今回は個人塾を開業するにあたり、どんな指導方法を取ったのかという話になります。
個人塾に合う指導方法
現在の学習塾にはいろいろな指導方法があるのですが、私が知る限りの指導方法は集団指導、個別指導、自立指導、オンライン指導です。それぞれ、私一人で個人塾を開業するとなったときの指導方法について考察します。
※あくまで雇われ時代にすごい営業成績を出したわけでもない凡人で、スモールスタートで個人塾を開業したいと思っている私の私見です。
集団指導(小集団授業も含む)
学校の授業みたいな感じ。先生一人が複数人の生徒に対し一斉に同じ内容を学習させる。知人で自宅を開業した人たちはだいたい集団指導でやっています。先生一人に生徒さん5〜6人くらい。
メリットは人件費を抑えやすいことでしょう。(キャパ上限まで入れば個別指導より先生一人当たりの利益率は高い)人件費を抑えやすいと授業料もその分安く設定できます。
デメリットは集客面と運営面の2つかなと。
まず集客面です。
基本的に集団指導は中2は月曜と木曜の19:00~21:30まで授業を行うと決めた場合、指定した時間に生徒がキャパの上限まで入らないと利益を出しづらいです。教室のキャパが仮に10名だった場合、中2が3名しか集まらなくても、集団授業としている以上、残り7名を他の学年の生徒で埋めるわけにもいきません。
しかも、そのキャパいっぱいにするのって難しいんですよ。月木の19:00~21:30に他の習い事があってこられない中2は他の塾に行くでしょう。
次に運営面です。
集団指導って、本当に高度な指導スキルが求められます。誰でもできるわけじゃないんです。
また集客とも関連してきますが、同学年の学力が違いすぎる生徒が入塾した場合、授業のレベルはどうするのか?体調不良等で欠席した場合の対応はどうするのか?個別対応のための時間枠を捻出することが難しいため、あらかじめ考えておかないといけません。
個別指導
先生一人につき、生徒1~3人くらいまでの授業形式で生徒の学習内容は人それぞれ。
17:00~18:30、18:30~20:10、20:20~21:50などの決められた時間枠の中で、生徒を指導します。
ピアノ教室が一番イメージとして近いのでないでしょうか。
メリットは集団指導のデメリットを補えることです。
曜日、時間帯は(空きがあれば)生徒側に自由に選んでもらえますし、学習内容が個人によって違うので同学年の学力に違いがありすぎる生徒も同時に指導することがでます。集客の面でも集団指導では獲得が難しい(時間帯が合わないなど)生徒も獲得できる可能性があります。
また指導する側としても個々人に合った指導ができるので、ご家庭にも強みとして提示できます。
デメリットは一人で運営する場合、同時間帯に指導できる生徒の人数が制限されることですね。1:3で見ると決めたらその時間枠は3人までの生徒しか見ることができません。集団授業に比べると先生一人当たりの利益率は下がりますので、授業料は高めに設定することになります。そうすると特に中学生は要望の多い5教科指導が金額的に現実的でなくなってしまうこともあります。
自立指導
個別指導同様、生徒の学習内容は個人によってちがいます。授業(教える)部分は
塾によってまちまちですが人を介在させないことが多く、テキストを読んで自分で進めていくスタイルもあれば、映像教材を使うところもあります。(最近は映像教材を使うところが多め)必要に応じて、質問対応をしたりします。
同時に何人まで指導するかも塾によって違い、決められた集団指導、個別指導のように決められた時間枠があるわけではないので、塾の開いている時間の中で60分とか90分とか来て学習していきます。
そろばん塾とか習字教室とか自立指導に近いんじゃない?と思いますが。
メリットは集団指導同様、人件費を抑えやすいのと、↑にも書きましたが集団、個別指導のように決められた時間枠があるわけではないので、教室のキャパ上限まで生徒を入れやすいことです。集団よりキャパ上限まで生徒を入れるハードルは低く、集団と同じくらい、やり方によってはそれ以上の利益率を上げることも可能です。
デメリットは映像授業を外注する場合、初期導入費が高く手が出せないところもありますし、月額利用料によっては月謝を高めに設定しないといけなくなります。
映像授業で授業を進めていく場合、その授業が個々人に合っていない場合もあるため、生徒によっては都度、フォローが必要になります。
オンライン指導
授業をスマホ、パソコン、タブレットなどのデバイスを通して、生徒が自宅にいながらオンラインで受ける形式。指導方法は集団、個別、自立なんでもあり。
メリットは教室を持たなくていいので、まず家賃がかからないこと。そして画面を通して、どんな指導方法もできることです。
デメリットは集客面、運営面いろいろありまして…。これで一記事書けてしまいそうなので簡潔に書きます。
まず、集客面。
営業活動は基本的にウェブでやっていくことになりますが、これがすごく難易度が高い。
