ばたら、さとうようこ先生に手紙を書く(本書き) | 元教師・ayanamigagaの航海日誌ヽ(`Д´)ノ

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学校批判・文科省批判・その他徒然に。

海が近い隣町の空気が、バス停を降りたオレの体に

まとわりつき、ささやかな不快感を引き起こす…さっさとオレは

駅のショッピングモールへと避難した。そしてエスカレーターを上がると

文房具売り場で、先生に似た女の子のイラストのついた

レターセットを手にすると、もう医者の時間だったので

さっさと会計を済ませ、店を出ていつもの心療内科へと足を向けた


いつもどおり会計を済ませ、いつもと同じ薬を貰い、帰りのバス停

ではなく、切手を買うために郵便局へと歩いた。

手紙と残暑見舞いを送るためだ…記念切手を買おう。



記念切手をみてびっくりする。『パトレイバーだ!』

2枚隣同士のイラストで¥160だ。

オレの気分は遊馬・零式だったが、局のオバちゃんが

これ、かっこいいでしょう♪と勧めたので主人公の泉野明巡査と

イングラム1号機のセットを買った。(暗いのも何だしね

もっとも、絵葉書はガンダムの3頭身キャラだが

そこは、さとうようこ先生の心の広さに甘えさせていただこうと思う。




93年の春、夜の6時…大学最初の授業は『英語』だった。

大学出てまで英語かよ…さすがのオレもうんざりした。そんな気分で

教官を待っていた。

ガチャッ!とドアが開く。髪の長い色白のすらっとしたきれいな女性だ。

えー…と一呼吸置いた瞬間彼女はマシンガンのごとく

『英語で自己紹介』をやってのける。およそ20人が教室にいたが

全員が予期もしない、突然の強烈パンチにあっけにとられている


わかったのは「さとうようこ」という名前と「趣味はエアロビ」だけだった。

しかし、オレもこの先生のユーモアに心を奪われ、他の生徒よりも

ほんの少し深く、英語を通じて関わってゆく。




先生の英語(特に発音)へのこだわりは、さすがとしか言いようがない。

発音を妨げると知るや否や「歯を4本」抜いたのだ。

そしてクリスマス…マライア・キャリーのごとき服(いや、アレは衣装だ)で

授業をやったり、それはそれは陽気だった。

しかし、少しふかく関わると『芯の強さ』を知ったり、こだわりの

さらにこだわり』の部分に触れることとなりオレの未熟な性格を

言葉で鍛え上げてくれた。


さとうようこ先生には彼氏がいた。授業が終わって帰るときは

先生について駅まで歩き、ある時は彼氏(今では結婚相手だ)に

挨拶して、後日先生を迎えに来た彼氏さんの助手席に

座って先生を、ささやかだが「びっくり!」させたこともある。


そして、大学4年の秋…先生が卒業した学校のチャペルを貸切にして

『手作りの結婚式』を行うこととなり、オレも招待された。


その日は練習試合でドロドロになり、水が冷たいのも構わず

体中を洗ってスーツに着替えて会場に急ぐと

大遅刻』である。とある大学のチャペルに飛び込むと、

ほぼ5分で式がおひらきになってしまった。間に合ったとは言えまい。


さて、お楽しみの食事会である。料理はわんさと出てくる出てくる。

立食パーティなので他の人の分にも気を使い、会場の

方々ともお話をしつつ、楽しい時間は過ぎそしておひらきが近づいた。


何人かの人が出されたワインの大瓶を手にしている。土産代わりか。

オレも…と思ったが、黙っていただくのもなんかせこい気分になり

隣にいた初老の男性の方に、

『あれっていただいていいですかねぇ…』と

尋ねてみた。「いいと思いますよ」『何だか育ちがわかってしまうようで

ところで、どちらのお知り合いの方ですか?』「私、新郎の父です」

オレは大いに泡を喰った…そして改めて挨拶した。

『!これはとんだ失礼を!!今日はおめでとうございます、○○さん(彼氏さん

の名前)には大学でお世話になって…今日はようこ先生の招待で来ました』

「そうですか!それではぜひお持ちになってください。」と殆ど飲んでいない

一升瓶のごときワインをお土産に頂戴し、

そして彼氏さんの父上と握手した。


二人のあいさつを静かに、ワインを手にじっと聞き入る。

『秋のこだわり』がパーティのテーマだったそうだ。実に先生らしい。

そして、来客退場となった。


オレはわざとボーっと歩き、ハッとして…『きれいですね、その格好!

まるで「結婚式みたい」じゃないですか!』先生は笑っていた。そして

オレは手を振ってその場を去った。




手紙には、あの日以来ワインは『白ワイン派』ですとも書いた。




さとうようこ先生と会って、10年の月日が流れた。

中央大学のホームページには先生の名前はなかった。残念ながら。


しかし、一か八かで検索をかけるとあった』都心に近いとある大学のキャンパスに

同姓同名の人がいる。オレは大学に断られるのを承知で

中央大学で、英語を教えていたさとうようこ先生ではないですか?と

尋ねると快く調べてくださり、「間違いないですよ。」と聞き、電話口で

喜んだ。死んでもいいくらい!本気で。



オレの身辺の話も書いた。ドン引きされても仕方ないが、

事実は事実だ。『それでも、未来は良くなる』と信じて今を生きてます。

そう締めくくった。



先生は先生らしく、今も英語を追求し…その追求する楽しさを

授業でも教えているはずだ。



今でも。