実際の毎日新聞の見出しは

「兜町の風雲児」の名前、再び

のようだが、見出しタイトルのコピーライトとしては非常に秀逸に思えた。

「○○、再び!」っていう人々の関心を集めるインパクトのある見出しの手法を踏襲しただけなんだろうけど、「○○」の箇所に今回は「兜町の風雲児」が付いたところが、今回の妙というか、キモだった。

「兜町の風雲児」と言えば、「それが誰のことを指すか」は業界人なら普通ピンとくる。

業界人、投資家なら「加藤暠、その人」を指すことは誰でも知ってる。

将来的には「墓碑銘」としても使ってあげたらいいくらいなもんだろう。


ま、それはそれとして、今回、「えっ!まだ生きてたの!!!?」と逆にビックリしてしまった。

もう10年くらい前には死亡説が流れていたように記憶している。

「新しい風の会」以降、数年ぶりに立ち上げた「泰山」の会のオークラだかで開いたレセプションで、加藤氏があまりにも「現代の市場のルールについての知識に追いついていけてない発言」などもあり、「この人は最早、過去の人なんだな」とか、参加した人々の失望を買い、結局、「泰山」も失敗に終わって、その後、「あの人、大病を患って死んだんじゃね?」とかいう噂だったように思う。

それが今回、一緒に逮捕された息子が、金融工学かなんかで大学の助教授までになっていたというから、親子鷹による加藤氏の復活劇だったのだろう。

行った行為の対象が相場操縦でなければ、「不肖のオヤジをカバーする孝行息子」として賞賛されてもいいくらいな「いい話」だが、残念ながら・・・


俺なんかは平成入社だったから、昭和の時代の加藤氏は既に伝説扱いで、あまり詳しく知らなかったものの、いざ営業に出た時には、「やはり目指すは、加藤アキラのような相場師」というのが目標だった。

でも、現実は、「投信のノルマ営業」とか、「ハメ込み営業」を上司から強要され、しかも月々のノルマを達成できず、最後にはダメ営業マンの烙印を押されて閑職に飛ばされてしまった。

かつては夢も希望もあった若手社員が挫折していった契機ではあった。

そう考えると、加藤氏のような営業マンの成功者、カリスマというのは、相場操縦という悪いことした以上に、甚大な被害を当時の俺みたいな若手証券マンに及ぼしたとも言えるのかもしれない。

往々にして「カリスマの功罪」ってのが問題になるけど、世間からチヤホヤされるカリスマ本人はいいけど、カリスマのやってることを「自分が目指すべき目標の頂き」に設定してしまうと、いろいろと問題があるんだろう。


昨今、企業の問題が続出しているけど、むしろ企業人としては「カリスマを評価してはいけない」という強い意志が企業運営には必要なのかもしれない。