最近ちょっと母親のケアとかで
あまりマンガも読まず、
映画も見ずに暮らしていたが、
それでも一昨日には
「この世界のさらにいくつもの片隅に」
を劇場で見て、
昨日はテレビで放送された
「スマホを落としただけなのに」を見た。

 

「この世界~」は
とにかく絶対見ようと決めていて、
なんとか上映期間中に
見に行くことができて良かった。

 

この映画は数年前に
第一弾の「この世界の片隅に」
が公開され、大好評を博したが、
原作にあった、北条すずと、白木りんのエピソードを
映画が長くなり過ぎるという理由で、
カットしていたものを追加して、
完全版として再公開されたもので、
上映時間は約3時間と、かなりの長尺になっているが、
冒頭からほぼ3時間泣きっぱなしであった。

 

主役のすずの声を演じた
のん(能年玲奈)の表現力に圧倒される。

 

 

「スマホ~」については、
特に言うほどのことはなかったが、
後からウィキで調べて、

脚本を大石哲也さんが担当していたことを知った。

 

大石くんとは大学時代、
福岡のNHKで一緒にアルバイトしており、
お互いに東京に出て来た後も、東京で会ったこともあった。

 

その後、脚本家になられて、何本かの映画のエンドロールで、
大石くんの名前を見つけて、頑張っているんだなあと頼もしく思った記憶がある。

 

映画を通じて知り合って、
その後映画監督になった白石晃司くんと
脚本家になった大石哲也くん。
この2人は僕の希望の光のような人だ。

 

しかし整形をすれば、
北川景子になれるなんて、
それはあまりにも夢があり過ぎるよ、大石くん。

 

沖田×華の「お別れホスピタル」の中に
終末病棟に入院していながら、
毎日ベッドの上で
神様への祈りを続ける
宗教団体の信者の人の話があるが、
最近うちの母親が
あまり身体の自由がきかなくなって、
父親から介護を拒否され、
老健施設に入所していて、
やたら家に帰りたいと言うので、
年末には福岡に行って母を一時帰宅させた。

 

母の頭や身体が
だんだん不自由になっていくことには
母がある宗教の信仰を持っていることも、
大きく関与していると思っているのだが、
今更そんなことを言っても、
嫌味や悪態にしかならないので、
黙って母の手を引いたり
おむつを替える手助けをしたりしたが、
心の中では母が信仰している
神様とかいうものに対して
怒り心頭であった。

 

「お別れホスピタル」を
差し入れてやろうかとも思ったが、
もう母はそれを読んで
理解するほどの認識も持っていない。

 

1年ほど前、
ブックオフで見つけた、
齋藤なずなの単行本「夕暮れへ」


当然即買いし、すぐに読んだのだが、
そもそも齋藤なずなという
マンガ家を知っている人が
どのくらいいるだろうか?

 

このように書くと
まるで専門家か
マンガマニアのようだが、
僕はそれほど広範囲に
マンガを読み漁っているような
マンガファンではない。

 

しかし人生の要所要所で
マンガやマンガ家と
不思議な出会いをすることだけは確かだ。

 

「夕暮れへ」の巻末に
評論家の呉智英さんが解説しているが、
齋藤なずなの最初の単行本は
1991年に出版された「鳥獣草魚」である。

 

どういういきさつでその本を入手したかは
覚えていないのだが、おそらく書店の店頭で
タイトルに魅かれて自分で手に取ったのだと思う。

 

僕が大学生だったのは、
1985年から1990年頃にかけてなので、
その頃にはまだその本は出ていない。

 

しかし僕は
「最近どんなマンガが面白い?」
と聞かれて、
「とり、けもの、くさ、さかなと書いて、
鳥獣草魚というマンガがあるんですけど・・・」と、
何人かの人に話した記憶があるので、
それは大学時代のことだと思っていたのだが、
社会人になってからのことだったようだ。

 

そしてその後、1998年までに
合計6冊の単行本を
齋藤なずなは出しているのだが、
それっきり全く新刊を見かけなくなった。

 

呉智英の解説で知ったのだが、
その間約20年間、
齋藤なずなさんは
京都精華大学で先生をしていたそうなのだ。

 

京都精華大学といえば、
約2年前、仕事の関係で、出張で訪ねた大学だ。


その時に会った方の中には
齋藤なずなさんと面識がある人もいたかもしれない。

 

そして今年、2018年、
約20年振りの齋藤なずなさんの単行本が
青林工藝舎から出版された。

 

収録された10作品のうちの8篇は
以前の著作からの再録であったが、
残り2篇は約20年の休筆後に書かれた作品であった。

 

それは凄い作品でしたよ。


そしてそんな作品と
「出会う」という才能を持っている自分も、
やっぱり凄いと思いました。

 

僕のしょぼい書庫を探したら
齋藤なずなさんの単行本、
既刊6冊全てありました。


そして7冊目の「夕暮れへ」も
そこに一緒に置きました。

 

