憧れのNAGAHIBACHI(関東長火鉢) その弐 | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

憧れのNAGAHIBACHI(関東長火鉢) その弐

実はこの姿()になるにはひとかたならぬ労苦があった.

長火鉢大改造ビフォー・アフターの始まりでっす,むはは.

興趣不振の折はスルーを勧進いたしまっす.



ヤフオクにて格安でゲットいたしました.

もちろん,大正末期の古道具ですからね.

そのままじゃ日常使用はまず無理でしょうな.



箱から出すとさあ大変!底から灰や土がざざぁっと漏出です.

内張りを分解すると,内部に大量の灰や土埃が溜まってます.

なんてたって大正時代からの堆積量ですからな,わっはは.

電気掃除機で隅々まで徹底的に清掃する,もの凄い量です.

掃除機の交換パックがすぐに満杯になりましたもんね.



骨董ですからね,それなりに盛大に痛んでて当然ですね.

底板は一部腐木しており,大きな亀裂もみられます.

灰が漏れてきたのはこのためですね.



外側の腐木部分を研削し,内側からも板を用いて補修します.

その他,抽き出し内部も徹底的に清掃・研磨を施します.

材質はケヤキのようですが堅牢な造り,さすが昔の物ですね.



何と申しましてもね,一番ひどいのは内張りの金属腐蝕です.

底板のロウ付け部分は完全に破綻してます,亀裂・間隙もみられます.

これじゃあ灰は漏れまくりですわね,うっははは.

薄手の銅製ですが,注文新調するとなんと3万円もかかるそうな.

ケチでありますので,わはは,それは不得策であると断念です.



本格的な銅ロウ付けや溶接は,素人工作につきまして断念する.

でね,これ画期的ですよ,金属用パテによる補修です.

たかがパテと侮ってはいけませんよ,24時間で完全硬化するです.

しかも強度も十分,400℃位まで耐熱可能な優れモンなんですぜ.



炭という「火」をつかう室内道具ですからね.

防火・遮熱には細心格別の注意が必要です.

デフォルトでは杉板による遮熱造作がなされております.



ではありますが,う~むむ,若干の焼灼痕がみられる.

危険である,防燃構造に問題があるのは明白である.



出来るだけ当時のままとして骨董の意義を尊重したい.

しかしながら防火基準は現代の最新規格を適用したい.

なんのこっちゃワカリマせんが,うはは,やっぱり安全が一番ね.



であるので杉板を廃し,石膏ボードによる耐火加工を施します.

住宅の壁建材にも使用されておるアレですね.

軽量・安価ですが耐熱機能は抜群,工作も容易です.



内張りの内側も可及的に腐蝕を研磨した.

うむ,緑青が浮き出してなかなかに風流ですね.

新しい銅板色もいいですが,この「時代」が付いた色もいいね.

やっぱりこれを使用しよう,そう思った.



すべての工程はですね,わっはっきゃっ.

秘密基地において秘密裏に施工されるのであった.

粛々と一人静かに没頭する,男子の週末は十分に満たされる.



肝心の銅壺部分は水漏れもなく健常のようです.

上部にほんの少しの亀裂があります,であるのでね.

スチール・テープで補修する,最近は便利なものがありますなあ.

使用中に水が漏れたら大騒ぎですもんね,ぶわっは.



しばしば画像に写りこんでおります正宗の一升瓶ですが,ぶはは.

決して呑むためのものではありません(少しは呑んでるけどね).

こうやって酒で磨きを入れるためです,艶が出ますからね.

酒の道具は酒で磨くのが良い,そう思う(余ったら呑めるしね).



完成に近付いた,感無量である.

ここで家人より提案があった.

「使用しない時,灰が舞い上がり散乱するようでは困る」

なるほど,なるほど,ごもっともでありますな.



であるので,テーブル・トップの如き天板をこしらえた.

正確にサイズを計測し,はめ込み式の造作とした.

色調を近付けるため,塗装とバーナーによる焼きを繰り返した.



灰は手で揉みほぐして極力不純物を排する.

ビフォーはこれまで,むふふ,アフターは次回っす,すみません.

いよいよ炭をくべる時が来たのだ,楽しみだなあ.