『アウターゾーン』というマンガがある。昔、ジャンプで連載されていて
格闘もの一色だった当時のジャンプに、一服の清涼飲料水みたいに、
ホラー・サスペンスを交えた、読み切りのマンガがとてもよかった覚えがあるし
10数年後に読み直しても、それが間違いでないことがよくわかる。
光原 伸
(著)
(世にも奇妙な物語のマンガ版と言えばわかりやすいだろう)
ストーリーテラーの「ミザリィ」が、様々な人間にこの世の常識では
考えられないことを引き起こす謎のアイテムを渡す。
そして、時には死より苦しい思いを味わう者(彼女に少なからず危害を
加えた者は、ほぼ間違いなく死んだ)不幸から思わぬ幸せを掴む者
色々な人間模様が垣間見えた。
その中のアイテムの一つに、「黒いカード」というモノがある。
ミザリィから、財布をスリ取った中年男が手にしたものだったが、
どこでも買い物ができ、しかもカードは現金を引き出し放題という
シロモノだったが…もちろん落とし穴が待っている。
そのカードは『寿命』を削り取るカードだったのだ。そうとも知らず、
6000万円もの大金を使い、見知らぬ男が清算に現れる。
男の顔はたちまち髑髏に変わり…「私は死神ですよ…!」と
スリの中年男の首を絞めるのだ。
32年分の寿命を奪われたスリは、嫌な夢を見たと毒づきながら
冷蔵庫からビールを取り出す。ところが、不意に倒れてきた冷蔵庫の
下敷きとなって哀れな最期を迎えてしまうのだ。
【もう、ほとんど、寿命が残ってなかったようねぇ…バカな男…】
そう呟くと、突然現れたミザリィは、男の手からカードを
奪い取るのだ。
【この、ブラックカードは誰にでも発行できます。但し、自己破産は
できませんので、そのつもりで…】
ここでこの回は終わっている。
もしも、寿命と引き換えに使えるカードがあったとしたら、どのように
使うことが有効利用なんだろうか…?自己破産をしたオレは考えた。
長生きをすることが幸せとは言えない今、こんなアイテムがあれば
喜んで飛びつくヤツも中にいるかもしれない。
しかし、悲惨な死に方をするのは御免だ。どうすれば、この
ブラックカードを使いこなせるのか考えた。大金を下ろすという前提でだ。
一番いいのは『宝くじ』だろう。このカードは寿命を一日¥20000で
換算し、死神が清算に来るのだから…それまでに宝くじを
億単位で当ててしまえば、カードは使わなくて済む。有名な売り場で
自分の命と引き換えにしたカネ1000万円分ぐらい突っ込めば、
3億円くらいのキャッシュバックは期待できるかもしれない。
そのカネがあれば後は計画的?に過ごせる。
競馬も、「固いレースに大金を突っ込んで」やれば、配当は
それなりにつくだろう…。種銭が大金なら地味に増える
間違ってもパチンコなんかで寿命を奪われるワケにはいかんなぁ…
『カイジの裏カジノのパチンコ』なら挑戦してやる価値はあるけれど…。
根回しがいるからなぁ。
ここまで考えて…もっと冷静に考えてみた……。
真面目に働くのが一番だ。
寿命なんて、決まっているようで決まっちゃいない。生きたいと思っても
不慮の事故で亡くなる人だっているし、その逆もしかりだ。
大金を手に入れることが人生の目的ではない。夢の一つでこそあれ、
それだけのために生きるのなんて…オレはカネの亡者ではないのだから。
ブラックカードには、ハサミを入れよう。もしも
何かの間違いで手に入ってしまったなら。そしてミザリィに返そう。
