最近「響 ~小説家になる方法~」というマンガが、

マンガ大賞を獲って、

セブンイレブンの書籍の棚などにも、

既刊が並んでいるので、

気になってTSUTAYAで借りて読んでみた。

 

とてもいい作品だった。

 

マンガには時々、

マンガでは伝えきれない概念を

テーマにした作品がある。

 

この「響・・・」においてはそれは「小説」で、

主人公の響という少女は、

15歳で文芸誌の新人賞に応募して、

その作品が芥川賞と直木賞に

ダブルノミネートされ、同時受賞する。

 

マンガの中では響のキャラクターや、

その周辺のエピソードは描写されるが、

その「小説」の本文は一切出て来ない。

 

ただ響のキャラクターが

あまりにも魅力的なので

この子が書く小説なら、

それは素晴らしいものだろうと

容易に想像できるようになっている。

 

僕はこのタイプのマンガが好きで、

これまで好きだったこのタイプのマンガには、

音楽を扱ったマンガが多かった。

 

例えばハロルド作石の「BECK」、

さそうあきらの「神童」、

二ノ宮和子の「のだめカンタービレ」など。

 

音楽というものは

マンガでは直接伝えることができないので、

人物設定の魅力や

ストーリーの面白さで

間接的に伝えていくしかない。

 

「BECK」はアニメにも実写映画にもなっているし、

「神童」は実写映画に、

「のだめ」はアニメでも映画でもテレビドラマでも、

大ヒットしている。

 

もうひとつ「響 ~小説家になる方法~」が、

ちょっと特徴的なのは、

あまり絵が上手ではないということだ。

 

過去にそのストーリーで強く影響を受け、

あまり絵が上手ではなかった作品に

岩明均の「寄生獣」がある。

 

必ずしも絵の上手い下手は

マンガにおいて重要な要素ではないのだ。