ちょっとマニアックな話になるが、
つげ義春が1984年に書いた、
「ある無名作家」という作品に出て来る、
奥田というマンガ家は、
水木プロでアシスタントをしていた、
北川象一という人がモデルらしい。

 

 

北川象一は17歳の時から
水木プロでアシスタントをしており、
最古参だったのだが、
後から入って来たつげ義春や
池上遼一なんかが、
どんどんデビューしていくなか、
取り残されて屈折していき、
ついに水木プロを辞めてしまった。

 

その後、エロ劇画や
麻雀マンガを書いたりしていたが、
ついに故郷に帰ってしまい、
最後はアパートで孤独死したらしい。

 

 

マンガは芸術ではなく所詮マンガ、
それは当時から今までずっと変わらない。
それでも僕にとってはマンガは
最高の表現形式である。

 

最近のねこ娘は綺麗過ぎる
と言われているが、
これはこれでいいと思う。
昔のねこ娘も好きだけど。

 

松本零士危なかったですね。

 

松本零士が書いたリスの絵を
せめてここに掲載してリスペクト

 

最近マンガに関する投稿を
あまりしていませんでしたが、
マンガもちゃんと読んでいますよ。


最近は特に沖田×華の作品を読んでいました。


ブックオフで探したりアマゾンで取り寄せたり、
書店で新刊を買ったりして、
著作すべてではありませんが、
26冊くらい入手して読みました。

 

旦那さんの桜井さんのマンガや、
沖田×華の名付け親である、
ゲッツ板谷さんの本も
今読んでいるところです。

 

一昨日「透明なゆりかご」(全4巻)の

第2巻を見て、昨日3巻と4巻を見ました。

 

「透明なゆりかご」は全10話で、

1巻と2巻に3話ずつ、

3巻と4巻には2話ずつ入っています。

 

1巻の3話全部にものすごく感動して

期待して2巻を見たのですが、

2巻目の途中から「あれ?」と思いはじめ、

「???」な気持ちのまま

2巻目を見終えたのだが、

最後のスタッフテロップで、

演出の名前が1巻目と違っていることに気付いた

そんなに気をつけて見ているわけではないが、

面白かったドラマの脚本や演出の名前は、

なんとなく一応見ることは見ている。

 

それで1話目の終わりに見た名前と、

6話目の終わりに見た名前が

なんとなく違っていたような気がしたのだ。

 

それでネットで調べてみると、

「透明なゆりかご」は

3人のディレクターが分担して演出していて、

1話目から4話目まではAさん、

5話目から8話めまではBさん、

9話目をCさん、

そして最終回をAさんが担当していた。

 

それで2巻の途中、5話目から、

「?」マークがつきはじめたのだった。

 

主な出演者は共通だし、

脚本は全話を通じて

同じ人が担当していたので、

演出が変わっただけで、

こんなに明らかに印象が変わるほど、

ドラマのトーンが変わるものだろうかと、

少し不思議な感じさえしたのだが、

それでもそのまま最終回まで見続けたら、

一度Bさん担当の4回で

少しテンションが緩んでしまったが、

最後の2回はきっちりと回復して

涙、涙の嵐となった。

 

他人への共感性が薄いと言われる僕も、

そもそも優しさという感情が

根本から欠如しているうちの奥さんも

終始ティッシュを引っ張り出し続けて

泣きっぱなしであった。

 

全部見終わったのは夜の11時頃であったが、

うちの奥さんはテンションが上がって

これから一杯飲もうと言い出し

色々おつまみとかを用意し始めた。

僕は眠かったのだが、

しかたなくおつきあいしました。

 

主演の清原果耶さん、

今はオロナミンCのCMで、

完璧な美少女ぶりを披露していますが、

このドラマをやっている時は

ニキビだらけの中学生で、

右から撮っても

左から撮っても

顔がボコボコしていて、

それが発達障害の看護師見習いという役柄に

ピッタリはまって可愛かったです。

 

沖田×華が10代の頃、

中学の同級生のYちゃんという女の子と

ルームシェアして暮らしていたそうだ。

 

そのYちゃんが好きになる男は

なぜかダメな男ばかりで、

その頃はAというアパレル店員のことが好きだった。

 

YちゃんはAの店で高額な買い物をしたりしていたが、

Aは飲み会のたびにほかの女友達を口説いたりしていたので、

Yちゃんの幸せを願っていた沖田×華は密かに心配していた。

 

そんなある日、Yちゃんがいない時にシェアハウスにAが訪ねて来た。

Yちゃんがいないと知ってAは沖田×華をドライブに誘った。

沖田×華はこの機会にAがいかにダメな男か確かめるため、

Aの誘いに乗って一緒にドライブに出かけた。

 

