GEE-Q・EIJI的黒電影熱病思考方 -4ページ目

GEE-Q・EIJI的黒電影熱病思考方

毎日が何でもあり!40代“永遠のB-BOY”GEE-Q EIJIのHIPHOP LIFE!
メジャーからアングラまで、独断と偏見で“黒文化的電影=ブラックムービー=黒人映画”を斬り捲くる!
まさに“なんでもあり”のバーリトゥード・レビューなのだ~!!

HIPHOPを語る上で、必ず避けて通れないのが“人種問題”であり“犯罪問題”であったりするのはご存知の通り。でもなんだか最近、そういった事をベースにして無理矢理HIPHOPという文化を“ネガティヴな出発点”から大きくなったという部分“だけ”強調する風潮ってありませんか?

確かにそういった要素もあるかもしれないし、俺自信そういったコメントを残してきたのも事実。ただね、「それじゃ、どういったネガティヴな状況があった?」と聞かれたら「差別」といった漠然とした答えしか帰って来ないのではヤバイと思うんです。

もちろん“知る”事から何か具体的な“行動”に移す事はそう容易ではないけど、むやみやたらに“自分なりの解釈”を主張するのは危険だなと思うんですね。HIPHOPは“ラップミュージック”だけではない、ましてや“XXLのファッション”だけではない、それこそ文化の総称であり歴史であり思考であり生き方であり…ボキ達が簡単に“語れる”様なものではないと思うんですよね。

いやいや、これは決して恩着せがましく言ってる訳じゃないけど、アメリカで生まれた文化に魅せられて実際に楽しみ学ばせてもらっている人間として、それなりの解釈だけでなく“探求”や“理解”も必要だと考える訳です。

理屈っぽい前置きになりましたが、最近は結構ライトな内容の作品が続いていたので、映画を通して様々な“状況”や“現状”に対して考えたり思ったりする切っ掛けになる作品を紹介してみたいなと思います。

今夜紹介する映画は、1999年世紀末に製作されたBLACK AND WHITE。最初に言っておくとHIPHOPだけでなくアフロアメリカンやアメリカそのものが抱える問題などに興味が無い人が見ても“ち~っともオモシロクない”作品であると思います。映画としてのストーリー展開や期待感などは恐らく“訳わかんない!”って感想を持たれる人も多いんじゃないかな。映画自体が“わかりやすく”問題を抉っている訳でもない…だからこそこういった映画を見て、今まで自分自身に無かった興味の矛先が何処へ伸びていくかという“チェック”になるんじゃないかとボキは思い、こうして紹介している訳なんだけど。

白人の女性達と暮らす青年リッチ(POWER)は、ラッパー志望だが、音楽業界を牛耳る白人達の人種に関する差別思考を直視する事になる。映像関係の仕事をしているサム(Brooke Shields)とその夫テリー(Robert Downey, Jr.)は、巷で大人気のHIPHOPミュージックに群がる少年達のドキュメンタリービデオを撮影していたが、取材が進みにつれて様々な問題や事件が起こってしまう…そんな中、八百長疑惑があったバスケの選手が殺されてしまうのだった…

Claudia Schiffer(元スーパーモデル!)、Elijah Wood(ご存知!)、Brooke Shields(懐かしい!)、Ben Stiller(今回笑無し)、Mike Tyson(ちゃんとセリフ有り)、HIPHOP界からもMethod Manといった超豪華なキャストが出演しているにも関わらず、そこまで話題にもならなかった今作だけど、HIPHOPという“金のなる木”を取り巻くショウビズ界やそれを取り巻くファン達、又その中でもタイトル通り白と黒の立ち位置などがある意味生々しく表現されている問題作だと思う。

この映画では、様々なパターンの“アメリカの現代像”が描かれている。例えばタブーとされていた異人種間での恋愛や性交なども、現在では当たり前の様に行われる。ただそれは本当の“愛”という崇高なものというよりは、“ファッション”や“流行”又は“ステイタス”や“ゲーム”の様な認識の仕方なのかもしれない。

又、HIPHOPという文化の捉え方も、演者から見る視点や使い手が考える戦略など、大きく解釈や方向性の違いがある事への問題定義も感じられる。音楽業界だけでなく、白人キャストとアフロアメリカンキャストなどを絡ませる事により直接言葉や行動で描かれる事がなくても、自然と浮かび上がる人種間の考え方の相違や差別意識なども伝わるし、更に“同性愛”というDOPEな問題にも触れている。つまり、前述した通り、アメリカが抱える複数の問題をそれぞれのエピソードで垣間見る事が出来るのが興味深いところだね。

Elijah Woodが出てるから!Method Manが出てるから!といった理由で見るのも全然いいと思う。要はこの映画に関してはキャストうんぬん関係なく、そこで映画が露呈している問題をどう思い、どう解釈し、どう考えるかまで持っていってほしいと痛烈におもいますね。

劇中、タイソンがジムで話してたセリフと、メソッドマンが壁に描かれたグラフティアートの前で話していたセリフが強烈に印象として残ってる…

“害虫は踏み潰せ”

“単純じゃねえよ、笑の後に涙ありだぜ”

深いんだよ!メチャクチャ!