このお話は競走馬を馬として観ずひとつの生き物の心を映した実話である
父 タイムライン 母 ヒダカローゼン 母の父 エルシド
サラブレッドの歴史と同じく血の継承血の淘汰こそが宿命
ならばやる事はひたすら勝つこと勝ち続けること
1983年北海道門別で生まれたローゼンホーマ
兄にローゼンタイムがおりデビュー前から期待された良血であった
6月24日福山競馬場デビュー
デビュー戦では前評判通り圧倒的1番人気
レコード勝ちで力の違いを見せつける
第2戦も更にレコード勝ち
3戦目本馬場に向かう途中急に暴れて競走除外になるもののその後順調に連勝を重ねた
さも当たり前と言わんばかりに淡々とレースをこなす
6戦6勝
明けて4歳瀬戸内の怪物光臨
連勝記録を12連勝と伸ばしたローゼンホーマは園田の全日本アラブ優駿に出場中央競馬で言う日本ダービーに該当するここであることをして更に名声は上がる
スタートからムチを一度も入れることなく大楽勝
瀬戸内の怪物は13連勝で楠賞全日本アラブ優駿を優駿
この怪物にムチはいらない
新聞各社はこの出来事を書き立てた
福山に帰ってきたローゼンホーマは何事もなかったように淡々としていた
凱旋レースでは2着その後2着4回を含む16連勝
ハンデ戦では62キロを背負っても走った
それでも淡々と走った淡々と
兄と比較されて走ったデビューしたあの日
誰よりも早く走ればほめてもらえたあの日
それでいいのかと気付いて暴れたあの日
6歳の冬
自分は何のために走ってきたのか
11月13日 福山菊花賞
この日も1番人気
今日も淡々と走る
いつものようにスタートを決めていつものように走る
そしていつものように走れば答えが見つかるのか?
いつも通り淡々と回る
そうすればいつも通り終わる
淡々と淡々と
直線 回りに沢山の人が見える
今日に限ってゆっくり見える
こうやって父も母も兄も走ってきたのか
何かわからない何かに気付いたときレースは終わった
初めての3着
いつのころから 瀬戸内の怪物 福山の英雄 地方の憧れ
呼び名も変わったがあの日気付いたことには変わりがない
父がそうだったように自分もそうなれるように
43戦 34勝 2着6回 3着1回
現在 アングロアラブ系史上最強馬の血はローゼンホーマの血は現役競走馬としては存在しない
そして福山競馬場も存在しない
しかしあの勇姿は心の中で生き続け受け継がれている
福山競馬を愛し歩んだ人たちと共に
著作 おっちゃん
加筆 ひおくむ