私が旦那に対して抱えている
今の気持ちを知っても
この人は、同じ事が言えるのだろうか?
きっと、自暴自棄になり
自分がやらかした事の後始末も不十分に
オレなんか〇〇〇方がマシとか、よからぬ考えを
簡単に口にしかねないだろう。
そしてそれがもし現実になったとしたら
私は多分、悲しいとかいう以前に
真っ黒な負の感情のみが先走り
なりたくないとしていた自分像に
なってしまっている姿が想像できた。
(……ここは、やはり旦那に対して抱えてる気持ちを
今は口にすべきではない、歯止めがきかなくなる……)
数時間前に不倫の事実を知ったばかりの
私の方が旦那のメンタルを考慮し
ぶつけたい感情や質問を抑えるのは
理不尽だと思いもしたけれど
総合的に判断し必要な事だけを話す事にした。
「 アナタの記憶に残っているかわかりませんが
私がアナタをある程度、自由にさせてきたのには
勿論、理由と考えがあってのことで
その事も18の頃から伝えてきました。
今となっては私も
反省すべきかもしれませんが
アナタが言ったみたいに
何もかも取り上げて
ガチガチに自由を拘束したいなら
それで、事態が好転するのなら
とっくの昔にやっています。
だから、私の方からアナタに
ゲームや飲み会やフットサルを
やめてと言うことはありません。
アナタが自主的に提案した
GPSデータや写真やレシートについて
差し出されたものは受け取ります。
ただ、GPSについては、しばらくすれば窮屈になり
言わなければ良かったとか
面白くないとか
感じ始めるのではないかと思います。
そうなれば、私としても不本意なので
私のスマホにも
GPSアプリを入れてもらっても構いません。」
「えっ??」
「勿論、不要なら入れません」
「いえ、自分にはとてもできない発想だったので
驚いたのと凄いと思っただけです。それにMasakiさんの
体調が心配なのでGPSアプリ入れて貰えたら安心します。」
「そうですか、では後ほどインストールするとして
それ以外を決めていきたいと思います。」
「はい」
「寝具については、来客用をとりあえず使いますので
アナタから何も買ってもらわなくて結構です。
家事代行は最終手段にして、ひとまずは
家電等の取説ファイルをアナタに渡すので
洗濯や食事について
基本は各自でするということでいいですか?」
「はい」
「何か問題があれば、都度LINEか、口頭で聞くという
ことでお願いします。
生活費は各口座の振替金額を月末に合計して
折半するということでお願いします」
「生活費は自分負担ではダメですか?」
「はい、折半でお願いします。」
「わかりました。」
「それから、アナタの不倫や不貞について
まだ聞けていない事、聞きたい事は沢山あります。
私がどちらを決断するにしても
アナタは私との婚姻期間内に
私を騙していた事に変わりありませんので
その時がきたら、アナタの口から洗いざらい
話してもらいたいと思っていますがよろしいですか?」
「はい……覚悟してます。」
「その話を聞いた上で、アナタには必ず
私が納得いくカタチで償ってもらいます。
それは、離婚でも再構築でも決断に関係なく
数々の裏切りに対して償ってもらいます。」
「はい、勿論そのつもりです」
「それとアナタは、あたかも不倫は昔の事のように
言っていましたが、当人同士の問題では
済まされない事なので、1つだけ
取り急ぎ確認したい事があります。
先程のように怒り狂ったりしませんし
とても大事な事なので、これだけはもう
絶対にウソつかず正直に答えてください。」
「はい、わかりました」
「風俗以外で、現在進行形もしくはここ1年以内に
関係している女性はいますか?」
「いません。それは本当にいません。」
「わかりました。それでは過去の事として
ひとまず話しますが、アナタから話しを聞くまで
アナタの不倫相手に対して私がどうするかは
当面の間、保留にします。
私の出方次第では、〇〇〇〇さん(旦那の不倫相手)は
私に対して慰謝料を払う事になることや
アナタ自身も〇〇〇〇さんの
ご主人から訴えられ、慰謝料を請求される
可能性がある事を、アナタはわかってますか?」
「今はわかってますし、覚悟もしてます。
全てはMasakiさんがどうしたいかによるので
そこは全て一任し、自分はそれに従います。」
「わかりました。話しは以上です。」
一通り話し終わった時
朝から晩までずっと飲み物以外
口にしてなかった事を思い出し
震えや体温低下も
そのせいだろうと腑に落ちたが
食欲は全く湧いてこなかった。