BPOとインドのテープ起こし産業の発展【後編】 | 英語テープ起こしクリプトンのブログ

BPOとインドのテープ起こし産業の発展【後編】

前編では、BPO産業がどのように進化し、テープ起こし産業が生まれたのかを見てきました。後編の今回は、インドでどのようにテープ起こし産業が広まったのかを解説します。(前編記事はこちら)

テープ起こし産業がインドで始まった頃、専門的なテープ起こしの技術トレーニングを行うスクールも現れ始めました。受講生は1万~6万ルピー(2万~12万日本円相当)の受講料を支払いトレーニングを受けます。スクールとは別に、テープ起こし会社がOJTトレーニングを行い、腕のよい作業者を社内で雇用するか他社に斡旋するパターンも生まれました。いずれの場合も、基礎的なテープ起こしのトレーニングには4~6ヶ月かかるとされています。

英語テープ起こしクリプトンのブログ

テープ起こしのトレーニングには、ビジネス・法務・一般的なもの(General transcriptionと呼ばれる)・医療など専攻する分野(業界)によってあらゆるモジュールや分科が用意されています。これらのコースは、各モジュールごどに練習問題とスコア評価を繰り返すことで、テープ起こしスペシャリストとして会社で実際に仕事をするのに必要とされるあらゆる知識やスキルを得られるよう開発されています。

テープ起こし産業の中でも特に代表的なのがメディカル・トランスクリプションです。アメリカでは医療業界全体が医療保険をベースに成り立っており、詳細な医療診断記録が保険の利用に不可欠となっています。

メディカル・トランスクリプションとは、医師が診断内容を口述し、録音記録したものを速く・正確に書き起こすプロセスを指します。メディカル・トランスクリプショニストと呼ばれる作業者は、口述記録の書き起こしから文書フォーマットの調整、患者の医療記録をプルーフリードするまでのプロセスを担当します。

メディカル・トランスクリプショニストに必要とされる資格は大卒レベルですが、このほか必須スキルとされているのが、リスニング力、言語力、医学専門用語の知識、英語の流暢さ、そしてあらゆるアクセントに対する理解力です。このほか、メディカル・トランスクリプションの専門トレーニングコースを修了している場合はより有利になります。


英語テープ起こしクリプトンのブログ

トランスクリプションサービスを必要としているのは主にメディア(出版・製作)、大学をはじめとする各種研究機関、法律事務所、コンサルタント、そしてその他の一般企業です。

インドではこのように、あらゆる専攻分野(業界)に特化したテープ起こし作業者がグローバルなアウトソーシングの流れを受けて育成されてきました。日本ではあまり知られていませんが、米国・英国を発端とする欧米企業のアウトソーシングモデルによって高度なスキルを習得したテープ起こし人材がインドに豊富に生まれたのには、このような背景があったのです。

ペタしてね