リアル教室がない分、ターゲットをどこに絞るかという話になりますが、これを全国にしてしまうと個人にまず勝ち目はない。ウェブ上に広告を出していくことになりますが、広告費はざっと数十万は見ておいた方がよく、予算の面でまず資金が潤沢な塾には勝てません。
個人のSNSで宣伝していくという手もありますが、よっぽどの講師としての実績がないと難しいでしょうね…。
ターゲットの地域を限定してもいいんですが、リアル教室との圧倒的な差別化が必要になります。自宅で授業を受けられる、多少塾代が安いだけではダメなんです。
運営面ですが、生徒によって向き不向きが本当に激しいです。どんなに指導側で工夫しても、サボろうと思えばサボれますし、家の中で授業を受けることで集中できない子もいるんですよね。特に小中学生までだとオンラインよりもリアル教室で勉強する方がちゃんと集中して勉強できるのでは?と思う親が多いのではないでしょうかね。
ちなみにすべての指導形態の集客運営どちらも携わった経験があります。
私の開業した個人塾の指導形態
私は個別学習+オンラインにしました。
※個別学習は個別指導+自立指導だと思っていただければ。
個別指導のように何時から何時までみたいな決められた時間枠はなく、17:00~90分、とか19:00~90分のように開始時間だけ決めて開校時間の中でバラバラに来ます。
一応管理会社とのお約束がありまして、一度に出入りする人数は5〜6人してくださいと言われているので、仕組み上は1:4までとしています。
指導は個別指導のように私が教える部分と映像授業が半々くらいで、残りはテキストやプリントの演習に時間を取ります。教える部分に関しては最小限に抑え、演習の方をメインにしています。
※プリントや映像授業は自作です。そんな大それたものではありません。
またオンラインはオプションとしており(とはいいつつ小学生以外は全員受講していただいていますが)塾の宿題をする時間、次回の塾の小テスト勉強をする時間(英単語テストや理理科や社会の用語暗記)、自分でやること(学校の宿題や提出物など)を決めて学習する時間それぞれを落とし込みます。
オンライン指導の強み
コロナ禍で自宅でも授業が受けられる!と広まったオンライン指導ですが、前述した通り、実際携わってみて集客と運営でかなり課題も多いと感じています。
しかしながら既存のリアル教室がオンライン指導を並行してやるのは大いにありかなと思うのです。
塾に通わせている保護者のだいたい8割くらいが持っている悩み。
「塾では勉強するんですが、家では勉強しないんです。」
というもの。
これは…正直塾を運営する立場からすると言いたいことはいろいろあります![]()
(あえて言いませんが)
とはいえ、この悩みを放置すると結局、誰のためにもならないので、結局、自習室や自習スペースを解放するという手に出ます。
ここで自習室を使い倒せる子ならいいですが、中には送迎やご飯の時間の問題でまとまった時間使えない子もいますし、塾側も十分なスペースを作れない可能性もあります。自習だからといって全くその時間、放置しておくわけにもいかず、塾生によっては定期的な声かけだったり、騒いでいたら注意しないといけないこともあります。
家でしっかり家庭学習を取ってもらえればそれに越したことがないわけで、それをある程度の拘束力を持ってできるのがオンライン指導だと思います。
今は小学生は90分以上/週、中高生は120分以上/週として有料で取り入れています。
週90分、120分が最低時間で開校時間内ならそれ以上やってもOKということにしています。もちろん開始時間、やることも事前に決めていて、それが終わったら学校の宿題等をやってもいいことにしています。
実際、小学生、高校生は週2回、中学生は週3回で通ってくれている子が多いので、実質、授業がない日の小学生は週2日かけて45分ずつ、中学生は60分ずつやっていくパターンが多いです。それ以上つかってもいいよといってもだいたい最低時間で切り上げます。高校生は開校時間いっぱいいっぱい、ほぼ毎日授業のない日は使っています![]()
中学生はテスト前になると7~8割くらいは高校生同様、授業のない日は使い倒してくれます。
塾生はしんどいしんどいと言っていますが、かねがね高校生と保護者には好評です。
何か強みで将来どうしたいか
結局、開業する本人の何が強みで、将来どうしたいかによるのではないかと。
何が正解とかはないと思います。
将来、人も雇ってスケールを考えているのなら、集団、自立がいいんじゃないかなと。集団は講師のスキルも必要です。
また本人に圧倒的合格実績(難関私立中学、難関高校、旧帝大や医学部)などがあれば、固定費が一番節約できるオンラインもありでしょう。
私はというと、そこまでスケールを考えているわけではないし、集団指導のスキルは正直ないし、合格実績も毎年難関をバンバンだしているわけでもない。
だったらちょっとずつそれぞれの指導のいいとこどりをして、集客や運営の課題点を補っていけるものにしようという観点で選びました。