【概要】
いよいよdocomoも2段階の料金体系を整備し、各社の熾烈な冬の陣が予想される携帯業界。
今回は3社の2段階制パケット定額料金を比較してみた。機種変更の際の情報に活用して欲しいと思う。


【料金体系おさらい】
パケ・ホーダイ ダブル、auの「ダブル定額ライト」、ソフトバンクの「パケットし放題」の3サービスは、最低月額料金がわずかに異なるが最低月額料金と上限月額料金がほぼ同じ。
最低月額料金内で利用できるのパケット量も1万2500パケット(au)、1万2250パケット(ドコモ、ソフトバンク)とその差はわずかであり、上限月額料金に達するまでに従量課金されるパケット単価は0.084円/パケットとまったく同じだ。





ドコモでは、iモードやiモードメール、iアプリのパケット通信料が定額になる「パケ・ホーダイ」と、内蔵フルブラウザ利用時のパケット料金も定額になる「パケ・ホーダイフル」が別に用意されていた。
今回のパケ・ホーダイ ダブルではフルブラウザの利用と同時に上限額が増えることになり、auのダブル定額ライト、ソフトバンクのパケットし放題と同様になった。なお、内蔵フルブラウザ利用時の上限月額料金も5985円で3社同じ金額になっている。

このように、パケット定額の料金プランは3社とも似た内容になったいるようにみえる。


インターネット接続料金の違い】
しかし、依然大きく異なるのが、携帯電話をPCに接続し、モデムとしてインターネット接続する場合の料金だ。キャリアによって料金が大きく違うのである。

一番高額なのが、ホワイトプラン/ゴールドプラン/ブループランで契約した場合のソフトバンクモバイルで0.2円/パケット。次がauとソフトバンクでオレンジプランを契約した場合の0.105円/パケットだ。

auとソフトバンクのホワイトプラン/ゴールドプランの場合、パケット定額プランの有無にかかわらず専用のデータ通信料金が適用されるため、常に上記のパケット単価が適用される。ただし、ソフトバンクのブループランとオレンジプランは、パケット割引を付けることで上記よりも安く使える。

そういった中ドコモの場合、パケ・ホーダイ ダブルを契約していると0.084円/パケットでPC利用が可能で、さらに7万1250パケット(iモードとフルブラウザの利用分含む)以降は0.021円/パケットとさらにリーズナブルな価格になる。

勿論、3社とも定額にはならず上限額なしの従量課金になるので注意が必要だ。


異なる切り替えのタイミング】
また、契約切り替えの適用タイミングも3社で異なる。パケ・ホーダイ ダブルは公開されている情報から確認する限り、(サービス開始後は)即日適用が可能だが、日割となるのは最低月額料金のみで上限月額料金は変わらない。
この点はパケ・ホーダイをほぼ継承した形だが、2段階定額のメリットがほとんどないとも言える。

auは原則として翌月適用。しかし、パケット割引サービスを一切利用していない場合のみ当月1日にさかのぼって適用でき、新規回線契約と、CDMA1XからWINへの方式変更の場合のみ即時適用で日割計算となる。制限はあるが、大量にパケット通信を行った後からでも(月内であれば)パケット定額が適用できるのはメリットが大きい。ソフトバンクも原則翌月適用という点はauと変わらないが、即時適用となるのは回線の新規契約時のみだ。
ちなみに、契約上の“翌月”とは、ユーザーごとの料金締め日によって異なるため、必ずしも月初めに切り替わるとは限らない。

常時パケット定額に加入しておく前提であれば、パケ・ホーダイ ダブルはauやソフトバンクモバイルの2段階制パケット定額料金と比較してもデメリットはほとんどない。
auのようにさかのぼって適用することはできないが、これはあくまでレアケースだろう。


結論】
以上の事から、少なくともパケ・ホーダイの定額料金(月額4095円)がネックでドコモへの番号ポータビリティをためらっていたユーザーにとって、パケ・ホーダイ ダブルの登場は朗報と言える。