最後に確認したのは
位置情報とアプリの起動履歴と
アプリの種類のログだった


位置情報に関してはダミーのアプリも
インストールしている訳だから
いくら旦那でも
安易に自らGPSをオフにするような事は
そうそうないだろうが
だからと言って
チェックしない理由は私にはなかった


会社から家へのルートが表示され
その後は
ずっと家に滞在していることを
ログは示していた


ただ、スマホを家や車内や会社に置いておけばいい話なので
真っ向から信じてはいないが
そこはアプリの起動履歴で
ある程度、時間の流れは把握できると
入念にチェックしたものの
会社にいたであろう時間と家にいる時間に
怪しい点はなかった



だが、これだけでは終われない


旦那が言っていた
本能のまま……とかなんとか
ごちゃごちゃ言っていた
言い訳を忘れたわけでも
信じてないわけでも
信じたわけでもなかったからだ


サレ妻になる前の
当時の自分は不倫をする人達を
見たり聞いたりしたくないのに
どうしてこうも遭遇するのだろうかという
思いだった


けれども、今にして思えば旦那や旦那の不倫相手に対して
色々な可能性を考えつくことが
できたという点においては
その経験があったからこそなのかもしれないとは思う


色々と
考えうる可能性の中の1つに
私に不倫相手の事を話した旦那は
次なる出会いを求めて
出会い系アプリをインストールするかもと
思っていた



スマホ内のアプリはインストールしても
アンインストールしてもログには
その証拠と時間まで残るため
言い逃れは出来ない



設定もアプリの一種なのだから
GPS設定をオフにしても
それ以外の何かしら設定をいじったとしても
隠しファイルなど高度なアプリを
使おうとも
ログには確実に残る


それほど優秀なアプリを
仕事で使うことはあっても
旦那に使う日が来るとは
想像もしていなかったけれど……



とりあえず
一通りチェックしたが
出会い系アプリの存在はなく
今後もぬかりなく様子見が必要だな
と思いながらログを全て閉じた



外の景色を見ていると
数日前にこの景色を見ていた自分とは違うこと
戻ることはもうできないことを
改めて思い知らされる



変わってしまった現実と自分……


何がどうなれば?どうあれば?
私は離婚か再構築か吹っ切れるのだろうか?
今一度自分の心に静かに問いかけていた


駅に到着する頃
離婚の場合の答えは出たが
再構築の場合までは答えが出なかった


そのかわりと言ってはなんだが
再構築を選んだとしても
やっぱりや〜めた!と
吹っ切る場合の自分の答えは見つかり
ほんの少しだけ心の重荷が軽くなった気がした