うめめんは駆け寄って来るなりバッグから、ポーションを全部だしてきた。
「いっぱい持ってるから、好きなだけ飲むにゃ!さぁ!早く!」
天使…神…
地獄に仏なら、森に猫。
「あんがと…」
「うめめん、頂きます!」
二人で必死に飲んだ。
ちょっと濃いポカリスエットみたいな味。
今まで美味しいと思ったことは一度も無いけど、今はこれが一番美味しい。
プハーッ!!
五臓六腑に染み渡る~!これよ!これよ!この感じ!!
「もう一本いいですか?」
「じゃんじゃん飲もうよ!いいよね!うめめん?」
「にゃ…」
少しずつ傷がふさがり、気力も体力も湧いてくる。
「あぁぁ…めっちゃ痛かったし、やばかった…」
「ですね…うめめん来なかったら今頃は二人で震えてましたね…」
ポーションの即効性はヤバい。失った生命力が回復してくる。身体が動く!
「あのサテライトはクロアだったんにゃ?」
「あれはアリシアだよ…」
「アリシアがこんなボコボコなんて珍しいにゃ」
「少し…油断しました。」
「うめたろ、なんでこんな時間にこんなとこに?」
「滝を見に行こうとしててね…そしたらとんでもないフクロウいるから、いっちょ狩ろうかと思ったにゃ!」
ふふ…いつもマイペースで優しくて強いうめめん。
タイミング良すぎなんだよ……
ほんとに嫌になる。切っても切れない縁?
きっと人と人は繋がっていて…
複雑に糸は絡みあって…
辿っても切れていたりするけど。それでも私達は何本もの見えない糸で結ばれている。
友達、恋人、仲間…全部が糸で繋がっている。
手のひらを見ると、綺麗な白い糸が見える。
キラキラと輝く綺麗な白い糸…
グッと糸を握ると糸はピンッと張って、うめめんはビクッとして周りを見渡した。
私のヒーローはうめめんなんか…
笑っちゃうよね。。
こんな猫の着ぐるみ毎日着てる人…
「なに笑ってるにゃ?ついに頭おかしくなったんにゃ?」
「ちょっと…ね…?」
朝日が森を照らしてきた。
白々しく夜があける。夜の不気味さが嘘のように眩しい。
アリシアに膝枕されながら見る朝日はとても綺麗で、陽の光は暖かく三人を照らす。
傷もふさがったし、痛みもひいた!
ゆっくりと立ち上がって、ギターケースの蓋をあける。
私の宝物…魔砲を手にとる。
ごめんね…相棒。あんな使い方して…次の拠点ついたらピカピカに磨いて、拾った強化石も全部使ってあげるね。
ゆっくりと深呼吸する。
ああ…空気も美味しい。またみんなと遊べる。そんな思いが込み上げてきた。
早くみんなに会いたい。この森を抜けて、次の拠点でみんなの到着を待っていたい。
よしっ!行くよ!!
振り返ると、アリシアとうめめんが笑ってる。私の大切な友達。
私も笑顔になった。
「ねぇ、うめめん…一つ言っていい?」
「なんにゃ?」
言いたいことは一つだけ…
「来るのが遅い!!」
「いや…べっ別に呼ばれてないにゃ!シャー!!」
うるせー!!
遅すぎ!死刑!!