金融市場週間予想(5/13-5/17)
2度目の為替介入はいつか?
2024年5月12日現在における5月13日から5月17日までのドル円相場の週間収束ポイントは150円17銭となっています。
この予想は過去200週間の為替や金利その他17市場の金融商品を基に統計手法による分析を行い計算した結果によるものです。
週末(10日)の米国株式市場は小幅続伸しました。S&P500種株価指数は前日比0.16%高の5,222.68となりました。ダウ工業株30種平均は0.32%高の39,512.84ドル、ナスダック総合指数は0.03%下落しました。ドル円は155円76銭で終了しました。
今週の収束ポイントは以下の通りです。
ドル円150円17銭 ユーロ円163円44銭 豪ドル円100円20銭 日経平均38,195円 NYダウ38,388ドル 日本国債(10年)0.89% GOLD 2,113ドル
先週は政府財務省による為替介入は行われませんでした。米国イエレン財務長官は「為替介入はまれであることを願う」と、日本の為替介入に対して否定的なコメントとも思われる談話を行っていますが、この発言を鵜呑みにしてもう介入は行われないとする見方には疑問が生じます。
日本の国益を考えれば日本の産業振興に資する日銀による低金利政策は理に適っており、他国の金融政策や為替相場に引きずられること無く独立して決定されるべきものです。
しかし、独立した金融政策と自由な資本移動と安定した為替相場のすべてを同時に満たすことは出来ないこと(国際金融のトリレンマ)は金融界の常識となっており、米国のイエレン財務長官も十分に認識しているので、介入をしてはならないとは言っていないものと考えられます。
昨今、新NISA制度等(海外企業への投資にも税制優遇が行われている)により、毎月大量の資金が円からドルに交換され運用されるようになっており、自由な資本移動による円安が進行しつつあります。一方円安による国内物価高騰が国民生活に打撃を与えており、唯一残された手段である為替介入は現在の日本にとって必要不可欠なものと考えられます。
為替介入により、政府の保有ドルの含み益が実現されることで得た財源は、全国民一人当たり(0歳の子供も含め)に30万円程度以上になると言われており、電気代、ガソリン代などの末端価格を直接引き下げるなり、消費税を一旦ゼロにするなどの財源に使えば良いと思われます。
実現した含み益を市場に流通させると、インフレが加速するので流通させずに不胎化せよという議論がありますが、そもそも日銀は低金利政策を行っているのであり、その政策方向に追い風を与えることは、全く問題はありません。輸入インフレと円高による相殺メリットの方が大きいものと思われます。
為替介入は短期的な時間稼ぎにしかならないとの意見は、前述した国際金融のトリレンマ理論により正しいものと思われますが、頭が痛いときに頭痛薬を処方するのと同じで、短期的に痛みを和らげている間に、有望な分野への研究開発投資など地道に根本的な日本経済の再建に勤しむべきと考えます。またその間、高金利政策を実施している米国等の経済実態が悪化方向に転化し、円高へのトレンド転換となる可能性も否定できません。
煎じ詰めれば、昨今の円安は膨大な外貨準備を意味も無く蓄え、有用な政策を何一つ行えない現政権に対する評価と思われ、海外の投資家にも無策な日本の政治が見透かされているのではないか、と思われてなりません。
為替介入が行われるタイミングは、5月15日(水)日本時間21:30の米国CPI(消費者物価指数)発表後ではないかと言われています。個人的には5月16日(木)日本時間の早朝7時頃ではないかと考えます。
以上の相場予想はあくまでも統計分析に基づく安定収束モデルにより推計するものですので、この予想に基づいた投資の結果に対しては一切の責任を負うものではありません