ブックオフで近藤ようこの
「五色の舟」というマンガを見つけて買ったのだが、
どんな作品か知らないまま、
ただ近藤ようこというブランドを信じて、
買って読んでみたら、なかなかの内容だった。

 

かいつまんでストーリーを紹介すると、
身体障害を持った人たちが、
家船で暮らしていて
見世物興行をしているのだが、
時世は戦時下で、
あまり仕事がなくなってきている。

 

そんな時、岩国に「くだん」がいるらしい、
という噂を聞きつけ、
一座に加えようと買い付けに行く。

 

「くだん」というのは、
牛と人間のあいの子といわれており、
人語を話して予言をするという生き物である。

 

目的の家に着くと
「くだん」はすでに軍に接収されており、
見世物一座の座長は、
特別に「くだん」との面会を許される。

 

「くだん」は日本に新型爆弾が落とされて、
戦争に負けるという予言をしており、
軍の上層部は「くだん」に導かれて、
別の世界に移り住みつつあり、
見世物一座も希望するなら、
別の世界に連れて行くと言われる。

 

見世物一座の和郎と桜は、
「くだん」に乗って別の世界に向かうのだが、
「くだん」の監視役だった兵隊が
「くだん」を銃で撃って殺してしまう。

 

しかしラストでは和郎と桜は
新型爆弾が落ちなかった世界で、
平穏に暮らしている。

 

原作の小説は
40ページ足らずの短編なのだが、
その中に猟奇的な要素や、
オカルト的要素、SF要素など、
多様なイメージが錯綜する怪作である。

 

さっそく書店に
この原作の小説を探しに行ったが、
見つからなかった。

 

アマゾンで注文すればすぐに手に入るが、
そんなに簡単になんでも手に入るというのも、
面白くない話なので、
図書館で探して借りてみた。

 

作者の津原泰水(つはらやすみ)は、
1964年生まれということなので、
あまり僕と変わらない年齢だ。

 

広島出身で、
「この世界の片隅に」に、
ネットで文句を言ったりしているらしい。
なかなか一筋縄では行かなそうな人だ。

 

11(イレブン)という短編集に
収録されていた他の短編も
なかなか僕の好きなタイプの小説だった。