初めてキスの味を覚えたのは…浪人生のときだった。
相手は、近所に住んでいた
同級生の妹だった。
力の抜けたカラダを抱きかかえ、舌先で軽く唇をこじ開ける。
彼女の舌が口の中で、せわしなさそうに動いている。
オレは言った。
『そんなに慌てなくてもいいよ…』そしてお互いに舌先を絡め、蜜を吸いあった。
翌年、オレは…大学に合格して上京し、一年間は大して実りのない時間を過ごした。彼女とは手紙のやり取りをして続いていた。
2年生の時だ。『くるみラグビークラブ』というチームに入門して、徹底的にカラダを改造したのだ。中学・高校で体育1だった社会不適合者は、朝晩ラグビーの練習と、監督をされている先生のお話をしかと聞き、『ラグビーからテーブルマナーまで』教わり、少しづつ成長したのだ。
慶子は、市ヶ谷の日本大学の事務員だった。オレや何人かの先輩と、大学説明会の会場作りを手伝うのが仕事だったのだが……不覚にも寝不足だったオレは別の部屋で寝入っていたのを、「一番尊敬していない先輩」に怒鳴られた。
広告代理店の方が諭してくれたこともあり、オレは反省した。
そして、会場の片付け作業になり、不真面目だった分を取り返そうと、長机はひとりで担ぎ、パイプ椅子は片手に5つ、計10個、のペースで黙々と働いた。
慶子とは「これはどこに?」
くらいの会話をしてた
喋ってばかりじゃ仕事になんないからな。
夕方に仕事が終わり、オレは慶子に「晩ごはん、一緒に食べよう♪」と誘われた。
彼女のイチ押しのパスタで、
「ウニのクリームのパスタ」
を上野で食べて、夜の公園に来た。ベンチに座って、今日は楽しかったね☆と慶子が言う。
オレは半ばヤケクソになって、働いただけなのだが…。
話を聞くと、慶子はオレが、一生懸命やったことに心惹かれたそうだ。
肩を抱いて、彼女のカラダを引き寄せた。二人が密着する。
思いきって、唇を重ねてみた。甘い化粧品の香りが、口一杯に広がっていったのだ。
その後、会うたびキスをし、柔らかな胸を揉みしだきながら彼女に甘えて、童貞だったオレはいつも…慶子とセックスしたいと渇望し、彼女をとにかく困らせた。
慶子とはとうとう結ばれず別れてしまった
あの日に…帰りたい…。
