俊太郎様お酒強いみたいだし自分の限度も分かってるだろうから変な飲み方も酔い方もしないと思うけどあえて言います、べろっべろに酔った俊太郎様ください・・・酔ってぼーっとするだけでも可愛いし、ええ気分やとかいって甘えても可愛いし、抜刀してもいいのよおおお……
とついったのほうで大騒ぎして々妄想頂いたりしたのですがついったで流すには長くなってしまったので、簡単に小話にしてみまし、た…!
字書きでないので読みにくいかと思いますが良かったら下からどぞどぞ。
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「こんばんは、○○はん」
その日俊太郎様は、珍しく疲れが色濃く残った顔で揚げ屋に現れた。
座敷を開けて挨拶を済ますと、先に手酌ではじめていたのか既に膳の横にいくつかの徳利が並んでいる。
「すみません、お待たせしてしまいましたか?」
せめてと中身の残る徳利を取って寄れば、彼は優しく首を傾げて隣へと促してくれる。
「いいえ、あんさんを恋しいと焦がれる時間に比べたら大したもんじゃおまへんよ」
悪戯っ子のように目を細めて笑う視線はいつも通り色っぽいものだったが、やはりどこか疲れが見えて少し心配になる。
自然と紡がれた甘い言葉に体温が上がるのを感じつつ誘われるがまま隣へと座り、綺麗に背筋を伸ばして座る彼を横目で観察するようにすれば、いつもは長い睫毛の影を落とす目元にうっすらと隈が見て取れた。
「…俊太郎様、今日はお疲れのようですね?」
「はは、すんまへん。やはり分かりはるんやね、…そない酷い顔どすか?」
いつも通り素敵ですとはまるで見目ばかり見ているようで言えず、緩く首を横に振ってから片手を彼の足に手を添えて答えた。
「少し隈が出来てます、…でも疲れてるのに私に会いに来てくれたんでしょう?…それなら酷い顔でも許してさしあげます」
そう冗談めかして徳利を差し出し微笑めば、俊太郎様もつられて褒められた子供のように顔を綻ばせた。
そのまま顔を近づけられ、そっと耳元で囁かれる。
「こない顔で申し訳ありまへん、けどようやっと区切りがついたら無性にあんさんの顔が見とうなって。
…今晩は久しぶりにあんさんと二人、ゆっくりさせて頂きまひょ」
そう笑って告げる彼の言葉に胸に恥ずかしさと嬉しさがこみ上げてくるのを感じ、同時に今日ぐらいはいつものように甘やかしてくれるのではなく甘えてくれたらいいのに…そう願わずにはいられなかった。
* * * * *
それから暫く、いつもよりゆったりとした時が流れた。
新しく覚えた曲なんですと三味線を鳴らせばまた一段と上手くなったと自分のことのように喜び、舞を見せれば眩しそうに目を細めて綺麗やと褒めてくれる。
そして気分だけでも杯を共にしたいという俊太郎様の意向で、お店の人に甘酒を出してもらいゆったりと語らいながら彼の横で暖かいそれを頂いていた。
穏やかな空気と久しぶりの再開に浮かれていた私は幾分時間がたってからようやく違和感に気付く。
(…俊太郎様、少し酔ってらっしゃる…?)
いつもはけろりと、それこそ嗜むと言っていい優雅さで杯を傾ける彼。
それがたとえ酒豪の高杉さんと並んで楽しんでいる時でさえ涼しい顔で過ごしていたので、私はどこかで彼は酔わないものだとなんとなく認識していた。
しかしいくら俊太郎様がお酒に強くて限度が分かっている大人とはいえ、当然ながらたくさん飲めば酔うのだ。
しかも身体が疲れ切っている上に寝不足のときならなおさら酔うものだ、ともしお酒を飲める立場だったら早くに気付いたかもしれない。
疲れを宿した目元がほのかに朱に色づいてるのを認め、あぁやっぱり少し酔っているのかと確信すれば珍しい姿を見れたことに少し得をした気分になりながら彼に問いかけた。
「俊太郎様、大丈夫ですか?」
「…ん?…へえ、なんでっしゃろ…?」
彼は突然の問いかけに暫し目を瞬かせ、それからへにゃりと普段より緩まった表情で笑いかけてくれる。
普段から穏やかな口調の彼が殊更ゆったりとしたテンポで言葉を紡けば優しく響く低音の声は少し掠れていて、よく聞けば吐息の混じる間が彼の色気を際立たせているようだった。
「ふふ、珍しく少し酔ってますね?お水もらってきますから、少し待っててください」
そう伝えて立ち上がろうと畳に手をついた瞬間、その手を包み込むように俊太郎様の手が添えられて行動を遮られる。
「…どこへ行かはるんどすか?」
今伝えたばかりなのにどうしたのだろうと視線を向ければ、困ったように眉尻を下げて私を見つめる俊太郎様と視線が絡み合った。
