10年前に兄が突然この世から消えてしまいました。

 

入院治療をしていたのですが

 

命にかかわるような重大な病とは誰も思わず

 

(今にして思うと

 

そう思っていたのは私達だけだったのかもしれません)

 

「しばらく病院でゆっくり休むといいよ」

 

ぐらいの気持ちでいたのが

 

早朝に「急変した」との電話があり

 

その日のうちに旅立ってしまうという・・・。

 

 

その頃 兄家族は両親と二世帯住宅で暮らしていました。

 

父は現役で会社勤めをしながら

 

中度のアルツハイマーを患った母を介護していました。

 

兄の急死は父や私にも大変な出来事でしたが

 

それと共に母に兄の死をどう話せばよいのか、

 

かなり悩ましい問題でした。

 

理解してパニックになってしまうかもしれないし

 

全く理解できないかもしない。

 

どうしたら良いのかわからず

 

また葬儀の準備などでバタバタとしていて

 

とても母の介護までは手が回らないので

 

とりあえずショートステイとデイサービスを利用しながら

 

どうにかその日その日を過ごしていました。

 

 

葬儀の日取りは諸々の事情があり

 

亡くなってから一週間以上先となったので

 

兄には最初の3日だけ自宅に戻って過ごしてもらい

 

あとは葬儀社で安置してもらう事になりました。

 

兄が自宅から葬儀社に移動してから

 

母にも自宅に戻ってもらい

 

兄が亡くなったという報告をしました。

 

「あら、そうなの、可哀そうに」

 

とまるで他人事のように話す母。

 

やっぱり理解するのは難しかったのだと

 

なんともやるせない思い・・・。

 

その日から葬儀まで

 

母だけがいつも通りの毎日を過ごしていたように思います。

 

 

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長くなったので2回に分けます。