するとAは沖田×華をホテルに誘ってきて、

沖田×華はその誘いに応じてホテルでSEXをした後、

Yちゃんのことをどう思っているかAに聞いた。

Aが特になんとも思っていないと答えたので、

沖田×華はYちゃんをあまりその気にさせないでくれと頼んだ。

 

シェアハウスに戻った沖田×華は、

Yちゃんにそのいきさつを話して

あんな男とつき合うのはやめろと説得した。

 

するとYちゃんは

「なんでそんなヒドいことするの?」と沖田×華に聞いた。

 

「アイツがいかにサイテーかをYにわかってほしいから」

「何か私に恨みでもあるの?」

「えっ、全然ないよ、Yが不幸にならないように」

「今、超不幸だよ、私が好きなの知っててHするなんて」

「だから向こうはYのこと好きじゃないんだって

そりゃ私もAのこと好きだったらサイテーになるんだろうけど、

私はAのことなんとも思ってないワケ、

サイテーなのはアイツじゃん、向こうから誘ってきたんだから」

「なんで断らないの?」

「その日予定があれば断ったんだけど、

断る理由がなかったんだよね、何もなかったから」

「私のことは?」

「Yもいなかったじゃん、事前にいってくれてたら断ったんだけど」

「もういい・・・」

とYちゃんはあきれて話すのをやめてしまった。

沖田×華は「これで大丈夫、体張ったかいがあった」

と安心して眠りについた。

 

翌日、沖田×華がシェアハウスに帰ると、

大勢の友達が集まって、そこでYちゃんが泣いていた。

「みんなどうしたの?なんでY泣いてるの?」と聞くと、

「Yから聞いたけど、どーゆーこと?」

「Yがどれだけ傷ついたかわかってんの?」

「前から変な女と思ってたけど、本当サイテーな女ね」

「Yに謝りなよ!!」と、口々に責めたてられた。

 

「なんで?」と聞くと、

「傷つけたからでしょ!」

「私が?どこを?」

「とぼけるのもいい加減にしなよ!自分が同じことされたらどう思う?」

「私は傷つかないんだけど・・・」

 

アスペルガーの沖田×華は、

他人の気持ちに共感する能力が低く

自分の価値観だけでものを言ってしまうのだ。

 

その結果友達全員から罵詈雑言攻撃を受けることとなる。

攻撃は夜中まで続き、結局沖田×華は

「友達の好きな男を寝取った最悪な女」として

土下座させられることになった。

 

友達たちが帰ったあと、沖田×華はYちゃんに

「私のことキライでもなんでもいいから

あの男と付き合わないでね

それならYに絶交されても平気だから」

と言い、Yちゃんは

「あんたさあ、本っ当にバカだよね」

と言って、今でも2人は友達なのだそうだ。

 

アスペルガーの特徴として

こだわりが強いという傾向があるそうだ。

 

例えば沖田×華は青色のものが好きで

仕事場は青のもので統一されているという。

絨毯やカーテンや小物類など。

 

その青は「サファイアブルー」という色で、

それ以外の微妙に違う青は興味の対象外なのだそうだ。

 

沖田×華が青が好きということを知っている人が

時々青色のものを買ってプレゼントしてくれるのだが、

それが「サファイアブルー」とは微妙に違う、

「オリエンタルブルー」とか

「ロイヤルブルー」である場合が多く、

青の服ばかり入れている洋服ダンスにしまうと

その青だけが浮いて見えて落ち着かないそうだ。

 

自分で通販で買う時も

パソコンの画面で見た青と

実際に送られて来る商品の青が

微妙に違うことはよくあるらしく、

そういう失敗した服はフリマで売るという。

 

そんな沖田×華の36歳の誕生日に

彼氏(おそらく桜井トシフミ)が、

財布をプレゼントしてくれたのだが、

その財布の実物は「緑がかったターコイズ」だった。

 

それが通販の画面では

フラッシュの反射で「サファイアブルー」に見えたのだ。

 

沖田×華の色の好みをよく知って居る彼氏は、

すぐに返品しようとしたが、

沖田×華は、自分のために

青の財布を探してくれた彼氏の気持ちを

とても「嬉しい」ものとして実感できたそうだ。

 

発達障害は共感能力が低く

他人の気持ちを推し量ることが苦手なので、

そのことが原因でトラブルが起こることも多いのだが、

沖田×華は36歳にして初めて

「自分のために財布を探してくれていた」

という彼氏の気持ちを理解し、

「その気持ちが嬉しい」という感情が、

自分の青色に対するこだわりをはるかに超えて実感できたのだという。

それは水に触れたヘレン・ケラーが

全てのものに名前があるという概念を理解した時のような大発見だったのだそうだ。

 

ちなみに沖田×華の母親は

ピンク色にこだわりがあるらしく、

マイメロディのピンク色と

ハローキティのピンク色は全く違うと言っているのだが、

沖田×華には全くその違いはわからないらしい。