明日は立ち寄りということで会社自体への出勤は少し遅くてもいいことに予定入れといた。

残業が続く平日には、体力的には、時々、そうしたいと思うのだが、今の俺の立場だとなかなかそういう訳にもいかない。

何も用事が無くても、とりあえず会社に居ないといけないみたいな制約がある。

俺が会社にないと報告したり、俺の指示を仰がなければいけない側の部下が困るから。

もしかしたら安心料が俺の給料の半分を占めるのかもしれない。

それは前の会社の後半でも同じだった。

経験が長い社員である「俺が居ない時に、なんかあったら困る」からってんで、上司がなかなか休みを取らせてくれなかったりした。

会社の一大事の時、プレスリリースの原案を作ったり、そのプレスリリースが出た後に殺到するであろう会社への問い合わせの電話やら、法人営業の社員がお得意様にしなければならない説明を考えたり、あれやこれやの全社的なオペレーションまで、一日二日で叩き台を作って、常務に上げて、それを常務が社長に了解を取って、最悪の事態ながらも、なんとか危機を乗り切った経験がある。

いわゆる、「負け戦の殿(しんがり)」役を黒子として務めた。

そんな感じで、辞めた前の会社では、俺は俺の立場で出来得る最大限の貢献をしたつもりではあったが、結局、そんなのの評価なんて最後は有耶無耶にされてしまう。

「今回のお前の苦労は、いつか報いてやるからさぁ」とか役員連中とかが何度も口にしてたけど、その見返りは、結局なかった。

やはりというか。

ま、俺も半分は役員の言葉を信じたい気持ちと言うか、スケベ心もあったが、「まあ、何度も裏切られてきたこの会社の役員の言うことだから、鵜呑みにしちゃいけなんだろうな・・・」とか思ってたら案の定だった。

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、「あの僕とのお約束はどうなりました?」と尋ねても、「なんの話だったっけ?」とか平気でしらばっくれる。

ま、俺は俺で「この経験は、この会社では役に立たないだろうけど、転職すれば大きな財産になるよな!?」と考えつつ、見返りが期待できないことも予測しつつ、あえて火中の栗を拾いに行った部分もあるし・・・

で、案の定の期待外れの結果に終わっても、「やはりそうでしたか、期待した僕が馬鹿でした、残念ですね」という気持ちしか持たず、そっから半年で転職を決意するに至った。

当然、転職しても、まったく同じシチュエーションというのはないのだが、一遍でもそういう経験を積んでいるので、そっからさらにバリエーションが増えてるんで、別に危機じゃなくても、かなり自分の引き出しとしては増えてる。

ま、会社の存亡の危機とかいう場面は、なかなかないかもしれないが、そいう危機的な状況を楽しんで、「自分の枠を広げる機会」ととらえて、首を突っ込むっていうのも有りかと思う。

ましてや、「いつかこの会社を辞めてやる!」って腹の中で考えてる腹黒い人間にとっては。