FX・日経平均・Gold 等週間予想(2024.7.28):円安キャリートレードの終わりの始まり | 為替・株式・金利・その他市場予測のブログ【Trading DOC】

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金融市場週間予想(7/29-8/2)

円安キャリートレードの終わりの始まり

2024年7月28日現在における7月29日から8月2日までのドル円相場の週間収束ポイントは153円76銭となっています。

この予想は過去200週間の為替や金利その他17市場の金融商品を基に統計手法による分析を行い計算した結果によるものです。

週末(26日)の米国株式市場は上昇しました。S&P500種株価指数は前日比1.11%高の5,459.10となりました。ダウ工業株30種平均は1.64%高の40,589.34ドル、ナスダック総合指数は1.03%上昇しました。ドル円は153円76銭で終了しました。

 

今週の収束ポイントは以下の通りです。


ドル円153円76銭  ユーロ円166円78銭   豪ドル円100円69銭  日経平均38,105円  NYダウ39,135ドル 日本国債(10年)0.98% GOLD 2,360ドル 

 

先週は対ドルでの円相場が上昇に転じました。週間で円は対ドルで2.4%上昇し、今年初めて4週連続で上昇しました。

 

円高要因としては、リセッションによる株安(リスクオフ)と金利低下が挙げられます。米国債利回りは幅広い年限で低下しており、FOMCの9月会合での0.25%利下げをほぼ織り込んでいます。一方株式市場は目先の金利低下を好感して週末に反騰しており、更なる円高に対して歯止めがかかった格好になっています。

 

またバイデン大統領が出馬を断念しハリス副大統領が候補となったことで、民主党の巻き返し期待から暗殺未遂事件後のトランプトレード(金利高、ドル高、株高の巻き戻し)にも一旦は歯止めがかかった形となっています。

 

要は米国経済がソフトランディングできるかどうか、にかかっています。米国株式市場の上昇は円安キャリートレードに間接的に支えられており、日本の利上げ、米国の利下げ如何によっては、日米ともに株式市場への影響は大きく、金利政策のかじ取りの巧拙によってソフトにもハードにも、どちらにも振れる危険性を孕んでいます。日米金融政策当局が協調して市場と対話しつつ、少しずつ緩やかに歩を進めることができればソフトランディングのシナリオが現実味を帯びてきます。しかし大統領選など両国の政局の要素や、中東・ウクライナ戦争、中国不動産バブルの崩壊といった国際情勢の要素も絡んでおり、一筋縄で解決できないとなれば、株式市場のクラッシュなど代償を伴う経済の歪み(バブルやスタグフレーション)の是正が起こる可能性もあります。

 

8月31日(正午前後)に日銀が利上げの発表を行うかどうかは、まだ市場に織り込まれておらず、仮に利上げが実施された場合は、初動としては円高に振れ、日経平均も下落するのではないかと思われます。また、午後の会見(15:30)で将来の金利上昇についての言及が行われれば、円安キャリートレードの巻き戻しに拍車がかかる可能性もあります。

 

先週のブログでは、11月の米国大統領選の前にリスク資産を売却し、来るべき大波乱の際に資金を投入できるように大口投資家の準備が始まったのではないか、と述べましたが、この傾向は今後さらに強まるのではないかと思われます。

 

以上の相場予想はあくまでも統計分析に基づく安定収束モデルにより推計するものですので、この予想に基づいた投資の結果に対しては一切の責任を負うものではありません