに命が宿ることはあるのだろうか?

Mac/Apple製品を長い間使っていると、こんな話を聞く。
曰く「新しいMacを買ったら急に古いMacが動かなくなった。」
Macがいじけたのだという(笑)

曰く「Macが調子悪いので、仕方なく新しいMacを買ったら急に古いMacの調子が戻った。」
古いMacが新参者に負けないように力を振り絞ったのだという(笑)

結構前の話だけど、僕も同じような経験がある。
MACではなく、iPodなんだけど・・。

当時僕は10ギガの初代iPodを長い間使っていたのだが、さすがに容量が足りなくなってきたし、バッテリーもへたってきた。
たまに動きもおかしくなってきたのでさすがに寿命だと思い新しいiPodを買った。

新しいiPodを買ってしばらくしたある夜のこと。
台所(ダイニングじゃないのが寂しい)で何かが啼いている声がする。

「キキ、キキキ」
なんだろう?と思って見回すが、特に変わった様子はない。

部屋に戻るとまた、何かが啼いている。
「キキ」

台所のテーブルに古いiPod。
僕が置きっ放しにしていたのだった。
よくみると、バックランプが点滅を繰り返している。

啼いていると思ったのはiPodのハードディスクがきしんでいる音(あるいはそれによる電子的なノイズ)だった。

しばらく充電しっぱなしだったので、過充電かなにかで動いたのだろうか。
僕にはまるで「まだちゃんと僕は動くんだよ!」と言っているかのように思えた(笑)


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クルマにはこんな思い出がある。

クルマは人の命を預かるものだから、思い入れが入りやすいモノかもしれない。

目も二つあって、足が4本で。太古、馬に乗っていた時の記憶が蘇るのだろうか?

20代の頃、ホンダZというクルマに乗っていた。
360CCの軽自動車で、リヤウインドウの形から「水中メガネ」と呼ばれていたクルマだ。
デザインが最高に美しい。今の自動車業界にはあんな美しくて、かわいいクルマは作れないだろうと思う。
そのZ 、僕が乗っていた当時ですでになかり古いクルマだったのでよく故障した。


これは他人様のクルマですが・・・

ある日、ギアの調子が悪くなったのでホンダの販売店に電修理依頼してクルマを取りに来てもらった。

サービスの人が来て、エンジンをかけようとするが何故かかからない。
おかしい。昨日は問題なくエンジンがかかったのに。

「昨日まではエンジンがかかってたんですよ」というとサービスの人はこう言った。
「ああ、古いクルマによくあるんですよ、こういうこと。昨日までエンジンがかかってたのに、僕らが行くと急にうごかなくなっちゃう。家から離れたくないってスネているんでしょうかね?」

なぜかこの言葉がすごく印象に残っている。
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こんな話も聞いたことがある。
廃車されるために、トレーラーに乗せられて、走り去るクルマの話。

すでにポンコツだとは言え、長い間、家族を色々な所に連れていってくれた愛車だ。
その愛車が去っていく後ろ姿を見守る家族。

その時。
別れを告げるように、短いクラクションの音が鳴ったという。
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全て、単なる偶然なんだろう。
でもすてきな偶然だ。

もしかしたら錯覚なのかもしれない。
でもすてきな錯覚だ。
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先日、10年以上使っていたマッサージ椅子が急に動かなくなった。
タイマーが切れても無理して連続運転させたせいなのだろうか。
モーターのあたりが加熱していたのですぐにプラグを抜いた。

しばらくしても動く気配がない。
妻はずいぶんと悲しんだ。
首を傷めたとき、この椅子でずいぶん楽になったのだ。

メーカーに聞いたが、製造終了からかなり経っているので修理できないという。
マッサージ椅子には見えないくらいスリムで、デザインもシンプルで気に入っているのだが、もうこのタイプは販売していないし・・・

もしかしたら、と思い、しばらくモーターを冷ましておいてからスイッチを入れてみた。
「ウイーン」という音とともに、マッサージ椅子が動き出した。
単にモーターがオーバーヒートしていたらしい。

動き出した瞬間妻が「よかった!」と涙ぐみながら言った。
そして、椅子の頭をなでながら「お前よく生き返ったね!死んでなくて、よかったね。よかったね。」と言った。

本当によかった。壊れていたら、新しいのは高くて買えなかったしね(笑)
お金がないと、モノを少し大切にするようになる。
たまには貧乏も悪くない(?)
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いろんな偶然がある。
科学を超えた世界は僕にはわからない。
全ては偶然だ、と片づけるのが一番シンプルでいい。

でも、「全てのものには、命が宿っている。」
そう思うと、生きているのが、ちょっと楽しくなる。

モノに命が宿ることはあるのだろうか?