「…え?ええと、お水を貰いに行こうかと…?」
言えば添えられた手で手首を掴まれ、簡単に彼の胸元へと引き寄せられる。
涼しげで少し苦い心地よい沈香の香りがふわりと漂い、それに包まれれば思わず鼓動が高鳴った。
「…嫌や。…わてはあんさんがおれば何もいらん。せやから後生や、わてを置いていかんといてくれやす」
俊太郎様の頬が首元に埋められ、暖を求める子猫のようにすり寄られる。
しかも少し熱を潜めた瞳はまるで母に縋る子供のように切なげに揺れるもので、ときたま行われる色気を孕んだ行為とはまた違う様子に思わず身動ぎしてしまう。
「あ、あの…でも、ご気分悪くなる前に少しお水飲んだ方がいいと思うんです…。」
ですから、と告げる前に視界が揺れる。
気付けば背は床へ付けられ、視界には眉を顰めひどく切なげに私を見下ろす俊太郎様の姿でいっぱいになり、押し倒されたという事実に辿りつくにはそう時間はかからなかった。
肘をついて間を詰められ、彼の呼吸から酒気を感じるほどの距離で掠れた声が囁かれる。
「そないないけず、言わんといておくれやす…。わてがどれだけあんさんを想うてるか、よもや伝わってないわけやおまへんやろ…?」
普段余裕たっぷりで翻弄するかのような言動ばかりの彼が、私の一挙一動に不安そうに縋るというこの状況が酷く不思議なものに思えたが、視線を絡ませれば言葉には似つかわしくないほどに彼の瞳がぎらぎらと熱を帯びているのに気付く。
「……それとも、こない軽薄な男は信用出来まへんか?」
「…っ、そんなこと…」
自嘲気味に付け足された言葉にはっとしてようやくと言葉を紡いだのに、口を開いた隙を見計らったのか呼吸ごと奪うように荒々しく唇が捕われた。
しかしそれは長いものではなくちゅ、と軽いリップ音ともに離れれば彼は舌でその薄い唇をなぞるように舐めとる。
まるで私の反応を確認するかのように、挑発するように、そして誘惑するように。
直接的すぎるアプローチにくらくらと眩暈がするようだった。熱が集まる耳は先ほどからキーンと耳鳴りがしてひどくうるさい。
妖しい光と熱を帯びた彼の瞳をこれ以上見てはいけないと頭の中で警鐘が鳴り響く。
でも、このままではいけないと思うのに、どこか突き進んでしまえばいいのにと期待する自分がいる。
彼はいつも優しい。私が本当にいいと言うまでは手は出さないと誓った以上、律儀にそれを守り切る人だろう。
私はその気遣いと優しさが酷く嬉しい半面、彼に釣り合うような大人になりきれない子供の自分が恨めしい。未知の世界を怖く思うのに、他の子が嬉しそうに彼の話をするたびに焦燥感に駆られるのが嫌で、強引に奪ってくれてもいいのにと身勝手に思うこともあった。
考えを重ねていくとまるで私まで酒気にあてられてしまったように思考にもやがかかる。
それでも、一つだけ、確かなのは。
「…わ、私は…俊太郎様なら、いいです…っ」
顔に更に熱が集まるのを感じながらそれだけなんとか告げると、目を見張って見下ろしている視線と絡み合う。
暫くそのまま動かずにじっと私を見下ろす俊太郎様だったが、やがて息を漏らしてやんわり笑うとひどく優しい仕草で耳元へと口付けを落として囁いた。
「…おおきに。……こないいじらしてかいらしい人やのに、悪い男に捕まりましたなあ」
くつくつと笑いながら囁かれる言葉にぞくぞくとしたものが背筋へと走るのを感じながら、今から起こるであろうそれを想像し彼の背に手を回してぎゅうと抱きしめた。少しはだけた胸元に触れれば酔いのまわった身体はひどく熱い。
…しかし、無知故に先の見えない行為を緊張して待ちかまえるが一向に進む気配がしない。
「………、…俊太郎様?」
抱きしめていた手を緩め、腕の中で身動ぎして彼を見遣る。すると支えられていた肘がずるりと落ち身体が横にと崩れ、すぅと小さな寝息が聞きとれた。
(……寝て、る?)
思わずその顔を眺めて呆然とするも、彼があまりにも穏やかな顔で安心したように眠るものだからつられて私まで安心してしまった。
(…寝不足で、しかも疲れてたのに無理して来てくれたんだもんね)
ほんの少しの残念さと安堵。
それでも与えられる温もりとわずかな重みに、ひどく安心させられた。
眠る彼の額に勇気を出して口付けて、腕の中に戻る。
「…おやすみなさい、俊太郎様」
少しの酒気と沈香の香りに包まれて私も目を閉じた。
fin.
俊太郎様起きてたら抜刀出来てたのにねドンマイ(^-^)ニコオ
思いのほか長くなってしまって戦慄した…お粗末様でした!