無性に女を抱きたい……。獣欲のカタマリが、オレの頭の中を
支配していたのは昨日の夜からのことだ…。
こういうとき風俗店に行けば、性的欲求は満たされる。
黒豹コニ―には、後に嫌な思いをさせられたが、セックスの相手としては
申し分ない相手だった。規定の料金+万券で、なすがままになってくれて
思いっきり欲望の塊を吐き出すには最高の相手だ。なにせ、彼女は
キスも美味い・いや上手い。
学校で成績の処理を終えて、時間が余っていた。
性欲はどんどん膨らんでゆく。クルマで来たので、繁華街にオレは
Zを置いてゆくつもりでいた。コニ―の店に電話をかけ…計画は
いっぺんに崩れた。彼女は休みだったのだ。出勤の予定にこそなってはいたが。
夏のボーナス、3万円ほどカネに困っていたブラジル人の女の子に
貸したのだが、それでもまだ余裕がある。
オレは新しい携帯をダイヤルした。もちろん『ローズ』だ。
午後だったのだが、夜に備えて彼女は眠っていた。そこにオレは電話を入れる。
「……モシモーシ」寝起きの声に、すまないと思いつつ、
オレはローズに、ごめんね・起しちゃってと言い、力強く……
『会いたい』と言った。もちろん、店に行くという意味である。
ローズは、それなら迎えに来てといい、約束の時間に待ち合わせの場所で
オレ達は出会った。
「どうして、今日逢いたくなった…?」な、ローズに
『キミが好きだからだよ』と、オレはZを操縦しながら気持ちを軽くぶつける。
ローズは照れていた。
さて、今日は団体様のほとんどが、ローズの上客という、ありがたい状況に
なってしまっていた。ヘルプのニーナ・ジェイドと過ごす時間のほうが
ややもすれば多かった。
合間を縫ってローズがオレのテーブルに戻ってくる。
そして、「ばたらのために歌うわ♪」と、言い…松浦あやの『笑顔』を、
オレの手を握りしめ、歌ってくれたのだ。
「生きてさえいれば…報われる」それを聞いたオレの心は、獣欲など
たちどころにかき消されていた。ローズは「寂しい」と言ったオレのために
歌を歌ってくれたのだ。
オレの体はいつものごとく、ローズの移り香で満たされている。
明日・明後日のパーティのチケットも先に買った。
「ばたらは、優しいから好き。」うれしいことをローズは口にしてくれるように
なった。そんな風に心が変わリ始めているローズをオレはもっと愛したい。
だとしたら、誠心誠意尽くすのがオレの為すべきことではないかと
今、一人になって思うのだ。
「愛してるよ、ローズ。」これだけ電話かけて言おう。