・・・・・・長かった。今日までが。
やっと車を手に入れることが出来た。但し45万の支払いが残っている。
コイツとは別に「保険」にも加入しないといけない。
オレが車を選ぶ基準、それは『顔・スタイル・パワー』この3つだ。
しかし、最近の車は同じような顔ばかりで丸っこく
個性のカケラも有りはしない。必然的にバブル期のスポーツカーに
選択肢が絞られる。
キィを差込み、半回転させる。ノーマルでは二本に分岐していた
マフラーはカスタムされ一本にまとめられている。懐かしい轟音があがった。
コイツはかつてオレの手を離れ、廃車になるはずだったオレの
二番目に乗ったZ32だ。当時の色は黒、しかし…ところどころが
破損し修理するカネもなく、3号機のシルバーのZに乗り換えたのだ。
しかし、もうダメだとばかり思っていた黒いZは、板金屋の友人の手で
メタルブルーに塗り替えられ、破損していたパーツは全て交換された。
大きなものは「プロペラシャフト」という部品だがそれも新品に換えられた。
16万キロを走ったZは、『まだ走れる』……そうオレに言った。
それからは必死でカネを作った。
コンビニをやめて教師に戻り、裁判で勝ったカネもZにつぎ込んだ。
40万稼いだうちの15万もZを取り戻すために使ったのだ。
Zは、咆哮を上げ隣町の心療内科へと向かっていく。
気分は正直、悪くはない。むしろ最高だ。
二度と手放すことのないように…オレにとって最後の居場所……
『カンオケ代わり』になるように大事にしようと思う。
様々な思いが、オレのZには込められているからだ。