なぜテープ起こし業界では「分割納品」を推奨しないのか | 英語テープ起こしクリプトンのブログ

なぜテープ起こし業界では「分割納品」を推奨しないのか

定義: ひとつの案件のテープ起こし原稿を一括で納品するのに対し、分割してバッチごとに納品することをお客様がご要望される場合、これを分割納品(バッチデリバリー)と呼びます。

クリプトンでは、原則として分割納品はリクエストがあった場合にのみ対応しますが、お勧めはしていません。なぜでしょうか?

分割納品をお客様が望むことはまれにありますが、通常、

1. お客様は大至急の納品を希望していても、現実的にその日のうちに全作業を完了することが出来ない場合、お客様はその案件をバッチに分割し、各バッチごとに納品予定を立てることを希望されることがあります。

2. 例えば複数日程にわたるカンファレンスやシンポジウム全体のような長時間にわたるテープ起こしのご依頼で、お客様による音声ファイルは当日のプログラムが終了した後にアップロードし、それを連日繰り返す場合、納品もファイルごとの納期に応じ分割して予定を立てられることがあります。

$英語テープ起こしクリプトンのブログ-分割納品

分割納品のデメリット:

1. 品質への深刻な影響: 分割納品の場合、短納期で複数の音声ファイルがあります。これらのファイルは通常ひとつの案件としてではなく、各ファイルごとに作業が進められ、別々の編集者に割り当てられることもあります。これにより、全体の仕上がりの質や一貫性に問題が生じます。もしこれが一括納品であれば、常に案件全部を一人の編集者に割り当てるようにするため、その案件の内容をよく理解できたり、ファイル内の話し手らの識別がよくできたりする等、最終的なテープ起こし原稿は正確で高品質なものとなります。

2. 一貫性の問題: 分割納品では複数のファイルが存在し、複数の編集者が同時にそれらのファイルの作業をすることで、フォーマットや、話し手の識別に関する一貫性等の問題につながったりします。例えば最初の音声ファイル内で、メインの話し手がシンポジウムやインタビューの開始時に自分のことを明らかにするようなケースもあります。分割納品なので2本目以降のファイルを作業している編集者が最初のファイルを作業する同一人物とは限りません。そして2番目の編集者は最初のファイルにある情報を見逃すかもしれません。よって、後のファイルでは話し手の識別が不正確だったり、識別ができていないという結果になり、その案件で深刻な一貫性の問題につながるのです。

3. 納品の遅延: ひとつの案件で3~4個のバッチを3~4日にわたって納品するような場合、納品が遅れるバッチがでてくる可能性が高くなることもあります。これは作業工程の管理者にとってこれら全てのバッチの追跡が一括納品に比べて難しくなるからです。

したがって弊社では、不明確さがなく最高品質の完成品をタイムリーに納品できることを確実にするため、分割納品スケジュールを避け、ひとつの案件全部を一括で納品するスケジュールにすることをお客様に推奨しております。

読者登録してね