金融市場週間予想(8/19-8/23)
燻る円キャリー取引
2024年8月18日現在における8月19日から8月23日までのドル円相場の週間収束ポイントは148円00銭となっています。
この予想は過去200週間の為替や金利その他17市場の金融商品を基に統計手法による分析を行い計算した結果によるものです。
週末(16日)の米国株式市場は上昇しました。S&P500種株価指数は7日連続で上昇し、前日比0.2%高の5,554.25となりました。ダウ工業株30種平均は0.24%高の40,659.76ドル、ナスダック総合指数は0.21%上昇しました。ドル円は147円60銭で終了しました。
今週の収束ポイントは以下の通りです。
ドル円148円00銭 ユーロ円163円47銭 豪ドル円98円01銭 日経平均37,891円 NYダウ39,888ドル 日本国債(10年)0.85% GOLD 2,401ドル
先日の暴落が嘘のように、S&P500種株価指数は7日連続で上昇し、週間では年初来で最大の上げ幅を記録しました。米国インフレ統計は落ち着きを見せており、小売り売上高などの経済指標は米国景気が萎んでいないことを示しました。しかし住宅関連指標には翳りが見えており、ここからの株価の上値は重いものと思われます。
日経平均は38,000円台まで値を戻しましたが、米国株同様ここから先の上値は重く、自民党総裁選の結果が出るまでは36,000円から38,000近辺での膠着状態が続くのではないかと思われます。
ドル円は一時149円台まで円安が進みましたが、上値を押さえられ、147円台半ばまで下押して終了しました。米商品先物取引委員会(CFTC)の16日の報告によると、ヘッジファンドの円のネットロング(ドル円のショート)は増加し、8月6日の週では売り越し(ドル円のロング)だったものが反転しました。この情報のみから円キャリー取引の終焉と判断するのは早計で、パニックによるポジション調整が一段落したことで一部の投資家は円キャリー取引を再開したとの情報もあります。
今回の暴落によって世界の株式市場は日本の低金利を頼りにしていたことが露呈しましたが、株式市場を動かす資金量が大規模で動きが迅速であることと同時に、市場そのものが脆弱であることも明らかになりました。
円キャリートレードにどれだけ大量の資金が絡んでいるかについては公式な統計がありませんが、約160兆円~200兆円程度が投じられていたとする推計があります。
JPモルガンは「今回の巻き戻しでキャリートレードの75%が解消され年末までに残りの25%も解消が進む」と予想しています。同社はFOMCが9月と11月の会合で0.5%ずつ利下げを行うと予想しており、年末まで円高の流れは継続すると考えているようです。
8月第3週までは株式市場も外国為替市場も上値が抑えられ、膠着状態が継続するものと思われます。
以上の相場予想はあくまでも統計分析に基づく安定収束モデルにより推計するものですので、この予想に基づいた投資の結果に対しては一切の責任を負うものではありません